運送業や住宅会社の経営改善や事業再生、現場での実務と償却前営業利益の話
中小企業の会社経営に経営コンサルタントは必要か?
ふと、そう思う時がある。
銀行や銀行の行員によっては・・・
経営コンサルタントを嫌う人たちもいる。
特に銀行員としてや個人としてのプライドの高い人がこの傾向にある。
時には・・・
銀行が債務者に向けて方向や態度を急変させた時に嫌がる傾向にある。
社長の後ろの知恵袋や同伴交渉を嫌がるようになる。
今まで同席をして、相談していたような銀行さんに突然言われるので戸惑ってしまう時がある。
入金交渉にも支払い交渉にも同席をして社長を支え、銀行が割れない手形の割引き先を探してきて、
綱渡りの資金繰りの指導をして、サブ銀行に騙されて潰れそうになるのを阻止したり、
決算書で3期ぶりに売り上げも利益も改善するようになったこと知っているのに、
お家の事情や方針転換で急変するのは慣れたとはいえ憤りを覚える時がある。
建前に・・・
経営コンサルタントの支払い金額を経費削減に充てるようにと言ってみたり、
経営コンサルタントの支払い分を返済に充てるようにと言ったり、
いろんな行動をや発言を債務者に言うようになる。
経営者がどうしてもアドバイザーや資金繰りや改善や戦略上に必要だと言ったなら、
「次回の書き換えはしませんよ!」
「リスケを認めず返済を開始しますよ!」
「期限の利益の喪失事項ですよ!」
「本店への稟議を書きませんよ!」
「もう銀行も私も協力をしませんよ!」
なーんて、優越的地位の乱用を持ち出すのである。
緊急保証制度の融資が始まっていなかった、モラトリアム法が施行されていなかった時には、
このような無茶苦茶な話が結構あったのだが、またこんな話があっちこっちで出始めてきた。
経営コンサルタントの費用を返済にあてろ、経営コンサルタントを会社から外せ、
そう言われたなら、議論上は簡単に勝敗はつくのである。
「金利を下げてあげたらどうですか?」
「稟議を上げなかったら、困るのは担当者でないですか?」
「優越的な地位の乱用にあたりませんか?」
こんな話をする時もあるが、基本的には喧嘩をすることは得策ではない。
なぜなら・・・
債権者であり、自分のカネを貸しているように思っている、こういうプライドの高い銀行員は、
プライドを傷つけられたり鼻を折られると根に持って陰湿な態度で接してくることがある。
全員がそうだと言っているわけではない。
出世などクソくらえ! などど言いながら、融資先のことを考えて行動をしている方も多くいる。
しかし、悲しいかな、こういう人間は銀行の中ではなかなか認められないのである。
悪質な経営コンサルタントが多くいることも事実である。
そういう経営コンサルタントを見てきた銀行員さんにはアレルギー感があるのも事実である。
会社分割、事業譲渡、債権カット、債権放棄、などの甘い言葉で高額な報酬を得る人物も存在する。
会社分割は書類上のことなので誰でもできる。
会社分割が目的でゴールではないのである、その行為によって企業が再生できることが重要である。
セカンドオピニオンで相談を聞いたりすると、会社分割を終わって2年にもなるのに、
仕入先も銀行も新旧の会社で重複しているなんて笑えない話もあるのである。
何のための会社分割なのか? となってしまう。
リスケ後の建設会社の経営は難しい。
公共工事などが主たる事業だと、入出金の山と谷の大きさに支払いが追いつかないケースが出てくる。
こんな相談やアドバイスなど本やセミナーには出てこない。
机上の空論で評論家のように電卓を叩いていたって解決はできないのである。
現場で自分のことのように、泥の船を一緒に漕いだ実践の経験でしか見につかない。
経営コンサルタントが顧問先を離れるのは簡単である。
その企業が再生できて、一人で舵を切れる船になったら必要はないと思う。
もしくは、再生途中であれば、銀行員が経営指導をして資金繰りの相談にのって問題を解決してあげれば、
別に経営コンサルタントの必要性はないであろう。
金融庁が言う、銀行の経営コンサルタントの業務を強化するという方針と同じなのだから・・・
債権者が債務者の会社を再生させる、そんな利益相反が可能ならば実行すればいいのである。
顧問先のことを一番に考える。
それが経営コンサルタントの立場で仕事だと思っている。
銀行は敵ではないと思っている。
こんなケースに出会うと、本当に味方なのか?
そう感じずにはいられない時がある。
本当にいっぱいいっぱいの社長の心も折れてしまう。
売り上げが回復して上昇してきて、利益も上がり、再生の明かりも見えてきた。
それでも社長さんが経営コンサルタントを必要としている。
なぜなら、支払った費用以上の効果があるからである。
これからも費用以上の効果が見込めるから必要とするのである。
それを排除したい銀行の意図が見えてこない。
お家の事情というやつが、私には理解ができないのである。
なーんか雑感でした。