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事業再生 / 地方の中小企業 / 現場での実務

網師本大地

網師本大地


最近、本当に経営相談が増えてきた。
建設会社、運送会社、理容院(柄にもないが・・・)、その他、いろんな職種である。
地元の有力企業や老舗企業、中小零細企業に個人事業主、企業規模もバラバラである。

今年は秋から冬にかけて厳しい状況が訪れてきているのであろう。
政局がガタガタしている間に景気はどんどん悪くなっているように思う。

どうしてなんだろうか?
私だけなんだろうか?
経営コンサルタントの指導の後のセカンドオピニオンが多くなってきた。
地方の中小企業も経営コンサルタントを利用しているということなんであろうか?

大手の税理士事務所系の経営コンサルタント事務所の後だったり、
建設会社の専門パイオニアのような中小企業診断士の先生の後だったり、
銀行退職支店長のコンサルタントの後だったり、
セカンドオピニオン的な経営コンサルタント業務が増えてきた。

たぶん、10年前には地方ではなかったパターンであろう。
その時代なら、商工会の相談員か銀行の紹介でしか経営コンサルタントには出会わなかったであろう。
時代はインターネットの多情報時代だと言えるであろう。

セカンドオピニオンにも困ったことがある。
それは、幹部や社員に経営コンサルタントにアレルギーを持っていたりするのである。
「またか?」そういう雰囲気が社内に蔓延している。
経営コンサルタントに払うお金があるなら、自分たちの給料に反映をしてほしい。
会社のために何の役にも立たないのだから・・・

社長からは・・・
「これが、最後の経営コンサルタントです。」
「先生で再生できなければ、会社の存続はあきらめます。」
そうはお願いをされても、従業員から見れば「また、おんなじような経営コンサルタントか?」

それもそうであろう・・・
関西一だとか、中四国一だとか、建設部門専門スタッフがいるとか、銀行に顔がきくとか、
本を書いているとか、TVにちょっと出ているとか、それを信じてコンサルタントを受けたのである。

結果は・・・
「汗かけ!」「知恵出せ!」「若いんだから・・・」
宗教ではないので、そんな指導を受けても???
まるでコーチングの体育会系バージョンである。

もしくは・・・
銀行に紹介された、銀行ととても仲のいい、銀行目線の事務所に、
銀行のとっても喜ぶ経営改善計画書を作成していただいて苦しんでいる。
再生計画の作成は完璧にできたが、後のフォローもコンサルタント指導もなしである。

初歩中の初歩の・・・
受け取り手形の割引き、支払手形の割引き(自社振り出しに手形の格付けを下げない)、
従来通りの履行保証、経営コンサルタントとして当たり前のことすら銀行に伝えていない。
伝えていないとか、話をしていない、忘れたならまだいいが、
そもそも交渉をしたりお願いをすることすら知らない四国一のコンサルタント事務所の担当者。

こんなケースのセカンドオピニオンになると・・・
目はどこに向いているのであろう? 銀行なのかお金なのか?
そんな腹立たしい苛立ちを覚えずにはいられない。
銀行に気に入られるために経営コンサルタントをするなら、銀行の顧問かアドバイザーになればいい。

有名になるために・・・
たくさんのお金をいただくために・・・
経営コンサルタントを仕事としているわけではない。

人さまの生命と財産である。
無責任なことはできない・・・

知らなくても知っていると答える、そんな経営コンサルタントの先生は犯罪者である。
世の中にしらないことはたくさんある。
「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」
「聞く耳を持つ」
「知らないことを知らないと言える人間は素晴らしい」
私はいつもそう思いながら経営コンサルタントの仕事をしている。

本やセミナーで学ぶこともある。
しかし、再生や経営コンサルタント関係のバイブルには、できもしないこと、100に1つの成功事例、
客寄せCM、現場で役立たない教えがたくさんのっている。

中小企業は大学病院のマウスではない。
切られたり、薬を飲まされてみたり、論文のための実験台ではない。
平気で試してみている経営コンサルタント事務所が存在するの悲しい。
メスを持ったこともない医者が、本で読んだ知識で、現場で手術をする。
冗談ではない・・・

再生の答えは現場にしかない。
わからなければ、人脈を頼って教えてもらえばいい・・・
そこには100点にちかい答えがあると思う。

中小企業は本やセミナーを実験してみる場所ではない。
そんな経営コンサルタント事務所があることが悲しい・・・

経営コンサルタント事務所が大不況である。
中小企業金融円滑化法(モラトリアム)で大不況である。

銀行交渉や経営改善計画書しか書いたことのない経営コンサルタント事務所が、
建築会社や工務店の戦略や改善のコンサルタントの仕事をCMしている時代である。
専門の先生やスタッフがいるとCMしているのに会社は何も変わらなかった。
そんな事例は山ほどある。

日本中に良い先生はたくさんいる。
良い出会いをしてほしい・・・

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