森元首相失言に学ぶ、「修復のチャンスは逃さない」
こんにちは、千葉 海浜幕張のイメージコンサルタント・ビジネスマナー講師、城戸景子です。
SNSで一気に吹き荒れた批判の嵐
1週間ほど前でしょうか?
ベネッセコーポレーションから「重要なお知らせ」とした封書が送られてきました。
中には、お手紙と返信ハガキ、
大規模なお客様情報漏えいに関してのお詫びに関してです。
お詫びの品は、次の2つから選択できるとあります。
①500円分の金券・ギフト券
②500円の寄付
ほどなくしてSNSで、
「おかしいんじゃない?」
「どういう意味?」
「違和感を感じる」
などの投稿が上がり出し炎上。
批判の原因は、「寄付」の項目です。
膨大な労力と費用が無駄に
9月10日付けの日本経済新聞によると、
漏洩があった件数は当初に比べて増え、約3504万件(実態の件数では約2895万件と推計)とのこと。
これだけの相手に、膨大な費用と労力をかけてお詫びを準備したにも関わらず、
企業の信用回復どころか、さらに悪化する結果を招いてしまいました。
リカバリに至らなかった理由
では具体的に、何がいけなかったのたのでしょう?
SNSで批判を受けているとおり、問題は寄付の項目です。
本来であれば、「企業から顧客へのお詫びは一方通行でいい」のです。
謝意を表す為だけの一方通行です。
お詫びのタイミングで、相手からの反応や返信を期待する双方向コミュニケーションを求めるのは間違いです。
「500円の金券を受け取る代わりに、なんだったら寄付をしてくれてもいいよ」という
中途半端な選択権の提示が、顧客の不信に輪をかけてしまったと言えます。
しかもその寄付は、自社が設立した財団への寄付ですから、
顧客が疑問に感じるのは当然です。
謝罪のチャンスは死にもの狂いで
企業であっても、それは人が構成するものですから、間違いがあるのは当たり前。
大事なことは何かが起こった時に、いかに回復するか、回復させるかです。
そのためには、「謝罪時にはそのチャンスを何がなんでもモノにする」ことが鉄則です。
今回のケースでは、
「500円の図書券なり金券」を情報漏えいの対象者全員に、無条件にお送りすれば良かったのです。
まさに一方通行のお詫びです。
財団によるこども基金を設立し、子供たちの教育活動に役立てることは素晴らしいことです。
しかしそれは、自社で完結してこその禊。
ご迷惑をおかけしたお客様に、お詫びの代わりの選択肢として寄付をお願いしたことで、
謝罪のチャンスを無駄にしてしまいました。
思いを形にするビジネスマナー
謝罪時には、相手に対する心からのお詫びの気持ちを形にして表すことが重要です。
その形が、謝罪時のビジネスマナーです。
ビジネスマナーの本質は、形式的なものではありません。
そこには必ず、「相手を敬う心」や「思いやり」が存在することをしっかりと認識していれば、
謝罪が失敗に終わることは避けられるのです。
多くの企業にとって社会的信用は何ものにも代えがたい貴重な財産でしょう。
今回のケースにおいても、
社員全員が決意を持って、失くした信頼をひとつひとつ積み重ねていかれることを、
そして会社理念である
『Bene(=よく) Esse(=生きる) 社会の実現を支援する』企業としての姿を
取り戻されることを期待します。
*関連記事として、JIJICOに掲載された
【釈明会見で号泣、与える印象のデメリット】もご覧ください。
*謝罪に関する個別アドバイスも承っています。
お困りの件がございましたら、弊社ウエブサイトよりご連絡下さい。
STUDIO STELLA
最後までコラムをお読み下さいまして、ありがとうございました。
◆◆◆・・・◆◆◆ ビジネス力を強化する「第一印象」と「ビジネスマナー」 ◆◆◆・・・◆◆◆
STUDIO STELLA 城戸景子
〒261-0023 千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンCB棟3F MBP
(社)ジャパン・パーソナル・ブランディング協会認定イメージコンサルタント、ビジネスマナー講師
ミューズ・ブランディング・アカデミー(株)千葉校 校長
■ メール:info@stella.image-consulting.jp
■ メルマガ:成功するビジネスマナー ≪サクセス マナーズ≫まぐまぐより毎週火曜日発行 読者登録はこちらからお願いします。