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不動産×ITで十和田市の活性化につなげたい

行政書士の資格をもつ不動産トータルコンサルティングのプロ

橋場祐太

橋場祐太 はしばゆうた
橋場祐太 はしばゆうた

#chapter1

LINEや360度動画などオンラインで気軽に住まい選びを

 不動産の契約手続きには、「不動産会社に行って、物件を内見する」「複数の契約書に署名、押印する」など、敷居が高いイメージがありませんか?青森県十和田市の中心部にある「橋場不動産」の橋場祐太さんは、来店を不要にする手続きのオンライン化を推進しています。メールのほか、2020年にLINEでのオンライン相談をスタート。世代を問わず登録者数が伸びています。

 きっかけは、橋場さんが入社直後に参加した業界の研修で、360度のパノラマ写真での物件紹介を知ったこと。以来、物件情報の充実や手続きのIT化など、顧客の利便性を追求しています。間取りとパノラマ写真を組み合わせたり、部屋全体を見回せるような360度動画を活用したりと、さまざまな形で物件を紹介。

「遠方からの急な転勤など、現地を内見しないまま契約しなければいけないというお客さまはおられます。物件情報を充実させ、入居後のミスマッチを解消したい」と話します。

「自分の部屋から、次に住みたい部屋を具体的にイメージすることができ、気に入ったらボタン一つでそのまま契約ができると便利ですよね」と橋場さん。

 2021年3月から、インターネットなど対面以外で重要事項説明を受けられる「IT重説」が、賃貸だけでなく売買取引でも緩和されるなど、今後、業界全体で手続きのオンライン化が進むとみられています。

「ネットショッピングをするように、住まい探しができることが理想です。お客さまとコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことができれば、不動産契約もオンラインで完結できると思います」

#chapter2

市場動向や入居者ニーズなど地域ならではの情報を「見える化」

 学生時代から、紙などのアナログよりデジタルの情報を扱う方が効率がよく、自分には合っていると感じていたという橋場さん。大学院卒業後に、家業ということで飛び込んだ不動産業界は、紙と電話、FAXを使って仕事を進めることが当たり前でした。新たなサービスを展開するためには、「法律上のルール以外は〝こうしなければいけない〟と決めつけないこと」。そこから、発想が生まれるそうです。

 例えば、来店客が物件の相談をする際に記入してもらっていた用紙を、ネット上の申し込みフォームに変更したことも取り組みの一つ。物件探しのピークや、入居者のニーズが高い設備など、これまでは紙の資料から一つ一つ集めるしかなかった情報を、スピーディーにデータベース化できるようになり、市場分析に役立てています。

「東京など大都市の情報は、大手企業などが分析し、次々公表されますが、青森県や十和田市といった地方が取り上げられることはほとんどありません」と橋場さん。新型コロナウイルス感染拡大を機に、テレワークの普及や脱ハンコなど、「これまでの当たり前」が見直される動きも、追い風に。

「十和田市に住みながら、テレワークで東京の仕事をすることも、夢の話では既にありません。IT化により仕事の効率化を図れば十和田を含め、青森はもっと楽しく、生産性を上げて仕事ができるはずです。まずは、自分自身が様々なツールを試し、便利さを周りにも伝え、十和田、青森での生活が〝とっても便利〟と思ってもらえるようになれば」と、IT化がもたらす地元の活性化にも期待を寄せています。

橋場祐太 はしばゆうた

#chapter3

行政書士の資格を生かし、不動産相続や空き家など困りごとにも対応

 地元への目線は、高齢化が進む不動産オーナーの代替わりや空き家問題などにも向けられています。不動産相続や行政手続きなど、行政書士としての専門性を生かしたサポートができることも橋場さんの強みです。

 橋場さんが印象に残っているのは、アパートの経営管理をしていた夫が亡くなり、突然相続問題に直面した妻からの資産整理の相談。他の専門家とも連携しながら相続の手続きや土地の売却などを行いました。

「誰にでも、ある日突然、相続問題がふりかかる可能性があります。残された家族同士で円満に解決できるケースばかりではないので、本人が元気なうちに話し合っておくことをおすすめします」。将来認知症になった場合に、信頼できる家族に財産管理を任せることができる相続対策の一つ「家族信託」の資格も取得し、不動産にまつわる業務の幅を広げています。

 また、地域貢献の一つとして、空き家管理サービスを展開しています。

「このあたりは地価が低いため、十分な報酬が得られず仲介業者が取り扱えない空き家が多くあります。月に一度、周辺や外壁を点検したり、換気を行ったりする空き家管理サービスを地道に続けていくことで、手つかずの空き家を少しでも減らすお手伝いができればいいですね」

 時代を読んだ情報のIT化から地域課題の解決まで、幅広い業務に通じるのは、地元密着の姿勢。不動産で十和田市を豊かな街にしたいという橋場さんの挑戦はこれからも続きます。

(取材年月:2021年4月)

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橋場祐太

行政書士の資格をもつ不動産トータルコンサルティングのプロ

橋場祐太プロ

不動産コンサルタント

有限会社橋場不動産

LINEでの相談や360度動画での内見などオンライン上のサービスで、来店不要の物件探しをサポート。行政書士として、不動産相続や家族信託、空き家問題などにも専門性を発揮。

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