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R6公立高校入試所感(その2)

一関港

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【数学】



(1)「小さな図をどう利用するかを考え、解くことに慣れよう」


 実際に入試問題を解いていく際に、図形の問題では条件やそこから得られた数値などを図の中に入れようとしますが、図が小さいと数値などが書き込みにくいので、意外にこれが計算ミスなどを招きやすい要因になると感じました。
 確かに図が小さいことで、折り曲げるなどの不正行為を防ぎつつ、計算スペースを確保する観点で有益だと考えますが、実際に解いてみると、書いた自分の文字が小さく、読み取り間違えると大きな失点につながると思い、気を付けなければと思う点として挙げることにしました。


(2)「令和5年度の問題大改訂+定番問題をセットにした?」


 令和5年度は、完全に秋田県入試の定番というよりは、新しいスタイルの入試問題になっていました。今回の入試問題は、その新しいスタイルを残しつつ、定番問題をそのまま入れたり、少しひねったりして出題しているように感じました。
 令和5年度の平均点や得点分布分析を踏まえ、そこに何かしらの意図を加えて作問・調整された問題に仕上がっています。昨年ほど低得点者が多いイメージはない一方で、今回は高得点者が少し増える印象です。はたして実情はどうだったのでしょうか。
 とはいえ、「解き慣れる」ことの大切さを痛感しました。


 また、上位層にとって易しい問題は、躓いた生徒に対して大きなダメージを与えてしまいます。数学の得点差が合否をわけた、というのも十分あり得ることです。当日、発想(糸口)が見えてこないこと、答えへの道筋がうまく辿れないこともあります。そういった当日のイレギュラーな事態は、事前に想定しておかねばなりません。

 イレギュラーを寄せ付けない質の高い準備は、おそらく中3よりもずっと前から準備しなくてはならないように感じます。




【英語】


(1)「『英単語』ではなく『英文』を重視する出題」


 「今年度は、大きく変わりましたね。」と仲間の先生方からも感想が届いている英語ですが、私なりの視点で述べますと、まずは「英単語」をベースにした問いが明らかに減りました。「英文」をベースにした問題に舵を切った印象です。多くの方が「共通テストを意識した出題」と分析されているようで、私も少なからず影響は受けていると思っています。
 出題形式も「記号選択問題」中心にすることで、平均点をあまり下げ過ぎないよう、作成上の配慮をされたのだと思いますが、いつも「マイナーチェンジ」で進めてきた英語が、これだけ大胆な変わると、読めるものも読めないし、パニック状態にはなるし…。受験した生徒の皆さんには負担がさぞ大きかったこととお察しします。
昨年の数学と同様に考えると、令和7年度入試問題では、今回の分析を踏まえて、マイナーチェンジを施した少し落ち着いた出題になってくれるのでは…と、勝手に願っています。

(2)「行間・フォントに容赦がない」ことへの対策を!


 近年、使用する英単語の量が増えたこともあって、行間がつまっていたり、文字が小さくなったりして、生徒たちからも「入試問題が読みづらくなった」という感想が出ていましたが、それを超えることがわが塾で発生しました。それは「ピリオドの読み落とし」です。
 ピリオドの意味が分かっていないのではなく、文字の小ささに、ピリオドの存在に気づいていない生徒が多数いました。皆さんはどうでしたか。その部分、気づきましたか。
 わが塾では入試後の自己採点中に、生徒からの指摘で気づかされました。もしかすると、以前の入試問題で使用した書体(フォント)に戻すだけでこの問題は解決するのかもしれません。しかし理由があって書体(フォント)を変えたと考えると、このまま出題され続けると考えるのが賢明です。

わが塾は「入試問題に合わせていくこと」と「入試問題の変化にも耐えうる生徒を育成していくこと」を同程度に大切にしています。細かな変化やポイントに焦点を当てつつ、それらの総体として見えてくる総論は、入試に挑む生徒たちにとって、ほんの少しであっても、安心して解くことのできる情報になるではないでしょうか。




次回は所感➂「理科・社会編」です。

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一関港
専門家

一関港(塾講師)

秋田受験ゼミナール

得意・不得意の把握は勿論、性格や思考傾向を理解した上で生徒一人ひとりと本気で向き合っています。得意をトコトン伸ばすために、不得意は克服でするために、少人数授業とマンツーマン指導を組み合わせています。

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