保護者は高校受験にどう向き合うか
令和5年度入試から
特色選抜・一般選抜に同一検査問題が使用されるようになりました。
新入試制度は今年で2年目になります。
入試の一般的な傾向や分析は
多くの学習塾や書籍、動画などでも紹介されていますので
そういったものはそちらに譲ることとしまして、
ここでは「全く別の角度」且つ「各教科につき2つ」に絞って、
入試問題の特徴をご紹介したいと思います。
今回は第1回として「国語」についてお話しします。
【国語】
秋田県の公立高校入試は
全国的にみても難易度や出題バランスなど、
あらゆる角度からみて良質な問題が出題され続けています。
今回は、以下の点に着目してみました。
(1)「指定語句の無い記述問題の増加」
秋田県の国語の記述問題は、指定語句が1語(25字以内が目安)または2語(50字以内が目安)で書かせる問題が3~4問程度は出題されていましたが、今回は1問のみでした。
こういった指定語句の無い記述問題にすることの意図について推察すると
① 生徒の多様な答えを積極的に評価することができる
② 指定語句の欠落による失点を防ぐことができる
③ 指定語句を使わなくても解けるような、比較的易しい問題にして出題できる
といった点が挙げられ、主体的に取り組んで答案を仕上げた生徒への積極的な採点の方向性
を感じ取ることができました。
(2)「作成する先生方の世代交代が進んでいる」
今回は、古典に新しい出題形式が見られました。「適する内容」として補充するものが、古文の本文横にある傍線部の内容を抜き書き、あるいは表現を修正して答えるというものでした。「適する内容」=「表現を変えた表現内容」と過去問などを通して勉強してきた生徒にとっては、戸惑う問題だったかもしれません。ただ、「正しい答えはこれ以外にない」という状態でしたので、内容を理解していた生徒にはむしろ答えやすかった可能性もあります。こういった「細かな変化」にこそ、私たちはアンテナを張り巡らしています。
作成される先生方にも世代交代の波は押し寄せています。その中で新しい問題形式は数年かけて練られ、出題するに足るものとして毎回仕上がっていくと、典型パターン(頻出問題)となるかもしれません。入試分析をしている私としては、世代交代が進む中でも、良質な国語科の入試問題が作られ続けることに、大きな期待を寄せています。
次回は、所感② 数学・英語編です。