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コラム

「公立高校入試『全入状態』下における模擬試験の存在意義」

2023年10月23日

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

秋田県内には、中学3年生向けの公立高校入試模試があります。
代表例を挙げますと

・全中模試
・秋田県全県模試
・秋田県高校入試 本番レベル模試
・高校入試そっくり模試

などがあります。

各模試ともに、それぞれのコンセプトで実施されており、
受験する各学習塾の生徒たちに志望校判定が提供されています。

しかし近年、少子化が急速に進み
公立高校の入学者定員削減が追いついておらず、
入試における倍率が1倍未満の高校が増えております。

「全入状態」と呼ばれるこの状態は、全国でも起こっており、
秋田県だけで起こっていることではありませんが、
これにより、模試を受ける必要性を見失ってしまった生徒が
毎年増え続けている現状にあります。

たしかに「志望校判定」は、「志望校合否判定」ですから
合否を確かめたい生徒には有益な情報です。
しかし、ほぼ合格が決まっているであろう生徒には
合否判定の情報は、必要のない情報になっているかも
しれません。

そういった点で、志望校判定を行う模試は、
一定の役目を終える日が近づいているのかもしれない、
という危機感は持つべきだと考えています。

存在意義を失いかけている模試ですが、
私はこれらの模試を「どう活用するか」がカギだと
考えています。

たとえば、この模試をこのように使ってみてはいかがでしょうか。

・単元ごとの「習熟度」をとらえる
・「合格者平均点」を超える合格を目指す
・1倍未満でも不合格は起こり得るので、手堅く受験する


推測の域を出ませんが
高校側も、より高い学力で入学してもらいたいと思っているはずです。
全入状態且つ競争原理の働かない環境下で点数が下降気味になることを
誰も望んでいないと思います。

中学3年生までに身につけたものを、いかに発揮するかを考え
高い志を持ちつつ、少しでも余裕をもって志望校に合格することは、
生徒一人ひとりの未来を、必ずや拓いていくものであり、
これほど素晴らしいことはないと思います。

倍率という競争原理を失った今、 「合格者平均点」という目標設定に対して、
自分がどれだけ近づけるか を試す時代に変わってきたのだと痛感いたします。


今回は、ここまでです。
次回は、「冬期講習にまつわるお話」をしたいと思います。

この記事を書いたプロ

一関港

国語の力を伸ばし他教科の成績アップを導くプロ

一関港(秋田受験ゼミナール)

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