熱処理について
先日(10月30日)、メッセ名古屋2024(10月30日、31日、11月01日の3日間、 Messe Nagoya 2024 ポートメッセ名古屋にて開催)に参加したので、その状況についてコメントします。
展示品の中で、生産技術コンサルタントとして、参考となりそうなものについて数例をピックアップして列挙します。(順不同)
①デジタルサイネージ
デジタルサイネージとは、ディスプレイやプロジェクターなどの映像表示装置を設置して情報を発信するシステム。ここで使用されるLEDビジョンの特徴としては、屋外・屋内設置が可能であり、パネル1枚ごとに交換ができメンテナンス性にも優れているとのこと。
②ペロブスカイト太陽電池
以前、ご紹介したこともあるペロブスカイト太陽電池が、展示品として紹介され始めました。ペロブスカイト太陽電池は従来の太陽光パネルに比べて厚さは100分の1、重さは10分の1と薄くて軽いことが特徴。また、ゆがみに強く「軽くて曲がる太陽電池」として、従来の太陽電池では設置できない場所に設置が可能。製造プロセスは塗布や印刷技術で量産ができ、形成するのは薄い膜なので材料の量も少なく、低コスト化が期待できるとのこと。
③CFRP炭素繊維分離回収技術
電磁波で加熱して炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から炭素繊維を分離・回収する技術であり、CFRPを構成する炭素繊維に直接エネルギーを注入することで、炭素繊維のみを発熱させ、繊維を覆う樹脂を熱分解し炭素繊維を回収させるというものである。炭素繊維の選択加熱技術として、誘導加熱技術を利用しており、内部加熱であるため熱ロスがほとんどなく、急速に加熱する為、短時間での処理が可能であるとのこと。
④3D加飾加工
加飾は、自動車の内外装などに多く用いられる工法。新技術の「TOM工法」は、他の工法では加工できないアルミやマグネシウム基材にも加飾可能で、シボ(皮、梨地、木目、布目等の模様)加工の微妙な質感を表現できます。次世代の成形技術といわれた三次元表面加飾「TOM工法」に着目し、3Dラミネーター(真空成形機)を導入したという事例。
⑤グラファイトパッキン
高温環境のシールとして、従来は耐熱性に優れた石綿素材のパッキンが主流でしたが、現在は石綿の代替品として、より耐熱性が高いグラファイト(膨張黒鉛)を素材としたパッキン=グラファイトパッキンが使用されています。耐熱性・耐薬品性などに優れた特性を持つグラファイト(膨張黒鉛)を素材としたグラファイトパッキンは、火力発電所、石油コンビナートの条件が厳しい箇所のシール材として使用されています。
⑥廃プラリサイクルシステム
熱可塑性樹脂(PS、PP、PE、アクリル等)を減容・簡易ペレット化するシステム(装置)。 製造工程で発生するロス品を効率よく再資源化するという優れものの展示がありました。
⑦その他
IoTセンサー(振動、磁界、温度の検出が一体となったセンサー)、長尺物の研磨加工、長穴加工(ガンドリルとは異なる短時間加工が可能なもの)など。
(参考ブログ)
https://www.pec-kumata.com/post/messenagoya2024