SDGs12について
昨日(9月4日)、Factory Innovation Week (秋;幕張)(9月4日、5日、6日の3日間、 幕張メッセにて開催)に参加したので、その状況についてコメントします。
同時にネプコンジャパンとオートモーティブワールドが開催されましたが、全体の印象として、Factory Innovation Weekが一番充実していたように感じました。特に、生成AIの活用事例やIoT(予知保全)の最新動向など、興味ある内容が多かったように思います。
以下に、生産技術コンサルタントとして、参考となりそうなものについて数例をピックアップして列挙します。(順不同)
①小型低価格AMR
比較的小規模フロアーには最適と思われるサイズ感(本体重量12.2Kg、可搬重量30Kg、最大速度0.5m/s(棚搭載時)、停止精度±10mm)、充電器を含めて1setで100万円以下で購入可能なAMR(自律走行搬送ロボット)である。大手自動車部品メーカー(デンソー)でも採用実績あるとのこと。
②生成AIを活用した高精度な外観検査ソフト
AI外観検査でいつも課題になるのは不良データが足らないことによる学習不足であるが、それを解決するのが生成AIによる不良画像生成のしくみである。内容的には少ない不良画像(場合によっては別の製品の不良も移植)から、大きさ、形状、色、位置等様々な不良画像を生成AIで不良データとして確保し不足を補うというもの、これによって従来では半年以上(不良データ確保期間要)かかる作業がわずか1週間で可能となる。(京大発スタートアップ企業)
③回転部品の予兆検知AIソリューション
回転部品つまりベアリング部分の近傍にセンサー(温度、振動、音を検出)を後付けし、AIにより異常度スコアを算出し、回転部品の状態を判断する仕組み。
ベアリング部分に特化し、温度、振動、音の3要素に絞り、後付けタイプで現場で即対応できることがポイント
④予知保全対応専門顧客伴走型ソリューション
IoTセンサーを用いて、顧客の代わりに回転機の稼働を監視し、保全アドバイスまで行う顧客伴走型ソリューション。こちらのセンサーは3軸振動と温度をセンシングするもので、強力なマグネットでの固定が可能。センサーからBluetooth、WiFi、4G回線でつなぐ。様々なモータの型式に対する膨大な解析データを保有しており、実績も豊富
⑤原価管理(加工費)の見える化
原価管理の自動化サービス、特に加工費について、RFIDセンサーを用いて作業指示書の追跡、カメラセンサーを用いた実働時間の見える化を行う仕組み
(RFIDとは、電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み書きするシステム。)
⑥プロジェクションマッピングを活用した組み立て支援システム
プロジェクションマッピングにより、複雑なポカヨケシステムを構築することなく、部品取りだしFPが成立する仕組み。さらに製品図、部品図の机上への映し出し、作業指示書(動画可能)等の机上への映し出しなど多品種少量生産現場の品質・生産性向上を飛躍的に実施できそうな装置の展示があった。(OKI)
⑦その他
IoT関係では、様々な外付けセンサ(保全面だけでなく、省エネ、環境へも対応したもの)を提供し、現場でのデータの見える化を支援する仕組み等、ロボット関係ではワークの硬さや形に柔軟に対応可能なハンド(オートグリップ機能)の展示などがあった。