研削盤加工について
先日(7月4日)、ロボットテクノロジージャパン2024(7月4日、5日、6日の3日間、 愛知県国際展示場にて開催)に参加したので、その状況についてコメントします。
(ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2024)
生産技術コンサルタントとして、全般的な印象 と 参考となりそうなものについて数例をピックアップして列挙します。(順不同)
①ロボット関連総論(全体的な印象)
展示品の傾向から見ると、製造工場の現状に照らし、人→ロボットへの置き換えが進んでいない部分に焦点をあてたロボット化 及び、AIなどの新技術を織り込んだ内容のものが多かったように感じる。
物流面への応用(AMR化)、ピッキング精度向上(カメラ認識・AI学習効果利用)、ティーチング精度・スピード向上(AI利用)、部品加工ロボット化(機械加工メーカの事例が多かった)がそれにあたる。
ロボットハンドについては、新しい技術の展示を期待していましたが従来の展示から大きな変化はありませんでした。(人工筋肉利用は従来通り、触覚センサー利用は今回は少なかった。)、予想外に双腕ロボットの利用展示は多く見受けられましたが、利用内容に対し、これは画期的と思えるものはあまりありませんでした。
②溶接ロボット
アーク溶接など、実際のロボット作業実演などが今回は多かった。TIG溶接やMAG溶接など溶接そのもののスパッタ低減化技術や溶接電極の自動交換システム等、とても興味深い内容のものが多かった。
③バリ取りロボット
溶接バリのバリ取りロボットや切削工程でのバリ取りロボットなど、付帯作業工程のロボット化に取り組んでいる事例も多く出展されていた。実際の効果、品質向上の部分の根拠については未確認にとどまった。
④協働ロボット
メーカにより、それぞれ特徴のある協働ロボットが存在し、協働作業の安全面に対しても配慮されているように見受けられた。大きな物は可搬重量50Kgのものも存在し、実際の作業現場にも浸透しているように思われた。
⑤ボールカップリング
カップリング(coupling)は機械の軸と軸を連結し、2軸の取付誤差(ミスアライメント)などを吸収して動力を駆動側から従動側へ正確に伝える機械要素部品ですが、その一つにボールカップリングがあります。
ボールカップリングはユニバーサルジョイント的要素とスプライン機能(滑らかな曲線を作図する機能)を併せ持つものとして注目されています。
⑥ツール(刃物)プリセットシステム
MCなどの工作機械の刃物交換、洗浄、プリセットなどの段取り作業は、工数的にも品質的にも重要な部分であるが、それを自動で行うことができるシステムとして注目される内容。
また、大規模な機械作業場の場合、刃物等の集中管理がこれを活用すれば可能となるという要素も含め、今後の機械作業現場改善への適応が期待される。
⑦モータ予知保全
モータに特化した予知保全用のツールであるが、従来から一歩進んだ内容のものとして確認できた。センシングの対象は振動、磁界、温度の3つであるが、設置後約1か月で個体(モータ)ごとの最適閾値を設定し、予知保全としての監視体制に移行することができるというしくみとなっている。実際の使用状況については現時点不明であるが、今後に期待したい内容である。
⑧その他
はんだ付け自動化、電動ドライバー、AI外観検査等、興味ある内容の展示がありました。