もしも!お口のケガ百科③「ケガのサインにご注意を!」

荒川大輔

荒川大輔

テーマ:小児歯科・お子さんの健康全般について

こんにちは。
名古屋市港区にあります、オリーブ歯科こども歯科クリニックです。


転んだりぶつけたりしたあと、歯が折れていなくても
「なんとなく違和感がある」「少しぐらつく」
「なんだか色が変わってきた」
…そんなことはありませんか?
一見軽そうな症状でも、実は歯の根や神経にダメージを受けている可能性があります。
今回は、目に見えにくい「歯の見えない外傷サイン」について解説します。

【ぐらつく歯は自然に治る?】
外傷直後に歯がぐらついている場合、多くの方が「様子を見ていれば治るかも」と思いがちですが、放置は危険です。

・歯の根が骨からずれている「亜脱臼」
・歯の周囲の靱帯が切れている
・歯の根が折れている(破折)

このようなケースでは、見た目に異常がなくても早期の処置が必要です。
固定が遅れると、将来的に抜歯せざるを得なくなる場合もあります。

【歯の色が変わる=神経のSOS】
ぶつけた数日〜数週間後に、歯の色がグレーっぽく変化することがあります。
これは、歯の神経が死んでしまったサインかもしれません。

・神経が損傷すると、血液が内部にたまって色が濃くなる
・感染が進行すると、歯の根に膿がたまり痛みや腫れを引き起こす
・症状が進むと、根の先に「膿の袋」ができて骨を溶かしてしまうことも

早期に対応すれば、神経の処置だけで済むこともあります。

【こんな症状があったら早めに歯科へ】
以下のような症状がある場合、外傷後の見えないダメージが疑われます。

・歯が押すと痛い/噛むと違和感がある
・ぐらぐらが数日たっても改善しない
・歯の色が暗くなってきた
・歯ぐきが腫れてきた、膿が出ている
・冷たいものや熱いものがしみる

たとえ軽い衝撃でも、数週間たってから症状が出ることがあります。

【ご家庭で気をつけるポイント】
ぐらつきや色の変化がある歯を守るために、ご家庭では以下のことに気をつけてください。

・硬いものはしばらく避ける
・歯磨きはやさしく、ぐらつき部分は無理に触らない
・自己判断でぐらついた歯を動かさない
・経過を観察し、変化があれば早めに再受診する

【まとめ】
見た目には問題がなくても、歯の内側ではトラブルが進行していることがあります。

特に子どもの場合、
「痛い」と言い出せないまま進行してしまうこともあるため、
周囲の大人の観察が大切です。

1.「ぐらつき」や「色の変化」は見逃さない
2.様子見にせず、できるだけ早く受診
3.違和感が続く場合は必ず経過観察を

次回は、「歯のケガのその後」について。
治ったように見えても、数年後に影響が出るケースについてご紹介する予定です。
将来の歯の健康を守るため、ぜひシリーズを通してご覧ください。

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荒川大輔
専門家

荒川大輔(歯科医師)

オリーブ歯科こども歯科クリニック

保険診療から先進的な自由診療まで幅広く対応、家族全員で通える地域のかかりつけ歯科医院です。全身の健康に悪影響を及ぼすお子さんの口腔機能発達不全症の治療に県内外から多くの患者様が通院しております。

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