もしも!お口のケガ百科⑥「魚の骨が喉や歯ぐきに刺さった!?」
こんにちわ。
名古屋市港区にあります、オリーブ歯科こども歯科クリニックです。
転倒や衝突などで、突然歯が折れたり抜けたりすることは、特に子どもでは珍しくありません。
こうした「歯の外傷」は、対応が早ければ早いほど、元通りに戻る可能性が高くなります。
今回は「歯の破折」と「歯の脱臼」が起こった時の対処法について、わかりやすくご紹介します。
【受傷状況を記録することが重要】
歯の外傷では、受傷時の状況が診断や処置に大きく関わってきます。
以下のポイントを記録しておくことが大切です。
・受傷した日時と場所
・どのような動作や状況で起きたか(例:転倒、ぶつかった、転がった)
・意識障害や出血の有無、量
・すぐに冷やしたか、歯を洗ったかどうか
・折れた歯や抜けた歯の保存方法
スマートフォンで写真を撮っておくと、さらに正確に伝えられます。
【応急処置のポイント】
歯が折れた、または抜けた場合、
落ち着いて以下のように対応しましょう。
<歯が折れたとき>
・破片が見つかったら、牛乳に浸して乾燥させない
・出血している場合は、清潔なガーゼで軽く押さえる
・折れた歯を無理に押したり触ったりしない
<歯が抜けたとき>
・歯の「根っこ部分」には触れないよう注意
・抜けた歯は乾燥させず、牛乳または口の中(舌の下)で保管する
・ティッシュに包む、水に長く浸ける、削るなどは絶対NG
・何もない時は口の中でもOK(飲み込まないよう注意)
【早急な受診が何より大切】
歯の外傷は時間との勝負です。
とくに脱臼の場合、30分以内に処置を開始できるかどうかが、
歯の保存率に大きく影響します。
・休日や夜間であっても、できるだけ早く歯科を受診する
・歯が折れていても、破片を接着して治せることがあります
・乳歯でも受診が必要。永久歯の発育に悪影響を及ぼす可能性があるためです
【まとめ】
歯の外傷に遭遇したときは、次の3つを意識してください。
1.「受傷状況」を正確に記録
2.「応急処置」を落ち着いて実施
3.「できる限り早く」歯科を受診
正しい知識と行動が、将来の口の健康を守る第一歩です。
次回は、「唇や歯ぐきの裂傷・打撲」など、歯の周囲の外傷についてお届けする予定です。
いざという時に慌てないためにも、ぜひシリーズで読んでみてください。



