コロナ融資との付き合い方

居谷謙祐

居谷謙祐

テーマ:銀行取引の仕方

~セーフティネット保証4号終了後の対応策~

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、多くの中小企業が活用した「セーフティネット保証4号」。
この制度は、100%信用保証協会が融資を保証する特別な仕組みとして、厳しい経済状況下で多くの企業を支えました。

しかし、2024年6月30日をもって新規申請は終了し、現在では同様の制度を利用することができなくなっています。

既に借り入れた4号認定の融資を抱えている企業は、今後どのように返済を進めるべきなのか。また、返済負担を軽減するための選択肢はあるのか。
今回は、このような悩みを抱える経営者の皆さまに向けて、具体的な対応策を解説します。

1. セーフティネット保証4号の特徴と終了の影響


セーフティネット保証4号は、感染症や自然災害など突発的な事象により経営が困難となった企業を支援する制度でした。
この制度の最大の特徴は、信用保証協会が借入債務の100%を保証する点です。
これにより、金融機関にとってリスクが低く、融資を受けやすい仕組みとなっていました。

しかし、現在では4号認定の新規申請が終了しているため、これから同様の条件で借り換えや新規融資を行うことは難しくなっています。そのため、既存の4号融資は契約通り返済を進めることが基本となります。

2. 返済負担が大きい場合の選択肢


返済計画に沿って対応できれば理想的ですが、経済状況や業績によっては返済負担が経営を圧迫するケースもあります。
その際に検討できる選択肢をいくつかご紹介します。

(1) リスケジュール(返済条件変更)の交渉

金融機関と相談し、返済条件の見直しを依頼することが可能です。
具体的には以下のような変更を提案できます:

   •   返済期間の延長:月々の返済額を減らす。
   •   元金据え置き:一定期間、利息のみの返済に切り替える。

リスケジュールを行う際には、正確な財務状況を提示し、合理的な返済計画を提示することが重要です。

(2) セーフティネット保証5号の活用

セーフティネット保証5号は、業況が悪化している特定の業種を対象とした制度で、現在も利用可能です。保証割合は80%ですが、金融機関との交渉を通じて新規融資を受けることで、既存融資の一部を肩代わりすることができる場合があります

3. 返済負担を軽減するための基本戦略


返済に向けた資金計画を立てる際には、以下の基本戦略を押さえることが重要です。

(1) キャッシュフローの見直し

事業の収入と支出を再確認し、無駄なコストを削減します。特に固定費の削減や在庫管理の徹底などが効果的です。

(2) 複数の金融機関との取引

特定の金融機関だけに依存せず、複数の金融機関から提案を受けることで、より柔軟な選択肢を確保します。

(3) 早めの相談が鍵

返済が困難になる前に金融機関へ相談することで、返済条件の変更や新たな融資を受ける可能性が高まります。問題が発生してからの対応では、選択肢が限られることが多いため、早めの行動が重要です。

4. 今後の備えとして重要なこと


セーフティネット保証4号の終了は、突発的な事象に備えるための財務戦略の重要性を改めて浮き彫りにしました。
経営者としては、以下のポイントを念頭に置くべきです:

   •   財務状況を定期的に把握し、リスクに備える。
   •   金融機関との信頼関係を築き、相談しやすい環境を作る。
   •   補助金や助成金など、国の支援制度を積極的に活用する。

また、信頼できる専門家に相談することで、より良い選択肢を見つけることができる場合もあります。当社では、融資や資金繰りに関する相談を随時受け付けています。
お気軽にご相談ください。

まとめ


一口にコロナ融資といっても、4号認定・5号認定など複数の種類があります。
その中でも現状借り換えできるもの、できないものとあり、4号認定は当初の通り返済していくしかないのが実情です。
まずは自社がどの種類のコロナ融資を使っているのかを把握しましょう。


他にも既存の借入金を含めてリファイナンスするなどの対応策も検討できる可能性もあります。
困難な状況に直面している経営者の皆さまを支援するため、私たちは全力でサポートいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。

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居谷謙祐
専門家

居谷謙祐(資金調達・財務コンサルタント)

株式会社ライフクリエイト

金融機関で融資審査の経験を有するコンサルタントが、銀行目線での数字づくりや書類作成をサポート。自社の目的に応じたスムーズな融資獲得を導きます。創業支援やM&Aなど企業の成長ステージあわせた支援実績も。

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