4月22日(木)「働くを解放する」でのプレゼンスライド

倉片稜

倉片稜

4月22日(木)18時〜
CICにて開催されたイベントでのスライドを公開いたします。
テーマは「働くを解放する」でしたが農業分野や組織論までお話させていただきました。








KUROFUNE株式会社は日本を「開国する」という思いで事業を展開しています。ますます増えている外国人労働者がもっと住みやすい・働きやすいと思えるような環境を作って日本という社会を変えていきたいと考えています。



外国人労働者は増えていると言われていますが、実際の数字はどのくらいでしょうか。2020年には172万人に到達しました。あくまでこの数字は労働者だけです。コロナウイルスが蔓延するまでは毎年20万人も増加していました。2012年には68万人しかいませんでしたが、この10年弱で2.5倍にまで増えています。



今年の2月3日にJICA(国際協力機構)さんが発表したデータが日本掲載新聞に掲載されました。2040年の成長戦略を達成するためにあとどのくらいの外国人が必要になるのか。なんと674万人との推計が出されたのです。つまりこれからあと18年かけて日本は外国人労働者を500万人受け入れていかなきゃいけないとのことです。1年あたりにすると約30万人弱です。日本がいかに労働者が足りていないのかがわかるかと思います。



日本はこれから不足してくる業界に対して新しいビザを発行しました。それが2019年4月にできたばかりの特定技能ビザになります。このビザは5年間で34.5万人の外国人労働者を受け入れようとしているビザになります。



34.5万人の内訳は次の通りです。実は業種ごとに何人受け入れるのかが決まっていて、すでに定員に達したため取得できなくなってしまった業種もあります。その中でも注目されている業種の一つが農業です。農業の受け入れ枠は3万6500人です。14種の業種の中でも多い方です。



なぜ農業が注目されているのか。それは外国人就農者の派遣が認められているからです。この特定技能は派遣が認められておりません。しかし、農業と漁業だけは派遣が認められています。そのためこの図のように、繁忙期だけ人材を活用するということができます。どうしても繁忙期と閑散期がある農業において通期で人材を採用するのは難しいと思います。ただこの特定技能の制度を活用すれば、繁忙期だけ派遣社員として採用することもできるのです。農家さんの人材不足に大きく寄与できる制度かもしれません。



ではKUROFUNE株式会社はどのような事業を展開しているのか。創業の時からやっている人材紹介事業。こちらは弊社が運用するメディアを通じて多くの外国人の就労支援をしています。もう一つの柱が生活支援事業です。外国人労働者は日本に来た際にさまざまな悩みを抱えていて、それに対して生活を支えるという目的で事業を展開しています。



この生活支援事業では現在は5つのサービスを提供しています。1つ目は所得補償保険です。外国人労働者、特に先ほど話した特定技能として来日する人、あるいはブルーワーカーとして来日する技能実習生などは100万円くらいの借金を抱えて来日しています。そのため、もしケガや病気になった際は給料が減り借金が返せなくなる可能性があります。セーフティーネットとして給料が減った際にも補填できるように、所得補償保険を提供しています。もし怪我や病気で働けなくなった場合に最大月に10万円まで支給します。

2つ目は海外送金のサービスです。従来よりも安く海外送金をすることができます。3つ目は24時間生活相談サービス、4つ目はオンライン日本語教育サービスです。日本語学校と提携して、実際に学校で使っている教材をオンラインで学べるようになっています。24時間受講可能です。5つ目はオンライン薬局サービスです。この5つのサービス合わせて年会費16,500円で提供しています。もちろん保険料込みです。



今日はこの中でも2つのサービスを取り上げます。1つ目は24時間生活相談サービスです。弊社で開発したチャットボットにて、生活の何に困っているかを聞いて自動応答で答えます。それに足して最適な答えとなる記事を紹介していきます。新しい悩みに対して新しい記事を追加してどんどん便利になっています。



もう一つはオンライン薬局サービスです。外国人労働者は自分の症状にあった薬を手に入れるのが困難です。また地方の工場に住んでいる人にとってはドラッグストアまで遠いということもあり得ます。またロキソニンのような1類医薬品は薬剤師がいるドラッグストアに行き、薬剤の説明を日本語で聞いて、同意書にサインして購入する。こんな作業ができない外国人もたくさんいます。KUROFUNEのこのオンライン薬局サービスを使うと、専用サイトにあるチャットボットにて症状を答えていくだけで最適な薬を推奨してくれます。

例えば今回のようにロキソニンが推奨された場合、弊社が提携する薬局からオンライン上で指導を受けることで最終的には自宅に薬剤が届きます。この一連の流れは日本語を使わずに全て母国語にて行うことができるので、日本語を全く知らない外国人でも利用できます。



もちろん生活支援をしていくことが大事ですが、定着まで考えるとさらにひと工夫が必要です。特に弊社でも外国人がすぐ辞めてしまって定着に至らないという相談をいただきます。外国人が定着するには、まずどのような理由で退職していくのかを把握する必要があります。そもそも日本人でも辞めてしまうような職場だったら労働条件を見直さなければならないですし、外国人だけ多く辞めるのであれば、外国人に特有の理由があるのかもしれません。それぞれの原因をしっかり把握しなければなりません。



ではこのようにそれぞれの原因に対して取り組んでいくのは誰でしょうか?正解は会社みんなで取り組んでいかなければなりません。例えば、現場の同僚は外国人とのコミュニケーションを工夫していかなければなりません。現場のマネージャーは外国人のことをもっと理解して問題があったら適切に対処する必要があります。人事部や経営陣も社内風土として外国人が働きやすい環境を作っていかなければなりません。一人一人の努力が外国人の定着へと結びついていくのです。



ご静聴ありがとうございました。

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倉片稜
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倉片稜(高度外国人材の活用コンサルタント)

KUROFUNE株式会社

自社が運営する在日外国人向けメディア「WABISABI-MEDIA」では、高度な技術と高い日本語能力をもった外国人向けに、求人情報や日本の文化・生活についての情報を発信しています。

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