生前整理、何から始める? その1
故人を偲び、その思い出を大切にしたいと願う遺族にとって、故人の個人情報を守ることは重要な責務です。
しかし、故人の情報は個人情報保護法の対象外とされているため、適切に管理しないと思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
遺品整理の際に、故人のプライバシーを尊重しつつ、安全かつ効果的に個人情報を処理する方法を知っておくことが大切です。
□故人の個人情報を守ることの重要性
生前は厳重に守られていた故人の個人情報も、その人が亡くなった途端に保護の対象外となってしまうのが現状です。
しかし、そのことを利用して、故人の情報を悪用しようとする悪質な詐欺も存在します。
遺族が適切な管理を怠ってしまうと、次のようなリスクが潜んでいるのです。
1:架空請求の被害に遭うリスク
故人の個人情報が漏洩してしまうと、「亡くなった方が生前に借金をしていたので、遺族が代わりに支払ってほしい」といって、架空の借金の返済を要求される可能性があります。
こうした詐欺の手口に騙されないためにも、連絡が来たら一人で判断せず、必ず家族や警察に相談することが重要です。
2:代金引換の不当請求のリスク
故人の住所を悪用して、数珠やお札などを代金引換郵便で送りつける悪質な手口も存在します。
受け取ってしまうと代金を支払わなければならなくなるため、故人宛の不審な郵便物には十分な注意が必要です。
3:霊園手配の詐欺に遭うリスク
「霊園を低価格で手配する」と広告を送りつけ、料金を支払わせた後に連絡が取れなくなるという詐欺も発生しています。
故人の個人情報を利用して遺族の心理につけ込む卑劣な手口です。
このように、故人の個人情報が外部に漏れてしまうと、遺族が精神的・金銭的な被害に遭ってしまう恐れがあります。
トラブルを未然に防ぐためにも、遺品整理の際は故人の個人情報を厳重に管理し、適切に処理することが求められるのです。
□遺品整理における個人情報の安全な処理方法
故人のプライバシーを守り、情報漏洩のリスクを回避するには、遺品の中にある個人情報をいかに適切に処理するかがカギとなります。
具体的には次のような点に気をつけながら、遺品整理を進めていくことが大切です。
1:公的書類は決められた窓口に返却する
保険証や免許証、パスポートなどの公的書類は、放置しておくと悪用される恐れがあります。
安全に処分するためには、書類ごとに決められた返却先に届けるのが確実です。
例えば、保険証は年金事務所、免許証は警察署、パスポートは旅券課窓口、マイナンバーは市区町村役場に返却しましょう。
2:クレジットカードは解約手続き後に返却する
故人名義のクレジットカードが残っている場合は、不正利用を防ぐために解約手続きを行う必要があります。
手続きが完了したら、カードはハサミで切断した上で、カード会社宛に返却します。
3:デジタル遺品のデータは確実に消去する
故人が利用していたパソコンやスマートフォンなどのデバイスを処分する際は、単に初期化しただけでは情報漏洩のリスクが残ります。
ハードディスクやメモリに個人情報が残っていると、専門の業者に抜き取られてしまう可能性もあるのです。
デバイスを手放す際は、データ消去ソフトを使って完全にデータを削除する対策が欠かせません。
または、ハンマー等でハードディスクごと破壊してしまうことも1つの手段です。
またネットバンクやネット証券の口座も忘れずに解約し、故人名義の自動引き落としをなくしておくことも重要です。
□まとめ
故人の個人情報は、遺族にとって大切な守るべき対象です。
しかし管理を怠ると、それを悪用した詐欺のリスクにさらされてしまうおそれがあります。
遺品整理においては、公的書類の適切な返却、クレジットカードの解約、データの完全消去など、個人情報の処理を丁寧に行うことが求められます。
故人のプライバシーを尊重しつつ、遺品を整理することで、遺族は安心して故人を偲べます。
当社は、東海三県を中心に、中国地方で、退去期限に合わせた清掃を行っており、個人情報の処理も徹底しておりますので、ぜひご相談ください。