教育委員会におねがいしたいこと

大江香織

大江香織

テーマ:ICT支援員

せっかく教育委員会も苦労してICT支援員を導入くださっているわけですから、ちゃんと効果のある事業にするために、
ICT支援員からのお願いです。

人が働いています

ノートやチョークは、一般競争入札で一円でも安く導入する意義はあると思います。
ですが、ICT支援員は人です。人間が働いています。
一般競争入札で人間の働く単価を下げる、という行為は、「何もしない業者」が勝つ構図を作り出しています。人が動けばお金が発生します。
ICT支援員が学校に直行直帰、それ以外何も必要ない、とするのが一番安く入札できます。
ICT支援員の交通費、使うパソコン、スマートフォン、全部自腹で払わせれば一番安いですね。でもそんな業者の募集に人は集まりますか?
ICT支援員の勤怠管理、困った時の質問先の確保、研修、やらなければお金は発生しません。何もかも全てその人の今持っている知識に依存すれば安く済みます。それで、十分なご支援ができるでしょうか。
1年毎に入札で価格を見直しする。ノートやチョークなら重要なことです。ですが、人が働いています。
3月になっても「4月から仕事があるかどうかわからない」状態で十分なパフォーマンスが発揮できるでしょうか。

どうか、複数年契約のプロポーザル方式で、業者を選定していただくようお願いします。

導入の意義と目的を学校にお話しください

「ICT支援員がくる!」「面倒なことあれもこれも全部任せられる!!」
という学校もあれば
「ICT支援員がくる!」「余計な手間が増えるばっかりで意味がない。来てほしくない」
という学校もあります。
前者は「できないことがあるんです」とお伝えするととてもがっかりされますし、後者は正直学校に滞在するのがつらくなります。
どういうことをどういう風に支援させたいから支援員を訪問させている
ということのご説明をどうかお願いします。

定期的に打ち合わせをお願いします

現場と直接話すことのできるメリットはとても大きいです。指導主事の先生方が学校を訪問する時の「よそ行き」の学校だけではなく、普段の学校を知ることができます。
ICT支援員は、現場と教育委員会のパイプ役として、「こういうことをやってほしい、意図はこう」という教育委員会の思惑と「そう説明してもらえるならわかる。ただ、こういう点はこうしてほしい」という現場の意見を両方持ち、それぞれをお伝えすることで、より良い風通しとなり、より良い教育に繋がっていくのではないでしょうか。
学校に伝えたいこと、連絡したことをICT支援員に共有いただけると、パイプ役は大いに活躍できます。

他にも「やったほうがいい」ことはたくさんありますが、最低限上記はご理解いただくと、より良いご支援ができると思っています。
教育委員会のみなさまが、「そういうことをできる余裕」を作るためにも、私たちはご支援を続けていきます。

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Mybestpro Members

大江香織
専門家

大江香織(教育情報化コーディネータ)

株式会社ハイパーブレイン

教育用AIチャットボットや、教育委員会と学校の情報共有をスムーズにするダッシュボードなどのICTツール開発。教師本来の業務である授業の充実や子どもとの触れ合いに専念できるようサポートします。

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