岐阜県立看護大学の小論文|問題Ⅰで合否が分かれる理由

松田勇一

松田勇一

テーマ:大学受験の小論文・面接対策


共通テストA判定でも不合格になるケース


岐阜県立看護大学の受験相談で、こんな声を聞くことがあります。

「共通テストでA判定だったのに、不合格でした」

岐阜県立看護大学の入試では、共通テストの点数だけでは合否が決まりません。小論文と面接の結果次第で、A判定の受験生が不合格になることは珍しくないのです。

特に注意が必要なのが小論文の問題Ⅰです。

岐阜県立看護大学の小論文は問題Ⅰ(テーマ型)と問題Ⅱ(課題文型)の2部構成になっています。配点は合計150点で、共通テスト525点と比べると一見小さく見えます。

しかし、問題Ⅰには他大学にはない大きな特徴があります。

問題Ⅰの回答は面接資料として使われる


岐阜県立看護大学の問題Ⅰは、単なる小論文ではありません。個人面接の資料として使用されるのです。

つまり、問題Ⅰで書いた内容をもとに面接官から質問されます。問題Ⅰで看護師としての適性を疑われる回答をしてしまうと、面接でも厳しい評価を受けることになります。

小論文の配点は150点。そして面接は4段階での段階評価となっています。段階評価ということは、1段階の差が合否に大きく影響します。問題Ⅰで看護師としての適性を疑われる回答をすると、面接でも評価が下がり、たった1段階の差で不合格になることもあるのです。

共通テストでどれだけ高得点を取っても、問題Ⅰと面接で大きく失点すれば逆転されてしまう。これが「A判定でも落ちる」原因です。

多くの受験生が陥る「きっかけ」の罠


問題Ⅰでは、看護師を目指す理由や将来像、過去の経験からの学びなどが問われます。

過去9年分の出題を分析すると、大きく2つのパターンがあります。

パターン①:志望理由型


「看護職として活躍したい場や分野」「看護職を志す者として取り組みたいこと」など、将来像や目的意識を問う出題です。

パターン②:適性評価型


「人への理解や関わり方が変わった経験」「困難にどう対処したか」など、過去の経験から看護師としての資質を問う出題です。

どちらのパターンでも、私が添削していて気になるのは「きっかけ」ばかりを書いてしまう受験生が多いことです。

「祖母が入院したとき、看護師さんに優しくしてもらった」
「家族の介護を手伝った経験がある」
「病院でお世話になったときの対応から看護師に憧れた」

こうした「きっかけ」は導入として使う分には問題ありません。しかし、きっかけだけで終わってしまう回答では、大学側が知りたいことに答えていないのです。

大学が知りたいのは「何のために」看護師になるのかという志


岐阜県立看護大学のアドミッションポリシーには、求める入学者像として以下のような項目が挙げられています。

  • 看護および人々へのケアに対し深い関心がもてる人
  • 人間やその生活に深い関心をもてる人
  • 自ら考え積極的に問題解決行動をとることができる人
  • 自分自身の豊かな人間性を培っていくことを望む人


大学が見たいのは、「なぜ看護師になろうと思ったか」という過去の出来事ではありません。

「何のために看護師になるのか」「どのような看護師になりたいのか」「社会にどう貢献したいのか」という志や目的意識です。

きっかけは過去の話。志は未来の話。この違いを理解しているかどうかで、問題Ⅰの評価は大きく変わります。

2021年度以降、出題傾向が変化している


過去問を分析すると、2021年度を境に出題傾向が明確に変化しています。

2020年度以前は「岐阜県立看護大学を志望した理由」「看護系大学へ進学する意味」など、比較的答えやすい出題が中心でした。

しかし2021年度以降は、「他者とともに取り組んだ経験」「困難への対処」「人との関わり方の変化」など、看護師としての適性を具体的に評価する出題に変わっています。

つまり、単に「看護師になりたい」という気持ちだけでなく、看護師として必要な資質を持っているかどうかが問われるようになったのです。

評価される3つのポイント


問題Ⅰで高評価を得る回答には、共通した特徴があります。

1. 具体的な将来像がある

「病院で働きたい」ではなく、どのような場(急性期、慢性期、訪問看護、地域包括ケアなど)で、どのような患者さんに関わりたいのかが明確に書かれています。

2. 理由が自分の経験や価値観と結びついている

なぜその分野を選んだのか、自分の体験や考え方をもとに説得力のある説明ができています。

3. 看護師の役割を理解している

患者を「病気を持った人」ではなく「生活を営む一人の人間」として捉え、その人の生活全体を支える視点が感じられます。

過去問9年分の傾向と具体的な対策方法


ここまで問題Ⅰの重要性と、評価されるポイントをお伝えしてきました。

では、具体的にどのような出題がされてきたのか。問題Ⅱ(課題文型)の傾向はどうなっているのか。そして、どのような手順で対策を進めればよいのか。

過去9年分の出題内容一覧、年度別のポイント解説、そして合格するための対策手順については、以下の記事で詳しく解説しています。


共通テスト後から前期試験まで1ヶ月以上あります。問題Ⅰで看護師としての適性をしっかりアピールできるよう、計画的に対策を進めてください。

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松田勇一
専門家

松田勇一(教育アドバイザー)

大学受験・高認予備校や通信制高校での勤務を経て、大手学習塾では拠点の責任者に就任。多様な指導経験を基に現在はデジタルを活用した予備校や看護予備校を運営する他、個人塾の運営やマーケティングの支援も行う。

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