相続手続きが迷路のようになる“たった一つの落とし穴”とは?

横内秀一

横内秀一

テーマ:相続手続き

相続手続きを進めていたら、
「え…そんなことあるの?」と言いたくなる場面に遭遇しました。

実は、相続が“迷路のように複雑になる”のは、
専門家の私でも想像していなかった“たった一つの落とし穴”が原因だったのです。


思わず「え?」と言ってしまった金融機関での出来事


相続手続きの場で起きた担当者の“予想外の指摘”


先日、相続手続きを行うため金融機関を訪れた際、必要書類を提出したところ担当者からこう言われました。

担当者:「遺産分割協議書に添付されている印鑑証明書が、協議日の後になっていますねぇ。
     これだと協議書が有効にならないので、協議書を作り直してください。」

私は思わず心の中で「え??」と驚きました。

協議書の再作成は、再度相続人全員の承諾が必要になります。
時間も費用もかかります。


印鑑証明書は“協議日の前後”は関係ない


印鑑証明書の本来の目的とは?


実印の押印と印鑑証明書の添付は、
遺産分割協議書が相続人本人の意思に基づいて作成された書類”であることを担保するため
です。

これは協議書の有効性そのものを証明するものではありません。
有効性は、相続人全員の合意によって決まるため、


協議日より前に取得したもの

協議日より後に取得したもの
いずれでも問題ありません。

担当者はなかなか納得しませんでしたが、
印鑑証明書の目的・法律的な根拠・協議日との関係を丁寧に説明すると、
ようやく理解していただきました。

他の金融機関では一切そのような指摘はなく、スムーズに手続きが進んでいます。

なぜ金融機関ごとに対応が違うのか?


“銀行ごとに異なるマニュアル”が存在する


相続手続きは複雑なため、
各金融機関には独自の「内部マニュアル」が存在します。

しかし、その内容には差があり、
さらに 担当者の理解度によって案内が変わる こともあります。

担当者の知識レベルがバラバラなのが現実


相続は専門性の高い業務にも関わらず、
すべての窓口担当者が相続に精通しているわけではありません。

そのため、
・ 必要のない書類の作成を求められる
・ 取らなくてもよい謄本類を取るように言われる
・余計な費用がかかる
・ 手続きが遅れる

といった「余計な負担」が生まれてしまいます。
せっかく休暇を取って銀行を回っても手続きが終わらず、
何度も金融機関に足を運ぶ方も少なくありません。
実際、このような経験をされた方も多いのではないでしょうか。

読者のみなさんが注意すべきポイント


手続きをスムーズに進めるために確認すべき3つのこと


・その書類は何の目的で必要なのか

・追加書類は本当に必要なのか

・担当者の説明に疑問はないか

疑問に感じた場合は、そのまま手続きを進めず、確認しましょう。

専門家に相談することで無駄な手続きを防げる


相続手続きは正しい知識があるだけで負担が激減する


相続手続きは複雑なように見えますが、
ポイントを押さえて進めれば大きく負担が減ります。

専門家に相談することで、
銀行ごとの対応差や誤案内による無駄を避けられます。

大切な方を偲ぶ時間を


相続は「大切な人を失った後」に行う、大切な手続きです。

葬儀が終わったあと、市役所や金融機関を何日も回らなければならない状況では、
大切な方を偲ぶ時間をゆっくり取ることが難しくなってしまいます。

専門家が手続きを代行することで、ご遺族の負担を大きく減らすことができます。

どうか、大切な方との思い出に向き合う時間を、少しでも長く過ごしていただければと思います。

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横内秀一
専門家

横内秀一(相続・終活アドバイザー)

シニアライフ相談サロンめーぷる富士吉田店

28年間の農協勤務で培った金融・相続・保険などの知見を元に、シニアの日常の困りごとから相続・終活についての相談をまとめて受け止め、自ら手を差し伸べるほか、支援機関や専門家につなぐ活動。

横内秀一プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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