遺言書は『いざという時に書けばいい』というのは間違いです!

横内秀一

横内秀一

テーマ:生前対策

 いざという時は、ほぼ作成できない


遺言書は、寝たきりになったり、命の期限を告げられて亡くなる間際に書けばいいとおっしゃる方がいらっしゃいますが、本当にそのタイミングで大丈夫なのでしょうか??


こんな事がありました。
ご本人は、80歳後半の方で、ご結婚はされていませんでしたがお元気な方でした。
たまに、面倒見のいい姪が顔を出して話をしたり、雑用をしたりしていました。

その方は、自分の事を気にかけてくれる姪に、自分が死んだら全財産を渡したいと考えていました。たまたまラジオで遺言書の話を聞き、遺言書を書けば姪に渡せるという知識は入りました。
ですが、ご自身はまだまだ元気で、血圧が気になるものの、大きな病気はありませんでしたから、『遺言書は後でいい』
と思いはじめ、いつしか遺言書の事も忘れてしまっていました。

それからしばらく経ったある日、血圧が原因で重篤な病気になり、寝たきりの生活になってしまいました。
辛うじて話は出来ましたが、介護が必要な状態になり、施設に入居されました。

悪い事は重なり、別の病気も発症し、体力も落ち、みるみる衰弱されたそうです。
ある日、様子を尋ねた姪に全財産を譲りたいから遺言書を作成したいと思いを打ち明けます。
びっくりした姪は、社会福祉協議会を訪ね、社協から私を紹介され、サロンに来店されました。

命の期限を告げられているとの事で、ご本人の体調を伺いながら早急に面談を行いました。
ご本人の状態から、特別形式の『危急時遺言』が妥当と判断し、間に合わない時の為に『自筆証書遺言』と
併せて作成する事としました。

ですが、調整を行っている最中に命の灯は消えてしまいました。

遺言書はお元気な時に作成しないと完成は難しい


この方は、ラジオからの情報で、姪に遺産を渡す場合は遺言書が必要で、その気はあったものの、『まだ早い』と作成を先延ばしにしてしまったところに、予想もしなかった病気に罹ってしまい、みるみる病気の進行が進んで、遺言書の作成ができず、ご自身の希望を叶える事ができませんでした。

では、どうすればよかったのでしょうか。
やはり、遺言書が必要だと分かった時点で作成に取り掛かかるべきでした。その時はお元気でしたので、十分作成が間に合い、面倒をみてくれた姪に遺産の全てを渡すという希望は叶っていたかもしれません。

このようなケースに限らず、認知症を発症されていたり、話すことも書くこともできないなど、お元気な時に『財産はこのように分けたい』と思っていても、遺言書は作成時の意思確認が必要ですから、作成時に意思確認ができないと遺言書を作成することは難しくなります。

なので、お元気な時から対策を考え行動していく事がとても大切です。


対策のスタートはご自身の相続人の確認から


相続トラブルを避けるために、財産を所有している方が、どのように分けるかを考える事はとても重要で、トラブル回避には必要な対策です。

イメージを固めるために、ご自身の相続人の方をまずは把握しましょう。
市販のエンディングノートには、関係図を作成するようになっている物も多いので、エンディングノートを利用すると
財産と相続関係が簡単に把握がきるので、おすすめです。


お元気な時に行動しないと、だんだん希望は叶わなくなります。
厚生労働省が出している健康寿命のデータ(2019年(令和元年))は男性が72.68歳、女性が75.38歳となっています。健康寿命は、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を指します。


ご自身の希望を叶えるため、相続トラブルを回避するため、生前対策の1歩を踏み出しましょう!


気になる方、何から始めていいのか分からない方はお気軽にどうぞ
https://mbp-japan.com/yamanashi/yokouchi/inquiry/personal/


※ご相談は、事実に基づいていますが、個人が特定されないよう脚色を加えてあります。

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横内秀一
専門家

横内秀一(相続・終活アドバイザー)

シニアライフ相談サロンめーぷる富士吉田店

28年間の農協勤務で培った金融・相続・保険などの知見を元に、シニアの日常の困りごとから相続・終活についての相談をまとめて受け止め、自ら手を差し伸べるほか、支援機関や専門家につなぐ活動。

横内秀一プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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