湯治のプロ
早川善輝
Mybestpro Interview
湯治のプロ
早川善輝
#chapter1
温泉場に長期間滞在し、病気からの回復を試みる「湯治」は、古くから伝わる日本の文化です。戦国武将・武田信玄も、傷ついた兵を温泉場で療養させたといわれています。多くの人が健康不安やストレスを抱える現代において、その効果が再び注目されています。
「ラドン温泉ホテル 湯~とぴあ」(甲斐市)は、医療用に開発された「ラドン温泉」を併設したホテルです。早川善輝社長は、湯治の方法や効果について熟知するプロフェッショナル。1980年の同ホテル開設以来、約40年にわたって同施設を運営し、「ラドン温泉」の効能を大学などの研究機関や医師らと連携し検証してきました。高齢者入浴アドバイザーや温泉ソムリエマスター、サウナ・スパ健康アドバイザーなど数々の資格も取得しています。
昭和レトロな雰囲気で、どこか懐かしさのある同ホテルは、映画やドラマの舞台にもなりました。国内だけでなく、海外からも大勢のお客さまが訪れます。「当施設のラドン温泉の濃度は全国トップクラス。短期間で効果を感じやすいのが特徴です」と早川社長。また、お客さまで特に多いのは、がんや糖尿病の患者さんだといいます。「『症状が改善しました』『元気になりました』という喜びの声をいただいたときほど、うれしいことはないですね」と笑顔を見せます。
#chapter2
ラドンは放射性元素の一種です。「ラドン温泉」とは、ラドン発生装置によって発生させた安全な濃度のラドンガスを浴室内に送り、それを吸入したり、ラドンを含んだ温泉水を肌から吸収したりする施設のこと。入浴方法は、10~20分入浴した後、1時間休憩を取るというサイクルを1日3~5回程度、繰り返します。「人間の細胞は、加齢とともに働きが弱まりますが、体内に入ったラドンが細胞を刺激し、機能を活性化させることで、自然治癒力をアップさせるといわれています。体の芯から温まりますので、健康な人なら5分も入っていれば、汗だくになるでしょう」と早川社長は説明します。
さらに同ホテルでは、地下1000㍍から豊富な温泉が湧出しています。源泉100%かけ流しの天然温泉とラドンをブレンドすることで、相乗効果が期待できるといいます。
一方で、ラドン温泉は東日本大震災後、原発事故による風評被害に悩まされてきました。「全ての放射線が危険なわけではありません。ラドンから出るアルファー(α)線は、原発事故由来の放射性物質が出すベータ(β)線、ガンマ(γ)線とは違います。体内に吸収しても細胞の遺伝子を壊すことはなく、すぐに体外に出ていくため安全といわれています」と話します。
#chapter3
「多くの方に、日常的に利用してほしい」―。そんな思いから、同ホテルのラドン温泉の入浴料は、日帰り700円という低価格に設定。毎日のように通って来る近隣のお客さまも多いそうです。宿泊プランも、湯治体験プランや本格湯治プランのほか、リーズナブルな素泊まり、懐石コース付きのぜいたくプランなど目的に合わせて選べます。
早川社長の夢は「湯治」を世界に広めていくことです。外国人にも気軽に来館してもらおうと、外国語版のホームページ作成や、SNSでの情報発信を行っています。また、2泊で気軽に湯治を体験してできる「プチ湯治プラン」なども用意。近年は、定期的に訪れる外国人客も増えているそうです。
「日本を訪れた外国人が、日本文化体験の一つとして当たり前のように『touji』をしてほしい。健康になる喜びを世界中に広めたい」。熱い思いで、日本発の健康法を発信しています。
(取材年月:2019年6月)
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早川善輝プロ
健康/リラクゼーション
ラドン温泉ホテル 湯~とぴあ
日本でここにしかない最大濃度のラドン発生器。生まれたての安全なラドンガスを用いたラドン温泉を備え100%かけ流しの百名湯の天然温泉との相乗効果も期待。ヘルスツーリズム&湯治の目的に応じた入浴法。
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