宮城県の「不登校・多様な学びを考える親の会」で講演します!
こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。
第5回『教育ごちゃまぜ座談会』を開催しました!
先月の27日(水)に、第5回目となる「教育ごちゃまぜ座談会」を開催しました!
この会は、保護者の方や学校の先生、行政の関係者、フリースクール関係者、一般の方々などが各々の立場の垣根を越えてごちゃまぜになって議論する場です。これまでは教育や子ども達のことについてみんな真剣に考えていながらも一堂に会する機会がありませんでした。それぞれの立場から問題意識を持って子ども達の未来のためにどうすればいいかを熱心に考えている同志でありながら、この同志の間は交流があるどころか分断されており、敵対関係にすらあったのです。私はここが最大の問題だと思いました。本来であれば互いに協働関係にあるべき関係者間が敵対してしまっている。故に教育に関する問題は遅々として進まないのです。今こそ教育や子ども達のことについて本気で考えている方々が連携を取るべきではないでしょうか。そのような主旨で本会を始めることにしました。教育や子ども達のことについて関心のある様々な方が集まって話をする機会を設けたかったのです!せっかくならば日本全国の同志と繋がりたいという想いからオンライン開催としています。
今回のテーマは「学校・家庭・居場所の連携について考えよう」です。10月末に文部科学省から公表された「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、全国の小・中学校における不登校児童数は約35万人に達しており、過去最多を更新。不登校児童生徒数の増加は11年連続となっています。これを受け、不登校に対する様々な議論が交わされる中、子どもに関する情報を共有し最適な支援に繋げるためにも、いかに学校・家庭・居場所が連携を図っていけるかが今後の大きな課題となっています。そこで今回は、山梨大学 教育学部 准教授である田中健史朗先生をゲストにお迎えして、学校・家庭・居場所がどのように連携を図るべきか、そのためには何が必要であるかなどについて田中先生のお話を聴きながら、参加者の皆さんでディスカッションすることにしました。
まず、田中先生から以下の3点についてお話し頂きました。
① 何故、連携が必要なのか?
連携は手段であって目的ではない。何故連携が必要なのか、何のために連携するのかを考えることが大事。
② 不登校支援において、学校・家庭・居場所が連携する目的は何か?
それは児童生徒の社会的自立を促すことであろう。連携ありきではない。それでは、社会的自立に繋がる支援とはどういうことであろうか。
③ 社会的自立を促す連携とは何か?
「児童生徒の頑張りを多くの人が認めてあげることが社会的自立に繋がる」との共通認識を持って連携を進めることが大事。
特に、②の中で先生が仰った「社会的自立に繋がる支援とはどういうことか?」のところで、
1. 対人交流をする機会の確保
2. 社会経験をする機会の確保
3. 学習機会の確保
という3つの支援があるけども、大事なのはその順番。一般的に3.に重きが置かれがちであるが、3.は最後。まずは1.と2.がしっかり確保できてはじめて3.の段階に入っていくというお話が印象的でした。確かに子どもが不登校となると、まずは学習面の支援が心配になるものですが、それよりも対人交流や社会経験を確保することの方が大事なのですね。
先生のお話を伺った後は参加者の方々とのディスカッションタイム。今回は保護者の方をはじめ、福祉関係に従事されている方や、居場所や親の会を運営されている方、福祉施設を運営されている方、フリースクールを運営されている方などが参加されていて、各々の立場の垣根を越えた闊達な議論がなされました。「学校という組織に動いてもらうためには誰に相談すればいいのか分からない」「キーマンは医療者。医療が中に入ることで連携が進みやすくなる」「学校と保護者の合意形成は難しいと感じている」「学校での個別的な対応は難しいのか、何かあるとすぐに支援級への転級を勧められる」「そもそも保護者がそこまでやらなければならないことが問題なのではないか。公教育である以上、その子に相応しい支援を提案するのは学校の方ではないか」「コーディネーターやスクールカウンセラーなど第三者を入れることで連携が取りやすくなる」といった意見が出た中、私が感じたのは、とにかく「本人にとって安心できる環境とは何か?」を考えるための連携であるということです。保護者の切実な声を聴き、改めて不登校児童生徒の保護者が置かれている厳しい状況を認識しました。学校・家庭・居場所の連携が進まない根底には、学校絶対主義により不登校に対する正しい理解がされていないことが要因として挙げられます。周囲の大人が連携して「その子にとって適した環境とは何か?」を考えられる社会の実現に向けて活動を続けていく所存です。
本会は、月に一度のペースで開催します。参加条件は特にありません。教育や子ども達のことについて関心がある方であれば、どなたでもご参加頂けます。次回は12月15日(日)の20時から開催予定。詳細は追ってお知らせしますね。子ども達が輝ける未来のために、垣根を越えてみんなで繋がりましょう!
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたらご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。