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不登校ビジネスについて思うこと

中西紀説

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テーマ:不登校

こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!

私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。

私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。

そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。

不登校ビジネスについて思うこと



皆さんは「不登校ビジネス」という言葉を聞いたことがありますか?
読んで字のごとく、不登校をビジネスチャンスと捉えて、その保護者を対象にしたビジネスを展開している業者がいるのです。子どもが不登校になった時、保護者が真っ先に考えることは「どうしたら学校に戻れるだろうか?」ということ。勉強の遅れに対する心配や、将来への不安などで頭が一杯になってパニック状態となってしまいます。このような保護者の精神状態を逆手に取った商売を行っているのです。その特徴は、保護者の不安を煽ってくること。早期に対応しないと手遅れになってしまうとか、ただ見守るだけではダメだとか、このままでは引きこもりになってしまう等の言葉で保護者の不安を煽ってくるのです。中には「不登校は治せる」「たった◯週間で再登校率◯◯%!」「短期間で不登校を解決する方法を教えます!」などの言葉を謳い文句にしている場合もあります。渦中にいて、藁にもすがる思いの保護者の方には魅力的に響くことでしょう。例えば私も「体験型」ではなく「学校復帰型」にしてみたり、「短期で学校復帰を目指します!」とか「しっかり勉強を教えます!」などと謳った方が問い合わせは増えるのかもしれません。ビジネスチャンスは広がるのかもしれません。しかし、皆目その気はありません。

何故なら違和感を感じるからです。不登校は病気ではありませんから「治す」ものではないと思っていますし、学校復帰は結果であって目的ではないと思うからです。不登校とは心のエネルギーが限りなくゼロに近い状態を意味します。自信を無くし、劣等感や無能感、自己否定感に苛まれている場合も少なくありません。そんな時に目指すのは学校復帰ではないでしょう。まずは子どもが心身ともに元気を取り戻すこと。学校復帰はその先にある結果に過ぎないのではないでしょうか。つまり、不登校の「解決」とは学校に復帰することではなく、心が元気になることなのでしょう。それは私自身が身をもって経験したことです。私は中学3年の時に不登校になりました。高校受験を目前に控えた3学期の途中から学校に復帰しましたが、心は全く元気ではありませんでした。結果、不登校時に負った劣等感や自己否定感に42歳まで苦しむことになります。心が元気にならないまま学校に復帰したことで、私の不登校は解決するどころか悪化したも同然だったのです。また、自殺問題にくわしい精神科医の松本俊彦さんが行なった調査によれば、10代や20代で自殺した不登校経験者のうち、75%が早期に学校復帰していたという結果も出ています。

不登校ビジネスと不登校支援は全く対極にあるものです。不登校ビジネスは不安を煽り、不登校支援は心に寄り添います。不登校ビジネスの中には高額な費用がかかるものもありますので、保護者の方は充分気を付けて下さい。不登校が解決する方法があるならば、もう既にこの問題は解決してしまっているはずです。でもそうなっていないということは、ノウハウで解決できるものではないということ。当事者の心に寄り添い、時間を掛けながら心が元気になるよう支援していくしかないのでしょう。私はその支援者でありたいと思っています。

本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたらご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。

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中西紀説
専門家

中西紀説(フリースクールの運営)

一般社団法人ワンオブハート

発達障がいがあるわが子と自身の不登校経験から得た多くの気づきをもとに、体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営。子どもの心に寄り添って自己肯定感を育み、主体性を引き出す学びの場を提供。

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