長年の現場経験から一言 遺品整理にまつわるお話しをいろいろ
今月初めの、朝一の電話でした。
仕事で山形へ赴任されていた方が会社に出勤しなかったため、同僚がマンションを尋ねた所、室内で亡くなっているのを発見。
警察へ通報し、病院での検視の結果、事件性は無く病死と判明。
時を同じくして、山形から遠く離れた九州の実家では、突然の息子さんの訃報を勤め先より知らされ、取る物も取らず親族で来県。病院や警察、勤め先より事の経緯説明を受け、悲しみに暮れる間もなく、慌ただしいなかマンションの片づけを依頼するため、当社へ電話されたそうです。
お亡くなりになった方はまだ若く、ご両親が息子の遺品を整理する姿はなんとも言葉になりません。来県されたご両親と妹さんご夫婦、皆さん気丈に振る舞って遺品を片付けておりました。室内にはコップに挿された花束が・・・ 今朝お母様の手により手向けられたものでしょうか、遺影も祭壇も無い静まりかえった一室で、黙々と生活雑貨などの遺品を整理するご親族の姿は、見慣れた光景では御座いますが、何度見てもやるせない気持ちになります。
ワンルームマンションには遺品となる物量が少なく、見立てでハイエース一台分程の見積りとなりました。すぐにお金を支払おうとするお父様へ「完成お引き渡し後で結構です」と説明し、その代りに「私共を信用して頂けるのなら部屋の鍵をお預りして、明日から作業に入らせて下さい」とお願させて頂きました。緊急時でもあり、すべて口頭契約でしたがご快諾頂き、翌日から作業させて頂きました。
打ち合わせ終了後、息子さんのご遺骨を携えて皆さん九州へ帰郷されました。
後日、全ての作業終了後になりましたが、契約書の繰り上げ締結と、不動産屋、建物のオーナーさん立ち会いのもと完成物件の引き渡し。作業仕上がり写真、挨拶文を同封し九州のご実家へご報告させて頂きました。
あの甚大な被害をもたらした熊本地震の翌日の事です。合わせてのお見舞いを申上げましたが「お陰様で一家変わりなく過ごしております」とのこと、お礼のメールまで頂きました。偏に明るく努める妹さんから、作業終了後にも係わらず今でも時々頂きます業務連絡のメールを見ますと、親族共々、本当に気丈な方達と感じました。
お兄さんの突然の死、心よりお悔やみ申上げます。
土蔵付き豪邸の遺品整理
過去28年間、いろいろな方面から声を掛けて頂き、多くの買い付け現場や遺品整理現場を拝見させて頂きましたが、市街地でこれほど大きな広い建物、敷地も300坪ほど、大変物量の多い現場もそんなにあるものでも御座いません。建物外観の写真はお見せできませんが本当に立派なお宅でした。
ご依頼を受けました建物は店舗兼住居、それに倉庫と土蔵。さらにお庭続きに独立貸し屋も2棟と駐車場2ヶ所。部屋数も多く、お庭も立派、建物全体も大きく大変な現場でしたが、これが遺品整理の現場となりますと、これまた大変です。
ご依頼主は既にこちらの実家を出て独立、ご両親共すでに他界しておりこの度の遺品整理となったようです。遠く離れた所にお住まいのご依頼者と、小1時間ほど打ち合わせさせて頂き、口頭での見積金額を提示したところ即快諾。すぐさま鞄から取り出した実家の鍵を私に手渡し、
「すべてお願い致します!」
全ての家財がそのままの状態で有る中、私共を信用頂いての行為とは思いますがそれだけに大変な重責も感じました。
もちろん遺品整理作業と並行となりましたが遺品整理見積書、遺品整理契約書、買い取り見積書、買い取り契約書は法律に沿い締結させて頂きました。
ご依頼主様ご夫婦は共にお忙しくご活躍されており、なかなか暇が取れないなか、何度となくご夫婦で実家に入り細々と整理を進めておりましたが、先祖の残された広い庭の管理部材(冬囲い木材や竹類等)、それに代々続いた稼業で使われた看板や商売道具、古民具の数々、多数の生活雑貨や家具類の大型なものまで家庭内作業で整理するには限界があります。
使用車両も2tダンプ、2tパネル車にハイエース。延べにして10台分は運び出しました。作業初めの買い受け品も多数御座いましたが広い現場でも有り、仕上げ作業ではフローリング面、玄関から廊下、油飛びなど台所床面等は特に何度も高圧スチーム洗浄。お仏壇や神棚等を除き、全ての作業を終了してご依頼主にお引き渡し、終始家人の留守中での作業でしたが沢山の感謝の言葉を頂き、私共も無事その責任を果たす事が出来皆で安堵致しました。
後日、閉眼供養祭も終えた頃、仏壇仏具、神棚や遺影、アルバムなどお焚き上げのご依頼も新たに頂き、先日瀧水寺大日坊、遠藤住職の元まで届けて参りました。
お寺の行事や天気を見ながらの予定ですが、後日お焚き上げ供養祭を執り行わせて頂く予定です。
遺品整理作業中に新たに発見した多くの貴金属は、ご依頼主に全てをお返しご報告させて頂きましたが、その後の親族の形見分けを済ませた後、残り貴金属の買い取り依頼もあり、大変有り難く現在査定作業を進めている所です。
作業期間中に何度となく私共への労い、気遣いお電話など頂き本当に有り難く、また終始気持ちよく作業をさせて頂きました本当にお世話になりました。
作業前⇒作業後の画像はこちら
介護施設からの撤収
先日、隣県在住の依頼者からの電話でこのような依頼がありました。
介護施設に長年入居されていたお母さまが倒れ緊急入院。さらに施設に戻れる体力も無く病院への長期入院。施設にその事を話しますと、お部屋の明け渡しを要求され困っていると、急を要する作業依頼の電話でした。
ワンルームといっても10畳程に、長期の入居だったようで家具や動産品も結構多く、突然舞い込んだ仕事でしたが急遽社員総出で作業開始となりました。搬出作業半日、搬出家具や動産品の仕分け処分に半日ほど掛かりました。
現在、この様なケースの生前整理を色々な施設から多数頂いております。ご依頼者にしてみれば施設側からの要望にも、なかなかすぐに対応できない事情もあるかと思います。そのような場合は依頼者になりかわり当社が責任を持って対応させて頂きます。
春の慌ただしい作業の中で
季節柄、本業のリサイクルショップの買い取り作業や配送作業も忙しく、また、遺品整理作業の方も、お陰様で立て込んでおり社員も少し疲れ気味のようで・・・
春先に入社したばかりの若手男性社員、家具や家電の持ち運び要領が分からず苦戦中。要らない体力を使ったようで翌日はバテ気味でお休みでした。
馴れとは恐ろしい物で、私などは何ともないのですが階段の上り下りで若手社員の方がバテバテ。
何となく頼りなくも感じ、ひそかに「鍛え直さないと!」と、考えております。
「海洋散骨、代行散骨について」
次回のコラムで詳しく紹介させて頂きます。