長年の現場経験から一言 遺品整理にまつわるお話しをいろいろ
名刺に「遺品整理士、県内第一号」などと印刷して早4年目。
偶然巡ってきた番号であり、今更県内第一号と言っても、特段変わった態度や手法で仕事をするでも無く、長年培った技術で、いつもと変わらない作業を続ける日々の繰り返しです。
ボリュームのある現場では仕事仲間との連携プレーで、互いの持ち得ない時間や技術分野の助け合いの中で26年間に渡り、何の問題も無く淡々と作業を続ける。
遺品整理士と言っても何も変えない、何も変わらない、そんな3年間でした。
現場の見積もりでは、勿論二つと同じ現場は御座いませんが、、昨年夏から秋に掛けて特殊清掃絡みが非常に多く、秋から年末に掛けてはリフォーム工事、解体工事までのご依頼も数件御座いました。
なかでも昨年末に作業させて頂いた、築90年のお宅では物量も多く、節目節目の修理や増築などにより納戸、押し入れ、屋根裏部屋、全て満杯。2トンパネル車で8台ほど、作業人数も延べ30人超え、狭い道路使用で交通整理ガードマン付、家の中に古井戸なども有りと、大変思い出深い現場でした。
それでもさすがに築90年の古民家ですと譲り受けする商品も多く、特に骨董品、ビンテージ品が多数御座いました。
「そんな物まで買ってくれるの?」
「えっ!嘘!何で!」
お客様の声が今も耳に残っております。
昨年一年間、それぞれの現場、何の問題も無くご依頼者様からも大変喜ばれました。
工事に係わって頂いた協力会社とも一段と強い結束、信頼関係を構築する事が出来、遺品整理作業を通して私共も得たものは大変大きかったと感じております。
ご依頼主の「困った!」に耳を傾ける
昨年夏頃から当社ホームページへの遺品整理に係るお問い合わせ、ご質問など大変多くなり、この仕事を必要とする方が非常に多い事に驚きさえ感じた1年でした。
他の同業者さんも当然同じではと思っておりますがそれにしても多い、本当に。
昨今の家族構成などから、少子高齢、老々介護、老々相続 お寺やお墓じまい、いやな言葉ですがこれも現実です。
若者は都会へ、故郷の実家には年老いた両親、ややもすれば片親だけ。
親もやせ我慢か子供を思ってか、子に「戻れ、助けて」とも言えない、子供は戻ってきても仕事が無いとか、生活が出来ないとか・・・
自分は帰れても妻や子が反対、もう少しで自分も定年を迎える、その時までご両親とも元気でいてくれ、、いてほしい・・・と、願い、願望というより悲痛な叫び、そんな声も御座いました。
関東在住の男性からのご依頼で、定年になったら妻や子を残して単身実家の山形に帰ることを既に決断。この夏に一度帰るのでその時に自宅の不要品整理、リフォーム工事、また実家のお墓について相談にのってほしい。この様な相談を頂いております。
私たち遺品整理士は、遺品の整理、不要品の片づけ、掃除などが本業ですが、困ってるご依頼者様の相談を伺う機会が多数あり、またその相談内容は多岐に渡ります。
時には旦那との離婚相談。旦那の実家の墓には入りたくない、自分の死後、子供達には自宅供養で旦那の実家のお墓には入れないでほしい。
または、山形の墓を県外に改葬したいが兄弟と絶縁状態、間に入って相談に乗ってほしい。などなど・・・
遺品整理の現場に二つと同じものは御座いませんが、相談内容にも二つと同じものは御座いません。身の上相談的なものからご住職か、弁護士か、という程、相談内容のフィールドが広く感じます。ただ、困ってるご依頼主様のお話しを聞くことも遺品整理業務の一環と考えております。
「困った」から、新たなサービスへ
近年、山形から連れてきた同居の親父が末期がん、自分も今は無職で年金一人暮らし。
実家は築40年以上でリフォームに金が係るし、予想される葬式代もままならず、事が起こった場合はお墓建造やお寺との関係が持てない。経済的に自信が無いので、遺骨を海洋散骨したい。業者を探してほしい。
年明け早々に、こんなご相談がありました。
山形県内に散骨業者はなく、関東圏の業者に出張で散骨を依頼すると高額な費用が掛かる。
困ってる先様からのご要望もあり、リーズナブル料金での粉骨事業と海洋散骨事業を本格的に考え現在準備中です。
いずれも低価格でご奉仕できるよう誠意検討中です。
大手散骨業者のような大型クルザーにはほど遠いものですが先様からの切なる声をお伺するため
「小さな船ですが大きな真心で精一杯ご奉仕!」
「ご遺族に優しさと満足を!」
「心に染みる海洋散骨!」
この言葉をスローガンに現在計画しております。
山形遺品整理
直営 有限会社 風車
代表取締役 入澤和志郎