孤独死現場清掃 相続と遺品整理作業
2025年6月コラム
【相続した叔母の実家 遺品整理 ゴミ山の処分】
家主が亡くなってから3年程 巡りめぐって来た相続案件、時間を掛けながらも
司法書士等からの連絡で来県、物件を確認後に正式に書類に記載相続手続き完了。
相続登記も終えた頃のご相談でした。
前月コラムにも記載紹介を致しておりましたが
余りの搬出物量で大変大きな金額見積もりとなっておりました物件、
ご相談者からの再度のご連絡が有りました。
先の提出見積もり内容にて承諾を頂き契約、遺品整理作業を行う事となりました。
数社の見積もり合わせとご依頼人からは聞いておりましたが
何故か当社にお声が掛かりました。
長年に渡りお付き合いのありました司法書士事務所からの推薦も有ったようです。
大変有難い事ですが物量も多く、そして金額も大きく慎重に細部に亘り
作業段取りを組ませて頂きました。
作業前日に玄関先の雑草、草刈り作業から始まりました。
それでも結果は作業人数、車両も全て計算違いとなりました、
予定オーバーでした、作業日程も1,5日程増えました。
車両も4t車一台分オーバー、あれだけの細かな見積もり計算でしたが少し甘さも・・
何時もの事ですがご依頼人の前では何故か甘さが出ます。
作業4日目で漸く畳やら台所床などが顔を出してきました。
屋根裏など害獣（ハクビシン）が住み着いていた気配が、台所やトイレ周りは
白アリ被害が確認出来ます。畳などは全て廃棄処分となり台所や浴室やトイレ、
建具に想像以上の痛みが見えます。
当初はリフォーム計画で進めた整理作業でしたが新たな家主も現状を確認、
少し不安そうです。解体、小さめの住居、新築計画が聞こえて来ます。
先ずは数社の見積もり合戦の中で、当社をお選び頂き有難う御座いました。
作業日程など多少遅れも出ましたが無事に契約内容で終了する事が出来ました。
遺品整理、粗大ゴミ処理作業のご依頼を頂き有難う御座いました。
【一人暮らしの男性、死後2週間ほどで発見 特殊清掃】
他県で暮らす子供、親戚にお父さんの突然の死を知らされ急遽帰省。
71歳になったばかりの父親、知らせを受けて自宅に帰るも家中が異臭で・・
地元警察からの説明ではベッドで亡くなっていた、
遺体には傷みこそ見えますが事件性はなさそうですと、、
（お父さんは署内で安置保管しておりますが此れから検体に回します、
死後2週間程と見立て、体にもそれなりに痛みが・・対面はしない方が・・）
現在寝室だけを閉め、全ての窓を開けて風を入れているとのお話でしたが
（それはやめた方が宜しいですよ、ご近所さんからのクレームなども有りますから）
（父の遺体が帰るまでは2週間ほど係るかもと警察からのご連絡で・・
実家には今夜は泊まれそうにないのでホテルを予約しましたが・・助けて下さい！
特殊清掃と思いますが直ぐに来て頂けないでしょうか？）
ネットで当社のHPをお嫁さんが見つけてくれたようで
沈痛なお願いでもありましたが翌日に乗船海洋散骨の予定もありで・・
（遠方ですが今直ぐ出向き私だけで現場の確認、状況判断をさせて頂きます。
作業内容をご検討頂きご契約を頂く事が出ましたら明日の海洋散骨葬終了後に
現状復帰、清掃作業をさせて頂きますが如何でしょう？）
急遽、話を纏め現場に直行、玄関先でマスク姿の若いご夫婦が、
ご挨拶もそこそこで問題の寝室へご案内を頂き、ご遺体の傷みも酷いとかで
感染症も考えられますので着替えを済ませ完全防備姿で入室、現在は独身、
高齢男性の一人暮らしです。
室内は想像以上に・・衣類などが散乱、
フロリーング床が見えない有様です。ベッドの傷み汚れも酷く、
布団を剥ぎ見ますと掛け布団からクッションマットまで体汁等で
重みを増しております、これが悪臭の元で一刻も早く処分をしませんと・・
防臭マスクを一瞬外してみますと強烈な匂いが・・この匂いがチョットした
隙間から家中に流れ漂いカーテンや畳など柔らかい物に刺さり染み込みます。
この頃の天気でも20℃越えも結構ありましたが幸いにしてウジ虫などは
見えませんでした。
お二人は帰宅後にお父さんの寝室には入っていないとの事でしたが
タブレットに収めた有りのままを説明しようとしましたが問題のベッド周囲を
隠し部屋全体の有様をご夫婦に見てもらいました。
生々しいベッドの状況は説明だけに止め、警察からの説明で想像されていたようです。
問題の作業内容と手順、作業人数と使用車両、大方の時間などの説明。
30分ほどを要して詳しく説明を申し上げた処、
（直ぐにお願い致します）
（その金額その条件でお願い致します、本当に助かります。）
奥さんにお聞きしましと処、グーグルでトップページの全国どこへでも今すぐ！
立派なHPが目に止まり電話をした処、東京在住の会社で設立5年、
もう1社が10年ほどで何れも遠方で直ぐには動けない、などだったとか。
当社は3度目検索でヒットでした。
当社のHPやコラムも読んでもらったようで先月の当社の仕事内容も知っておりました。
（県内でもあり安心して電話をすることが出来ました、宜しくお願いします）
作業のご依頼を頂き夜遅くなりましたが帰社後に翌朝の乗船海洋散骨の準備、
その後の特殊清掃の段取りを付け遅くなりましたが帰宅となりました。
約束の現場へは4名で、2tパネル車とハイエース2台で移動。
先ずは手順の説明をしながら早速作業に係ります。
皆完全防備で作業します、室内は窓を閉めた状態で作業です。
外は18℃前後ですが締め切った室内は既に25℃越え、
防臭メガネも曇り気味ですが汗を流しながらも30分ほどで問題の寝具類、
ベッドなどは大柄なビニールパックに納め真空処理、異臭の散乱を閉じ込めます。
パック処理終了後に寝室ドアを素早く開け閉め、搬出作業を終えました。
次にカーテンや足元に散乱する衣類、クローゼット内の衣類も処分対象、
特殊な消臭剤、殺菌剤を満遍なく散布、ベッド周り等はアルコール消毒を。
暫くしても防臭マスクを外して室内へ、ベッド寝具類、衣類やカーテンなどを搬出しており
多少の異臭は正直感じますが消毒液臭やアルコール臭が強く感じます。
ここまでの作業で防臭マスクは必要ありません。漸く窓を全開、外の風を取り入れます。
一連の作業を終えますと時を少し置きながら家人も呼び入れる事が出来ます。
必要な物の選別作業を行って頂き残された品の完全搬出作業となります。
ご依頼人も室内臭も気にならない様で1時間ほど室内に留まり
選別作業をしておりました。
全ての搬出を終えた処から本当の特殊清掃が始まります。
全室の掃除機作業、上から下まで全て掃除機で吸い取ります。
全壁（天井も）やクローゼット内、床も高圧スチーム洗浄、
脱臭作業と染み付いた異臭の取り除き作業になります。
適材適所に薬剤散布、特殊機械などを設置利用して、更に殺菌と消臭作業を。
それも終えますと同じように特殊消毒薬で消臭作業を仕上げに再度使用。
乾いた床にはワックスがけを施します。
その頃にはお嫁さんも入室、開口一番、（部屋が広い！なんの嫌な匂いもしない。
あの匂い・・全く感じない・・）などと大変喜んでおりました。
全室窓を開放、程よい風が家中に入り空気も入れ替わります。
若夫婦のお顔からも笑顔が見えます。
（お父さんが自宅に帰って来られるまでは未だ日が有りそうです、
宜しかったらですが此方にいる間だけでも結構ですが、
玄関先でお香を焚くとか蚊取り線香でもOKかと、お仏壇にお線香でも絶やさず、
他のお部屋にもその香りが家中に漂いますよ、先日までの逆になりますが・・）
延べ6時間ほどの作業ではありましたが大変喜ばれて帰社となりました。
（今後の役所手続き、ライフライン、自治体との関係連絡など山積みですが
お父さんが帰るまで気を確りと・・帰って着たら又葬儀やら大変でしょう。
何かありましたら何時でもご相談にのりますと・・）
玄関外まで・・笑顔でお見送りを頂きながら・・
お父様寝室の清掃作業のご依頼を頂き有難う御座いました。
亡きお父様へ・・合掌
