リスニングの真実/苦手が満点に
◆当館が仕事として大学入試に関わり始めたのは35年前でありますが、当時の入試界隈は多くの生徒さんで溢れかえり、大学も増え続けていました。富山でも富山国際大学、高岡法科大学などの新設大学が産声を上げていましたし、加熱する入試競争によって多くの浪人生も出ていました。当時は富山県だけで1000人以上の浪人生がおり、富山学館、富山予備校、富山中央予備校、育英予備校、高岡予備校、高岡中央予備校、富山文理学院などが林立し覇を競っていたのであります。一校あたり200名を超える浪人生も当たり前の風景でした。
◆その後の推移には隔世の感を禁じ得ません。富山中央予備校が閉校し、高岡予備校が閉校し、高岡中央予備校がなくなり、高岡予備校がなくなりました。ちなみに金沢中央予備校も一昨年で募集停止しています。今、富山に残っている予備校は富山予備校と育英予備校しかありませんが学校によっては3桁に届かぬ生徒数と聞いています。富山県全体での浪人数はかつての1/3ほどに減ったのではないでしょうか。
◆少子化の波があらゆるところに押し寄せているのは言を待ちませぬが、それでも遂に募集停止となる大学が出たことは驚きでありました。遂にここまで来たか、というのが偽らざる実感であります。そう言えば公立高校も同様でありますね。新設校として富山東高校が誕生し、次に富山南高校、呉羽高校、水橋高校などが生まれた昭和の時代。呉西ですと福岡高校や大門高校、高岡西高校(高岡女子高を改編)などが新設されていきましたが、今は学校再編の波が押し寄せ、水橋高校も高岡西高校もなくなってしまいました。
◆ちなみに予備校勤務時代はそれらの高校さんに足しげく通ったのであります。ひとつは次年度生徒募集のため、今一つは預かっている生徒さんの報告のためであります。水橋高校もよく行きました。入り口から入って進路指導へとお邪魔する道筋や照明の具合までもが記憶に残っています。栄枯盛衰は世の常でありますが法科大も水橋高校も中央予備校も消えゆく現世に一抹の寂しさを感じる当節でありました。。
ps
本欄の予備校は「既卒生のための全日制学校」を指しています。当世はやりの「現役生も含む塾」とは定義を異にします。