リスニングの真実/苦手が満点に
共通テストが終わり生徒さんのスコアが入り始めています。9割超えを成し遂げた方、英語で8割を突破したのみならず総合点でも8割を確保し第1志望にA判定を勝ち取った方、など各人各様の御活躍に胸打たれる日々です。
ただここで肝に銘ずべき肝要な事があります。共通テストはゴールではないのです。
共通テストの結果は「瞬間風速」です。大学入試は共通テストと2次との合算で決まります。しかし、生徒さんは「共通テストで全てが終わった」と勘違いをする傾向があります。判定を神様みたいに盲信し「A判定なら必ず受かり、D判定なら必ず落ちる」と思い込みます。
予備校勤務時代、「Aで落ちた人、Dで受かった人」をたくさん見てきました。
予備校入学時の面談で「私はAなのに落ちた、絶対おかしい!」と訴える生徒さんが毎年必ずいらっしゃいます。
例えば、2次配点500点中-60点だとD判定になります。生徒さんは、「60点も足らない、絶望だ、もう落ちた」と勘違いしますが、100点換算すればたったの11点です。当日、たまたま調子が良ければ80点、悪ければ60点などはザラです。つまり11点などは一瞬で逆転もできるし、されるかもしれないのです。
さらに、80%のA判定が額面通りに動いたとしても100人中20人が落ちるのです。
D判定が30%だとして100人中30人もが受かっています。
Aで落ちた生徒さんに共通テスト後の暮らしぶりを尋ねますと「もう受かったと思ったからファッション誌を買ってきて大学で着る服を考えていた」そうです。それでは落ちるのも当たり前です。
つまり共通テスト後1ヶ月あまりの取り組みが全てを決します。
特に2次試験は記述試験です。一挙手一投足が減点の対象になります。曖昧さを廃すること・緻密に練り上げていくことが必須です。そのため当館ではメール添削を含めた徹底対策を実施しています。昨年は92回もメールのやり取りをした生徒さんもいらっしゃいました。ちなみにその方は東大に合格されています。
共テが悪ければ2次での挽回を目指して2次配点が高い所、共テが良ければ1次逃げ切りを図って2次配点の低い所を受けるのが鉄則です。生徒さんは2次科目が少ない方が楽だと思いますが、入りやすいのは科目数が多い方です。1科目当たりのボーターラインが下がって逆に入りやすいのです。科目が少ない大学は、その科目に自信があるエキスパートが集まりますから1科目当たりのボーターラインは高騰します。さらに科目数が多いと仮りに1科目くらいコケても全体に与える影響が少なく済みますが科目数が少ないと被害が甚大になります。
共通テストを境に受験生は大きく変わります。
成績が悪かった生徒や親御さんはもうだめだと悲観して泣き悲しみ、廃人になる人も出ます。そんなことはないのに、です。C判定でもD判定でも受かるのに、みすみすそのチャンスを逃している人たちです。一方で、A判定の一部はもう受かった気になって男子はパチンコ、女子はユニクロへ行っています。ですので1ヶ月後にはボロボロに実力が落ちています。「勝手に自滅する」生徒が生じるのです。CやDでも受かるというのは、そういう自滅層が助けてくれていることも含まれます。そういう人間にならないで丁寧に勉強し続けることが自分の位置を押し上げてくれます。
大学入試で何より大切なものは2次試験です。
今日をスタートに栄光への道を歩き切って下さい。