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失意から栄冠へ

上野伸彦

上野伸彦

   
大学入試たけなわの当節です。
今はセンター試験と2次試験の間、私大入試花盛りの時期となっています。

当館に通う浪人生のA君が超難関である早稲田に合格なさいました。

涙をのんで浪人を決意した昨春の苦しさ・悔しさをバネに、ここまでを歩み通したA君に心からの祝意をお送りします。
おめでとうございました。

A君のお母さんとは以前よりお知り合いでしたので、高校時代から「英語が苦手」というお話は伺っていました。
当館への御受講も模索されたことがあるのですが、スポーツに打ち込んでいるA君と当館の日程が合わず、結局、高校時代は御受講が叶いませんでした。

昨春、お母さんからメールを頂きました。
「希望の大学に進めず浪人となったこと」「当館に空きがあったら通いたいこと」「高校時代は運動部に打ち込み成績もふるわなかったこと」「しかし本人も英語の必要性をすごく感じていること」「親として心配していること」などが記されてありました。

A君との学習が始まりました。

驚きました。極めて高度な言語能力を持っておられます。凄い集中度で食い入るように話についてきますし、文脈や話の機微をつかんで打てば響くように笑い声をあげられます。言葉のキャッチボールが大変にハイレベルです。ノートなどの作業も正確かつ迅速にこなされますし、状況を読んで自らの為すべきことを瞬時に判断されます。
舌を巻きました。

ちなみに、その年のセンター英語は110点だったそうです。そこだけみれば相当に悪いスコアですが、持って生まれた才能は最トップレベルです。才能と実力とが甚だしく乖離している生徒さんだというのが第一印象でした。


その後、基礎から応用まで様々な単元の種々の考え方や解法をお教えしていきましたが、例えば、苦手と言われた長文解法は、確かに最初は壊滅していました。しかし、正しい解法をお教えしながら実践を重ねると見事に読み切って全問正解されるようになりました。

難し目のものに切り替えても微動だにせず読み切り、解き切っていきます。ちなみに正解は本文と同じ文ではなく同義語や別文法で言い換えてあります。苦手な生徒さんは言い換えが分からず本文と同じ文を選んでボロボロになるのですが、A君は必ず見抜いて全問正解されます。「根本的な言語の才」があることに感嘆しました。

徐々に自信を回復したA君は「英語が面白くなり」、春に準2級、秋に2級を受験して合格しています。
英語に関して自信のかけらもなかったA君が別人のように生き生きと英語に取り組み、結果を積み重ねていきました。

そして迎えたセンター試験。
英語は170点でした。春には110点だったのですから大躍進です。さらにそれが良い刺激となり他の科目も軒並み高得点を叩き出しています。
早稲田はセンター合格です。一般入試より難しいセンターで合格するほどまでに成長したA君。

掴んだ栄冠も見事なものですが「自分に自信を取り戻せたこと」が何より嬉しく思います。
おめでとうございました!








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