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肥塚光義プロのご紹介

伝統技術を用いた新築住宅、古民家・町家再生、中古住宅リノベーションのプロ(1/3)

肥塚光義 ひづかみつよし

熟練の大工仕事を現代のデザインに融合。 長く住み続けられる家を提供。

 魚津市郊外、三方を森に囲まれた谷間にある工房の入り口には様々な種類の材木が立ち並び、その奥からは職人が使う金槌やカンナの音が聞こえてきます。工房の主は肥塚建築の代表、肥塚光義さん。肥塚建築では大工職人の木組みの技術にこだわり、精度の高い建築技術と現代デザインを融合させた住宅の新築や増改築、古民家再生、古民家移築などを行っています。

 肥塚さんは15歳で宮大工の棟梁に弟子入りし、約5年半の修業で建築の基本を体得します。その後、いくつかの工務店で多様な住宅建築を経験した後、30歳で独立。以来、40年にわたって地元魚津に根付いた大工の棟梁として活躍しています。

 近年、住宅建築に使う建材はコンピュータ制御されたプレカットが主流になっています。プレカットは加工が早く、人件費の抑制や建築工程の迅速化が図れます。しかしその一方で規格以上の太さ・長さがとれないため、構造材としての強度が保てない、大空間がつくれない、また、古民家を解体した時に出る再生木材が使えないといった難点もあります。

 「プレカットの普及で、本来地震や雪の重みにしっかりと耐える伝統的な木組技術の代わりに、木組個所を金物で補強する工法が主流になってきました。効率を追求するあまり、素晴らしい技術が廃れてきたことは残念です。耐震・加重強度が高く、リフォームもしやすく、古民家や町家再生にも不可欠なこの技術が継承されなくなることに大変危機感を持っています。だから私は伝統的な木組みの技術にこだわり、継承していきたいと思っています」。

 肥塚さんは木材加工の際、じっくりと木を眺めながらその特性を見極めます。たとえば年輪が詰まっているところは硬く、広いところは軟らかい、産地や山の斜面・方角などによっても木の成長が違うなど、1本1本に個性や表情があります。10年後にどんな反りが出るかまで想定し、重心を出し、組み上げていく技術は熟練の大工にしかないものです。事実、肥塚さんが手掛けた枠の内(わくのうち)の大空間や、格天井(ごうてんじょう)の和室は、目を見張るほど上質かつ精巧なものばかり…。その手仕事は、築数百年の五重塔や寺社建築を支えてきた宮大工の技術なのです。

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