知って損はない故事成語―糟糠の妻は堂より下さず
煽てと畚には乗るな
耳にしたことは少ないかもしれませんね。この言葉、「煽(おだ)てと畚(もっこ)には乗るな」と読みます。
煽てに乗るな?
誰しも褒められると嬉しくなり、また喜ぶものです。しかし、実態が伴っていない―ただ「おだてられている」だけの言葉に「乗る」と大変です。自身を過信した先には、失敗が待ち受けています。褒められるにせよ煽てられるにせよ、謙虚さを失わずに受け止め、向上する縁にするのが良いでしょう、
畚に乗るな?
現代ではあまり見ることがない、もっこ。土砂の運搬具として使われる道具ですね。物を運ぶ道具に乗るのが悪いのか、と誰しも思われるでしょうが、江戸時代には死刑囚の移送手段としても使われていました。畚に乗せられて、刑場へ運ばれるような真似は慎めよ、という戒めですね。
念頭に置きたい戒め
- 煽てに乗るとろくなことにならないから気を付けよ。
- 畚に乗せられると取り返しがつかないから自戒せよ。
先人たちの経験則から成立したのが、今回の言葉になります。他人事だと思わずに、心掛けていくと役に立つことでしょう。今回はここまで。