いけてる地銀の支店長のことば

中野裕哲

中野裕哲

以前とある地方銀行の支店長とお話しさせていただく機会がありました。

私はこんな質問を投げかけました。

次の二人のうちどちらか一人にしか貸すことができないとします。
どちらに貸しますか?

Aさん
経営者として実績がある
会社はずっと黒字の優良企業
会社にも個人にも資産がある
金融資産も多い

Bさん
これから起業する方
経営者として実績はない
会社員時代は頑張っていた実績がある
個人資産は少ししかない
住宅も持っていない

みなさんならどちらに貸しますか?


大概の方はAさんを選びます。
金融機関出身の方もそうでしたし、私もです。


しかしその支店長は迷わずBさんと答えました。
なぜですか?と問いますと

Aさんは金融機関について強気な交渉ができるだろうから、
自行がメインバンクならやるが、メインでなければ金利競争がきつそうだからやらない。

Bさんは新規取引だし地元で起業する人を応援したい、
地域金融の役割を果たすべくBさんに貸したい

私はこれを聞いて胸が熱くなりなりました。
まだまだこういう熱い金融マンがいることにうれしくなりました。

最近地方銀行も統合、再編が進み、合理的な経営を進め、
支援先の取捨選択を進めているところが多い中、
こういうマインドでやっている支店長に巡り合えて
日本の地域金融もまだまだ捨てたもんじゃないなと思いました。

こういう金融マンが多くいると起業が活発になりますよね。

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