東京都におけるフリースクールへの補助金について
6月30日に皇學館大学特別教授である松浦光修先生の新著、『そうだったのか、日本の神さま!ー「日本神話」は、神話ではなかった』が経営科学出版から出版されました。
松浦先生は私の人生の師です。
もう20年以上前の話になりますが、
当時、日本史を学びたかった私は、皇學館大学という、歴史ある大学に入学しました。
山口県で生まれ育った人が、進学先に選ぶのは、まずは福岡、それから広島、人によっては京都や大阪、特に優秀な生徒が東京の大学に進学する、という感じでした。
そんななか、「三重県の大学」に進学したのは、私くらいでした。
皇學館大学は「四年間で古文書が読めるようになる」、「日本史を専門とする教授が日本一多い」といったことをウリにしている大学で、当時の私にとっては、それが何より魅力的に映ったのです。
そして進学後に出会ったのが松浦光修先生でした。
松浦先生は「日教組問題」という、ここでは語りつくせないような大きな、そして非常にセンシティブな問題、と戦われていて、私は、そういったタブーに踏み込んでいく姿に憧れていました。
あるとき、松浦先生は、
「若いときに勇気をもって行動することが大切だ」と教えてくださいました。
つまり、若いときに勇気をもって行動できない人は、年をとった後、「年を取ったから行動できない」と言うし、立場ができたら「立場があるから行動できない」と言うため、若いときの行動が一番大切だ、ということでした。
私は結局、歴史学では功績を挙げることができませんでした。
大学で4年、大学院で2年過ごした後、一応、修士号は取れたものの、先生をがっかりさせるような結果しか残せず、大学を去りました。そして、高校の教員となりました。
しかし、失意の中で、就職した高校が、たまたま不登校経験のある生徒を受け入れる高校でした。私の運命は、ここにあったのです。
そこから私は、常に勇気をもって行動することを自らに課しました。
とんでもなくブラックな職場、経営者、校長と日々戦いながら、不登校生たちの未来のためになることを常に考え行動しました。
結局、7年間勤めることができましたが、7年目の教員は私一人で気が付けば、その学校で最古参の教員になっていました。それくらい教員の定着率の低い学校でしたが、そこで培ったことが、
今のフリースクール運営には活かされています。
松浦先生はそんな私の人生の基礎を作ってくださった先生です。
先生の存在がなければ、私は「不登校問題」と戦うことはできませんでした。
25歳のとき、若くて、何もなかったとき、私は不登校の生徒のために、ワンマン経営者や、その言いなりになっていた校長と戦いました。
人事権を握っている人たちの考えに異を唱えることは、生活を失うリスクを背負うということです。脅しのようなことを言われ、恐怖で体が動かなくなったことも何度もあります。でも、私の中で、ずっと先生からいただいた言葉が消えることはありませんでした。
だからこそ今があります。
何より、私は今、目の前にいて、一歩踏み出す勇気が出ずにためらっている生徒の背中を押してあげることができます。
それは、若いころに自分自身が勇気を振り絞って前に踏み出したからです。
もし私があの頃、経営者や校長に屈していたら、目の前にいる教え子に、「勇気を出して」という権利はなかったと思います。
先生のあのときの言葉が、今の私の行動にも大きな影響を与えてくださっているのです。
そんな松浦先生が、新しく本をお出しになることになり、縁あって私もコメントを寄せることになりました。「神さま」をテーマにした本です。
先生はよく「大切なものは目には見えない」という サン=テグジュペリの言葉を引用されます。
神さまはその最たる例だと思います。
物質的に見て「神さまはいない」というのは簡単です。でも目に見えないものを否定するなら、
運命も、絆も、心も、否定することになります。もちろん、それらを科学的に証明することにも意味はあります。しかし、何より、そういうものであると「そのまま受け入れること」が大切なのだと思います。
子どもは不思議なことを自然に受け入れる感性を持っています。それを「センスオブワンダー」というそうです。しかし、昨今の子どもたちは自然に触れることも減り、身の回りにはたくさんの電子機器があるため、そんな感性も意識しなければ持ち得ないでしょう。
だからこそ、松浦先生の本を読んでいただき、
「神秘的なものに対する、解像度」を上げて欲しいと願っています。
Amazonからも注文できます。
ぜひ、一冊、手に取っていただきたいです。
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