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Mybestpro Interview

バレエを通じて、自分を磨き成長する喜びを子どもたちに伝えたい

変化する楽しさを生徒に伝えるバレエ指導の専門家

井澤諒

井澤諒 いざわりょう

#chapter1

大学病院の医師や理学療法士と連携し、成長期の子どもがバレエの練習に専念できる環境を提供

 東京都府中市で、「府中バレエスタジオ」を主宰する「studio R⁺(スタジオアールプラス)」代表の井澤諒さん。英国ロイヤル・バレエ団の元プリンシパルが率いるKバレエカンパニーや、古典から現代作品まで幅広く手掛ける新国立劇場バレエ団などでファースト・ソリストを務め、数々の舞台を経験。コンクールの受賞歴も持ちます。

 「バレエを通して心身ともに成長する楽しさを感じられるよう、一人一人のレベルや目標に合わせたレッスンを展開しています」と井澤さん。スタジオには、3歳から小学校低学年の子どもを中心に、50人ほどの生徒が集います。

 「3歳から9歳頃までは、神経機能が著しく発達すると言われています。この時期に運動経験を積むことで、身体能力や運動能力の向上が期待できることから、当方ではフロアエクササイズをはじめ、体づくりに役立つフィジカルトレーニングを多く取り入れています」

 スタジオには舞台や指導経験が豊富な講師陣が多数在籍するほか、大学病院の医師や理学療法士などとも連携。2020年の開校以来、子どもたちが不安なくバレエに取り組める環境を整えてきました。例えばけがで病院を受診した場合は、診断結果を踏まえ、リハビリの専門性を備えた理学療法士とともに、無理のないメニューを組み立てます。

 「ある生徒さんは、ここに来た時は足の痛みで『ポワント(トーシューズ)』を履けない状態でした。理学療法士と相談しながら練習内容を調整し、数カ月がたつ頃には、彼女は再びポワントを履いて踊れるようになりました」

#chapter2

知識のアップデートを続け、生徒が自分の道を進む力を養えるようサポート

 バレエ好きだった母の勧めで、4歳からバレエを始めた井澤さん。プロになると決めた20代前半の頃から、スタジオ運営を意識するようになったと言います。

 「バレエ学校では、多くの生徒がハードな練習に時間を費やしているのに、プロになれるのは一握りだけ。なぜ結果が伴わないのか原因を分析する中で、知識のアップデートが重要だと気づいたんです。研究によっていろんな課題が解決に向かっているのに、長年変化がない現場に疑問を感じました。かくいう私も、学生時代は言われたことをこなす毎日で、新しい情報を取り入れようとはしていませんでした」

 井澤さんは、理にかなった知識や技術を伝えるためにスタジオを開設。講師陣は定期的にワークショップに参加し、新たな指導方法や理論に触れるなど知見を深めたり、情報を更新したりしています。

 「必ずしもプロを目指す必要はなく、自分に合った進路を選んでほしいと思っています。大切なのは、『これだ!』と進みたい道が見つかった時、その分野に挑戦できるだけの力がきちんと備わっていること。日々のレッスンを通じて、生徒さんが広い視野で物事を捉え、自分の頭で考えて行動できるよう、導いていきたいですね」

 時には、夜遅くまで生徒と保護者の声に耳を傾けることもあるそうです。「学業との両立や、プロのダンサーを見据えた進学など、バレエを続ける中でさまざまな悩みや迷いが生じます。生徒さんの気持ちをくみとり、それぞれの未来に寄り添ったサポートを心掛けています」

#chapter3

栄養管理や留学支援など、バレエを続けるために必要なサービスを創出したい

 井澤さんは、プロのバレエ団で11年間、ファースト・ソリストとして活動し続けた後、2022年に退団し、指導に専念することを発表。「ようやくスタートラインに立ちました」とほほ笑みます。

 「生徒さんの成長を後押しするために、理学療法士の資格取得も含め、勉強を重ねていくつもりです。さらに新スタジオのオープンも視野に入れています。これまで以上に充実した環境にするため、キッチンを併設し、栄養管理など体調面からも支えていく計画です。英語のレッスンなど、バレエ留学を控えた生徒さんの支援もしていきます」

 すでに、井澤さんのもとには現地の事情に精通したインターナショナルコーディネーターが在籍し、海外でのチャレンジを細やかにサポートしています。
 「テクニックを教えるだけでなく、心と体をケアしたり、世界に踏み出す機会を用意したり。バレエを続けるために必要なサービスを創出していきたい」と力を込めます。

 プロになる、ならないにかかわらず、「このスタジオに通ってよかった」と思ってもらえる学びを提供したいと願う井澤さん。卒業してダンサーとして活躍するようになっても、発表会で演舞を披露してもらうなど、交流を深めていきたいと語ります。

 「人は自分を磨く方法が分かれば、どんどん力を伸ばすことができます。身に付けたスキルは、バレエにとどまらず、人生を生きる上で大きな強みとなるはずです。私どもは、皆さんが自信をもって目標に向かうためのお手伝いをいたします」

(取材年月:2022年12月)

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専門家プロフィール

井澤諒

変化する楽しさを生徒に伝えるバレエ指導の専門家

井澤諒プロ

クラシックバレエ教師

studio R⁺

大学病院の医師や理学療法士と連携し、成長期の子どもが安心してバレエの練習に専念できる環境を実現。舞台・指導経験ともに豊富な講師陣が日々知識のアップデートを行い、生徒の成長と挑戦をサポートする。

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