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東洋医学と西洋医学の融合で、「鍼灸」をより信頼でき、万人を救う施術に!

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

清野充典

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師 清野充典院長
清野充典院長 研究風景

#chapter1

30年を超える臨床・研究から、西洋医学の医療機関と連携を取る鍼灸院へ

 「例えばぎっくり腰に対して、多くの診療施設は『痛い間は自宅で安静にし、痛みが落ち着いたら来院してください』とHPに載せています。でも、ぎっくり腰に限らず、痛いから痛みを取りたい、つらいから楽になりたいと皆さん思っているはずです。診療施設は、痛い時こそ来てください、つらいときこそ来てくださいと言えなければ意味がありません。私がこれまで鍼灸を極めるためにだけに生きてきたのは、これを可能にするためです」と穏やかに話すのは、清野鍼灸整骨院 清野充典院長です。『鍼灸を極めるためにだけに生きてきた』の言葉の通り、30年以上に渡り、鍼灸の臨床現場と研究活動に全身全霊を注ぎ、数えきれないほどの患者さんや世界中の鍼灸師に寄り添ってきました。

 清野院長が目指してきたのは「東洋医学と西洋医学の融合」です。多くの人は鍼灸と西洋医学は交わらないものだと思っています。しかし「人類の叡智は、全て活用すべきです。だから西洋医学の医療機関と連携を取るべきだと考えます」と話します。
 同院5階は、連携する西洋医療機関で、医師による内科・整形外科の診療を行っています。例えば骨折・脱臼患者さんにはすぐにレントゲン撮影を行い、確定診断した後に医師と清野院長で方針を立てます。内科疾患なら、必要に応じて、血液検査や尿検査等を行います。鍼灸治療は、検査データをもとに進めるのです。
「西洋医学の知識が不足していて、主訴を取り除くことに終始している鍼灸師が多いのは残念なことです。全ての鍼灸治療、柔道整復治療、按摩治療やヨーガ療法を行う人に対して、理想・模範の院でありたいです」と清野院長は笑顔を見せます。

#chapter2

鍼灸師としての誇り、研究への情熱に溢れた人生

 清野院長が「東洋医学と西洋医学の融合」という考え方に至るまでには、長く深い研究の日々がありました。

 鍼灸師となった清野院長は、臨床現場に留まらず、世界の鍼灸の現場へ行き知識を深めたり、指導をしたりしていました。転機になったのは、アメリカで生徒から受けた質問でした。
「日本ではどんな鍼灸をやっていますか?中国のものとはどう違いますか?という質問を受けたとき、答えられず…。自分に愕然としました」  
 清野院長は鍼灸の研究をしようと決心。早速、大学院に入ると、先人の知恵を知るために鍼灸の歴史を紐解こうと、漢文を読み込むことからスタートしました。その後は医学部で研究生として学んだりと、学問を積み重ねていきました。現在も順天堂大学医学部医史学研究室に在籍し、研鑽を続けています。
「人文学からの視点、西洋医学からの視点、臨床家としての30年以上の経験、この3つが私の中に揃ったとき、目指すは『西洋医学と東洋医学を融合した鍼灸』だと確信しました」

 近年は、鍼灸を体系化するための論文づくりに、精力的に取り組んでいます。
「長く臨床をやっていると、鍼一本で患者さんの要望に応えられたという経験を多くします。これは私だけでなく、長く臨床をやっている鍼灸師ならば同じような経験をするでしょう。ただ、患者さんや後進に伝えたいことがあっても、一鍼灸師の発言では周囲を動かすことはできません。だから、学位を取り体系化することが一番だと思ったのです」

 HPを見たという鍼灸師から電話がかかってきて、尿管結石や帯状疱疹などのことを教えた経験は何度もあるそうです。清野院長の取り組みの発展を待ち望む鍼灸師は多いのでしょう。

清野充典院長 診療風景

#chapter3

臨床・研究の成果を体系化し、患者と後進のために活かす

 清野院長はなぜ体系化できたのでしょうか?それは「通常は、入口からゴールを探るが、ゴールから入口を探った」ためです。
「患者さんの症状を分析していき施術法を当てはめようとすると、施術法が当てはまらないことがほとんどで、その結果、経験に頼ることになります。この手法で行っている限り、施術法は十人十色で良くなる良くならないの差が出てしまいます。しかしゴールから探ったことで、テクニックではなく道具つまり針の材質や長短がキーであることがわかりました」
 体系化した施術の指導はすでにカナダなどで行っており、鍼灸師歴が1,2年であっても結果を出せるようになっているそうです。

 清野院長はもうすぐ60歳。「これからも鍼灸を極めるのみ。他のことはできませんから」と笑います。
「64、65歳を目標に論文を書き上げたいです。出来上がったら、広く多くの方々に見ていただきたいです。そして、学びたいという鍼灸師が多く出てきたら嬉しいです。この院を研究・講習の場にして、世界中の人に伝えていきたいです。種を植え付けるところまでできたら、本望です」
 日本の鍼灸院の繁栄につながって欲しいと続けます。
「鍼灸の大学や専門学校の卒業生は増えていますが、東京都で言えば鍼灸院数はこの30年間変わっていません。鍼灸の技術が見直され、繁栄するよう、貢献していきたいです」

(取材年月:2019年1月)

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清野充典

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

清野充典プロ

鍼灸師

清野鍼灸整骨院

 患者さんと後進のために鍼灸を極めるべく、臨床現場と研究活動に全精力を注ぎこんでいます。西洋医学の融合、診療方法の体系化で、鍼灸の高い成果を導いています。論文発表や海外での鍼灸師育成の実績も多数。

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