海外リゾート散骨②~フィリピン・マニラ湾での散骨と観光~
フィリピンの世界一長いクリスマスシーズン
9月から始まる、特別なホリデー
弊社の海外リゾート散骨エリアの一つである「フィリピン」のクリスマスは、世界で最も長いホリデーシーズンとして知られています。その始まりは、なんと「9月1日」です。
この期間は「Ber months」(9月~12月)と呼ばれ、9月1日からすでに街中でクリスマスソングが流れ始め、ショッピングモールやオフィス、家庭など至るところでデコレーションが施されます。街全体がクリスマスムードに包まれ、フィリピン人の「クリスマス愛」が感じられる瞬間です。
「なぜこんなに早くから?」と思うかもしれませんが、その背景にはフィリピン特有の文化や価値観があります。多くのフィリピン人にとって、クリスマスは単なるイベントではなく、家族や愛する人との絆を深める大切な時間です。
フィリピンはアジアでも珍しく国民の大多数がカトリック教徒であり、キリストの誕生を祝うクリスマスは特別な意味を持ちます。信仰心が深く根付いているこの国では、長期間かけて心からお祝いをするのです。またこの時期は、海外で働くフィリピン人が家族のもとへ帰国するタイミングでもあり、家族が集まって笑顔を分かち合う温かな時間が広がります。
フィリピンならではのクリスマス文化
街を彩る「パロル」
フィリピンのクリスマスを象徴するのが「パロル(Parol)」と呼ばれる星型のランタンです。ベツレヘムの星を模して作られるこの伝統的な飾りは、家々やオフィス、街のいたるところに吊り下げられ、夜になると美しく輝きます。パンパンガ州では「ジャイアント・ランタン・フェスティバル」も開催され、巨大なランタンが街を幻想的に彩ります。
家族で囲む「ノチェ・ブエナ」
クリスマスイブの夜には「ノチェ・ブエナ(Noche Buena)」と呼ばれる家族団らんの食事会が行われます。食卓にはハム、ローストチキン、レチョン(豚の丸焼き)などの豪華な料理が並び、プト・ブンボンやビコといった伝統的なスイーツも楽しめます。笑顔と会話に満ちた特別なひとときです。
プレゼント交換「モノト・モノン」
フィリピンのクリスマスには、家族や友人同士で贈り物を交換する文化があります。「モノト・モノン(Monito Monita)」という秘密のプレゼント交換も盛んで、参加者がサプライズの贈り物を交換し合い、楽しい時間を共有します。
9日間続くミサ「シンバン・ガビ」
「シンバン・ガビ(Simbang Gabi)」とは、12月16日から24日までの9日間、早朝に行われるミサです。暗いうちから教会に集まり、キリストの誕生を祝う祈りが捧げられます。このミサに9日間全て参加すると、願いが叶うという信仰もあり、家族で参加する姿も多く見られます。
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クリスマスの裏にある社会的課題
経済的負担と格差
贈り物や装飾、パーティーの準備には出費が伴います。経済的に余裕のない家庭では、それが大きな負担となり、借金をしてでも子どもにプレゼントを渡そうとする親もいます。華やかな雰囲気の中、格差を強く感じる人も少なくありません。
離れ離れの家族と孤独
海外で働くフィリピン人の中には、クリスマスに帰国できない人もいます。家族を支えるために働く彼らは、遠く離れた異国で孤独にクリスマスを迎えることもあります。ビデオ通話やメッセージでつながることはできても、一緒に過ごす温もりには代えられません。
ストリートチルドレンへの支援
都市部ではストリートチルドレンの存在が課題とされています。特にクリスマスには、人通りの多い場所で物乞いをする姿が目立ちます。一方で、支援団体による食事や贈り物の配布、クリスマスパーティーの開催など、支援活動も積極的に行われています。
環境への影響と対策
電力消費の増加や、プラスチック製の装飾によるごみ問題もあります。一部の地域では、ソーラーライトの使用やエコ素材の装飾が取り入れられ、環境に配慮した取り組みが広がっています。
フィリピンのクリスマスが伝えること
フィリピン人は、日常の中に小さな幸せを見出す力を持っています。豪華な演出がなくても、家族と手作りのパロルを飾る時間や、街角で流れるクリスマスソングに耳を傾けるだけで、心が温まります。
派手なイベントよりも、家族や友人と過ごす時間を何より大切にし、その時間に感謝を込めて過ごす。それが、フィリピン人にとってのクリスマスの本質です。
クリスマスは「感謝の表現の場」でもあります。神への感謝、家族や友人への感謝、日々支えてくれる周囲への感謝。それらすべてを心で感じ、行動で表すのがフィリピンのクリスマスなのです。
フィリピン人にとって、クリスマスはただの年中行事ではなく、「人生の豊かさ」や「日常の大切さ」を再確認する時間でもあります。家族と過ごすクリスマスが、心の拠り所として強く根付いているのです。



