黙祷の起源と一般的な作法
注目されている古墳墓
日本におけるお墓は、家名や戒名を彫刻した墓石が設置され、先祖代々が同じ区画に祀られる形式が一般的です。
多くは寺院や霊園の敷地内に設けられ、墓石の前には香炉や花立があり、参拝者が線香や花を手向けて故人を偲びます。
お墓は先祖供養の場であり、また家族のつながりを確かめる役割も果たしています。お盆やお彼岸、命日などには、家族や親族が集まり、供養のひとときを過ごすことが伝統とされています。
関連記事:【お彼岸のお墓参り~春分の日~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/n7m2odll-le
関連記事:【2024年お盆の時期はいつ?~準備・お墓参りと海外リゾート散骨~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/mq8prw_r6d
関連記事:【お彼岸のお墓参り~秋分の日~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/qc8nkk0vsbnv
このような従来型のお墓に対し、近年では散骨・樹木葬・永代供養墓など新たな供養スタイルが広がっています。
その中でも、今注目されているのが「古墳墓」と呼ばれるユニークなお墓の形です。
古墳と聞くと、3世紀後半~7世紀頃に築かれた天皇や王族などが眠る墳墓を思い浮かべるかもしれません。
有名な前方後円墳としては、大仙陵古墳や誉田御廟山古墳などが挙げられます。
関連記事:【お墓の歴史について】https://sea-forest-ceremony.com/blog/6y3potdblkeq
そして、こうした古墳に着想を得てつくられた現代の「古墳墓」が、個性的でインパクトのある供養方法として話題になっています。
福岡・新宮霊園の古墳型永久墓
日本で初めての古墳墓は、福岡県新宮町にある「新宮霊園」によってつくられました。
玄界灘を見下ろす立地に、令和4年4月より「古墳型永久墓」として販売されたところ、約1年で販売目標を大きく超える約900人分が完売しました。
古墳墓の規模は全長53m、円墳部の直径16.3m、高さ3.5m。
芝で覆われた墳丘の周囲には、約40体の埴輪が設置され、死者の魂を鎮めるよう配慮されています。
全体で最大3100人分の納骨が可能とされています。
一人分の区画は30cm四方で、芝生に番号が振られ、石の銘板に名前が刻まれます。
納骨の際は芝生の下15cmほどに設けられた樹脂製の納骨室へ骨壺を納め、土に還る納骨袋(綿素材)を使用することも可能です。
新宮霊園の広報担当によれば、「自然に還りたい」という要望が非常に多く、それが古墳型永久墓の発案に繋がったとのこと。
また、宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界遺産登録されたこともインスピレーションとなり、古墳文化の実地調査を経てこの構想が形となったそうです。
「お墓の継承者がいない」「子どもに墓守の負担をかけたくない」といった声も多く、家族観の変化が供養のかたちにも表れているとのことです。
実際に【第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)】によると、樹木葬を選んだ割合は全体の48.7%にものぼり、従来型の墓石よりも、管理が不要で後継者問題を抱えない供養が選ばれていることがわかります。
株式会社前方後円墳による古墳墓の全国展開
新宮霊園に続き、2024年には竹田恒泰氏が設立した「株式会社前方後円墳」が、古墳墓を全国展開する事業を開始しました。
竹田氏は古墳を「日本の文化遺産」と捉え、日本人のルーツや伝統を再確認できる場をつくるという思いから、事業に着手したといいます。
少子高齢化や核家族化の影響で、従来の墓石による供養が減少傾向にある中で、株式会社前方後円墳では、自然や歴史に寄り添った新しい供養のスタイルとして古墳墓を提案しています。
またこの古墳墓では、古代の形状を再現するだけでなく、自然との調和も重視し、参拝者が安らぎや歴史的雰囲気を感じながら故人を偲べるよう設計されています。
さらに御鏡・御剣・勾玉・埴輪など副葬品の制作も行っています。
個人用・家族用の区画だけでなく、継承者がいない人向けの永代供養墓としても対応しており、安心して利用できるのも魅力のひとつです。
株式会社前方後円墳では今後もデザインや技術の開発を進め、さらに多くの地域に古墳墓を広める方針です。
地域振興や歴史教育と連携し、イベントなどを通じて古墳文化への理解を深める活動も展開予定だそうです。
竹田氏は「古墳墓は単なる供養の場ではなく、日本人のアイデンティティを見つめ直す場所である」と語り、その意義を強調しています。
自由な供養のかたち~散骨や古墳墓
古墳墓はSNSなどでも話題を集めています。
「お墓参りが楽しくなりそう」「埴輪が並んでいてにぎやか」「1000年後の考古学者が混乱しそう」などの声が見られました。
実際に契約した人からは、
「兄の遺骨は納骨堂にあるが、自分の死後には管理費を支払う人がいない。古墳墓なら安心」
「娘が嫁いでいるので、管理や費用で迷惑をかけたくない。掃除の必要もなく助かる」
というような意見もありました。
少子高齢化や都市化に伴い、お墓の継承が難しい家庭が増える中で、合葬型や継承不要の供養が選ばれる傾向が強まっています。
また、「散骨」も自由な供養方法として急速に浸透してきています。
遺骨を粉末状にし、自然へ還す散骨は、お墓の維持や継承に悩まされることがなく、自然との一体感を大切にする人たちに支持されています。
弊社では、フィリピンやオーストラリアなどの美しいリゾート地での「海外リゾート散骨」も行っており、旅行を兼ねて故人を偲ぶことができます。
これは古墳墓と同様に、従来の形式に縛られず、供養の時間をポジティブに捉える新しいスタイルです。
関連記事:【ひろゆき氏がハワイに散骨 海外散骨の意外な利点とは?】https://sea-forest-ceremony.com/blog/ft1ohzacc
関連記事:【海外リゾート散骨の魅力~フィリピン・フィンランド・オーストラリアでの散骨と供養~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/8dt-v8-ejb
関連記事:【海外リゾート散骨と海洋散骨の魅力】https://sea-forest-ceremony.com/blog/l7hfsmuslo0h
関連記事:【フィリピン・セブ島での散骨とお墓参り~故人を弔い旅行も楽しもう~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/a_nycvkv8q
関連記事:【再訪できる海外リゾートの海洋散骨~また行きたいと思える場所~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/4ot5cba68y_6
今後の日本においては、古墳墓や散骨といった、継承者不要・維持管理負担のない供養方法が主流になっていくと考えられます。
家族構成や価値観が多様化する中で、供養の選択肢もさらに広がっていくでしょう。
そして、自由で個人の想いに寄り添った供養こそが、これからの時代における「新しい供養のかたち」なのかもしれません。



