GACKTさんの死生観と自由な供養~散骨・樹木葬・納骨堂~

村田光史

村田光史

テーマ:散骨

新しい供養のかたち~散骨・樹木葬・納骨堂


近年、納骨や供養のあり方が多様化し、従来の墓石を建てるという形にこだわらず、故人の意志や自分のスタイルに合った弔い方を選ぶ人が増えています。

特に、墓石の代わりに樹木を墓標とする「樹木葬」や、永代供養付きの「納骨堂」が注目されています。

【第15回お墓の消費者全国実態調査(2024年)】によると、新たに購入されたお墓のうち、樹木葬を選んだ人は48.7%と約半数に上りました。次いで一般墓(墓石型)が21.8%、納骨堂が19.9%という結果でした。また、「跡継ぎ不要のお墓を購入した」と答えた人は64.1%に達しており、少子高齢化、核家族化、単身世帯の増加、血縁関係の希薄化といった社会的背景を映し出しています。

また、故人を海に還す「海洋散骨」も増加傾向にあります。【一般社団法人日本海洋散骨協会】によれば、海洋散骨の施行件数は2022年が2466件、2023年が2611件と増加を続けています。

このような供養方法の多様化には、ライフスタイルの変化や技術の進歩が影響しています。利便性の高い納骨堂、自然回帰の志向から生まれた樹木葬や海洋散骨など、自然に還ることを望む「自然葬」が多く選ばれるようになっています。

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最新の納骨堂~東京や大阪の巨大納骨タワー


従来の納骨堂はロッカー式が主流で、コインロッカーのような棚に遺骨を収蔵する方式です。仏壇式や位牌式といったタイプもあります。

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近年では東京・大阪などの都市部を中心に、立体駐車場のような「巨大納骨タワー」が登場しています。東京都内には30棟以上が存在し、今後も増加が見込まれています。

6~7階建てのビル1棟が納骨堂となっており、「自動搬送式」システムにより、ICカードをかざすと収蔵された遺骨が自動的に運ばれてきて扉が開く仕組みです。参拝ブースにはモニターが設置されており、遺影や戒名が映し出されます。

この方式は、買い物や仕事の帰りにも気軽に立ち寄れることが魅力です。既にお花や焼香台が整っており、参拝者が持参するものは不要です。冷暖房設備や清潔なトイレ、休憩スペースも完備されていて、快適に参拝できます。換気もしっかりしており、線香の匂いが衣類に付く心配もありません。

また、運営は主にお寺が行っていますが、檀家になる必要はなく、宗派を問わず利用できます。他宗教の宗教家を招いて供養を行うことも可能です。

費用についてはロッカー式よりやや高めですが、都内で墓地を購入するよりは安価です。たとえば新宿区や港区では1平方メートルあたり約300万円と言われていますが、自動搬送式納骨堂は100万円前後で利用できます。

このように、現代のニーズに応える新しい納骨堂は、利便性や費用面、供養スタイルの柔軟性など多くの点で支持を集めています。

樹木葬誕生のきっかけと未来~知勝院元住職が語る


近年広く普及している「樹木葬」は、1999年に岩手県一関市の知勝院で始まり、今年で25年を迎えました。

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元々、樹木葬は20世紀後半の西洋諸国で、都市化による土地不足や高額な墓地費用への対策として提案されたもので、自然に還るという考え方が徐々に受け入れられていきました。

日本で樹木葬を考案したとされる知勝院元住職・千坂嵃峰さんは、そのきっかけを「海洋散骨」にあったと語っています。1991年に法務省が「節度を持って行えば海洋散骨は違法ではない」との見解を出したことを受け、「お墓が嫌で海洋散骨を選ぶ人もいるのでは」と感じたそうです。

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檀家制度に頼ってきた宗教者としての反省、奥州藤原氏の遺跡保全活動の中で感じた里山の大切さが相まって、「生命の循環を実感できる供養」として樹木葬を発案したとのことです。

また、千坂さんは「永続性が保障できない時代に入り、日本の墓地文化の変化も進んでいる。命のつながりを感じられる樹木葬こそが、癒やしの場になりうる」と述べ、「生命を見つめる営みを大切にしてほしい」と語っていました。

現在では全国に多種多様な樹木葬が広がり、樹木の種類や墓域のデザインにも特色が出ています。樹木葬は今後も、環境配慮やライフスタイルの変化に対応する供養として注目されることでしょう。

GACKTさんの死生観と海外リゾート散骨の選択肢


先日、ミュージシャンのGACKTさんがXで自身の死生観を投稿しました。

GACKTさんは、「墓で眠りたいとは思わない」「墓掃除を誰かにしてもらうのも違う」と述べ、「空を見上げてたまに思い出してもらえれば十分」と語りました。そして「土地や関係に縛られない時代の変化としてポジティブに受け止めるべき」と述べた上で、「心の拠り所は墓石である必要はない」と締めくくっています。

この投稿は、多くの共感を呼び、現代の供養の在り方を見つめ直すきっかけにもなりました。

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弊社が行っている「海外リゾート散骨」も、こうした新しい供養スタイルの一つです。フィリピンやオーストラリアなどの美しいリゾート地での散骨は、個人的で意味のある弔いのかたちとなり、お墓参りと合わせて旅行も楽しめる、まったく新しい供養体験として注目されています。

GACKTさんの言葉が示すように、供養はもっと自由であってよい時代です。海外リゾート散骨をはじめとした新しい供養の選択肢を通じて、私たちは伝統を超えた新たな死生観と向き合っていくことになるかもしれません。今後も時代とともに、供養の在り方は進化し続けていくでしょう。

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Mybestpro Members

村田光史
専門家

村田光史(散骨代行)

合同会社KOKESHI Arts 海外リゾート散骨 海と森のセレモニー

希望する外国への散骨が可能か調査し、骨の粉砕や法的手続きを代行。葬儀は動画に収め、散骨証明書と共に遺族へ送付する。シニアライフパートナーの資格を持ち、墓じまいなどシニアとその家族の悩みにも幅広く対応。

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