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遺品と形見の違いとは?正しい理解と丁寧な扱い方
人生において、大切な人との別れは避けられません。遺品整理の際、生前に故人が愛用していた品々の中から、特に想いが詰まったものが見つかることがあります。これらは「形見」と呼ばれ、大切に引き継がれる存在となります。
遺品と形見の違い
遺品とは、故人が生前に所有していたすべての物を指します。家具や家電、衣類、生活用品などが含まれ、金銭的価値のあるものは「遺産」に該当します。
一方、形見は故人を偲ぶために保管したり引き継いだりする品です。身につけていた時計やネックレスなど、故人の存在を感じられる品が選ばれることが多く、遺族や親しい人々の心の支えとなるものです。
形見分けとは?~手順とタイミング~
形見分けは、故人を偲ぶために、遺族や親族、友人などへ形見を分ける行為です。
由来
仏教の開祖である釈迦が、自らの遺品を弟子に渡したのが始まりとされ、「故人の魂は身に着けていた品に宿る」という考えから形見分けの習慣が生まれました。
手順
1.形見の選定
故人の遺品の中から、特に想いが強く込められた品を選びます。
2.分配の計画
近しかった人や希望者を優先しつつ、全員が納得できるように配慮しましょう。
3.実際の形見分け
手渡す際には、感謝の気持ちや故人への想いを添えて丁寧に行います。寺院や神社で儀式として行うこともあります。
宗教ごとのタイミング
- 仏教:四十九日法要後
- 神道:三十日祭または五十日祭
- キリスト教:追悼ミサ(30日目)
形見分けのマナー
手入れをしてから渡す
服やアクセサリー、メガネなどはクリーニングや磨きを施し、清潔で整った状態にしましょう。時計や万年筆などは、事前に使用可能か確認しておくことが望ましいです。
生き物や高価な品は避ける
ペットなどの生き物は相手に負担をかける場合があります。事前に確認が必要です。現金や高額品は相続や贈与に該当するため、形見分けには適しません。
渡し方のマナー
包装せずそのまま渡すのが基本ですが、抵抗がある場合は半紙に包むと丁寧です。仏教では「遺品」、神道では「偲ぶ草」と表書きすると良いでしょう。
形見分けの注意点~故人の想いを大切に~
金銭的価値のある形見は、故人との血縁が深い順に渡すと納得を得やすいです。また希望者が多くトラブルになりそうな場合は、棺に納める選択も有効です。
用途不明の物や価値の乏しい品は形見には適しません。友人・知人に渡すと、かえって失礼にあたることもあるため注意が必要です。
ただし、遺言書やエンディングノートに希望が記されていた場合は、その意思を最優先することが重要です。
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どうしても残すのが難しい形見や、受け取る人がいない場合は、「お焚き上げ」による供養を行うのも選択肢の一つです。
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形見分けは、故人と向き合う大切な時間
形見分けは、故人と深い関わりがあった人々が集い、想いを共有しながら冥福を祈る行為です。相応しい相手に形見を手渡すことは、故人の願いを叶え、遺族の心を癒す大切な時間となるでしょう。



