死後の手続き②~葬儀後の相続・名義変更・登記の進め方~
故人を明るく見送る新しい葬儀のかたち
「明るい葬儀」が増えている
日本の葬儀といえば、「暗い」「厳粛」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。大切な人を失うことは悲しく、どうしても重たい空気に包まれがちです。
しかし最近では、死を悼む気持ちはそのままに、明るく送り出す「明るい葬儀」を選ぶ人が増えています。
ただ悲しむだけでなく、故人の人生を振り返り、感謝や笑顔で温かく送り出す葬儀を望む人が多くなっているのです。なかには、故人の遺志として「明るい葬儀にしてほしい」と希望されるケースもあります。
実際に、電撃ネットワークの南部虎弾さんの葬儀ではクラッカーが鳴らされ、華やかに行われました。
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また、弊社の散骨エリアであるフィリピンや、インドネシアのトラジャ族も、明るく賑やかに故人を送る文化があります。
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笑顔で送ることは、故人の旅立ちに彩りを添える大切なひとときです。
世界各地の明るい葬儀
ガーナ共和国
西アフリカにあるガーナでは、陽気な音楽とともに棺を担いで踊る「棺桶ダンス」が行われます。ダンサーが招かれることもあり、色とりどりの衣装で賑やかに行われます。棺桶は故人の人生を象徴したオーダーメイドのデザインで作られるのが特徴です。
ガーナでは「死は終わりではなく、新たな人生の始まり」と考えられており、葬儀は故人を祝うお祭りのように行われます。
メキシコ
メキシコでは「死は生の延長」と捉えられ、葬儀も明るい雰囲気で進められます。服装も自由で、ジーンズ姿の参列者も珍しくありません。
会場にはカフェのようにパンやお菓子が並び、思い出話に花が咲きます。マリアッチと呼ばれる楽団の演奏が行われることもあり、にぎやかで楽しい葬儀が特徴です。
オーストラリア
オーストラリアの葬儀では、故人の人生を称えることに重きを置きます。弔辞では笑いを誘うエピソードが語られ、スライドショーに面白い写真が映されることもあります。笑いに包まれた葬儀が行われるのです。
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日本でも広がる新しい葬儀スタイル
餅つき葬
故人の願いで参列者が餅つきをする葬儀です。大きな掛け声とともに、みんなでつきたてのお餅を囲む温かなひとときとなります。
坊主バンド葬
僧侶たちがロック調にアレンジしたお経を演奏するスタイルです。「般若心経」を現代語に訳して歌うなど、宗教と音楽の融合がユニークな葬儀となっています。
ハワイアン葬
ハワイアン音楽の生演奏で故人を送り出します。「アロハ・オエ」や「ブルー・ハワイ」など、愛や望郷をテーマにした曲が演奏されます。
オーダーメイドの死装束
従来の死装束に代わり、オーダーメイドの「エンディングドレス」を着せるスタイルが登場しています。「人生最後の晴れ舞台に、ウエディングドレスのような装いで旅立ってほしい」という思いから生まれたものです。
葬儀の意味とこれからのかたち
近年、葬儀の形式も多様化しています。明るく華やかな会場で、故人の思い出を語り合うアットホームな葬儀が増えてきました。
一方で、「明るい葬儀は不謹慎」と感じる人もいるかもしれません。日本では「死=悲しみ」という認識が根強く残っているためです。
しかし、どれだけ賑やかに明るく行われても、そこに悲しみがないわけではありません。大切な人を失った悲しみを抱えながら、少しずつ心を癒すためにも、明るく送るという選択肢が求められているのです。
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人は誰しも、いつかはこの世を去ります。葬儀を「悲しむだけの場」ではなく、「人生を祝う場」として考えることで、前向きに生きていく力が得られるかもしれません。
供養のかたちも変化し続けています。暗いイメージの葬儀ではなく、明るく希望を感じる葬儀を選ぶことも、これからの時代に合った新しい選択肢といえるでしょう。



