グリーフケア~葬儀や供養で心を癒す

村田光史

村田光史

テーマ:コラム一般

グリーフケアとは~大切な人を失った悲しみに寄り添う支え


死別によって生まれる心の痛みと「グリーフケア」


人は誰しも、いつか死を迎えます。そして、家族や恋人、友人など、自分にとってかけがえのない存在と別れを経験したとき、心には深い悲しみや喪失感が生まれるものです。

その一方で、「なんとか立ち直らなければ」という思いも芽生え、心は大きく揺れ動きます。このような状態を「グリーフ(悲嘆)」と呼び、そんな深い悲しみを抱える人に寄り添い、支援する取り組みが「グリーフケア」です。

突然の事故や災害、自死などで最期を見送ることもできなかった場合、悲しみはさらに深まります。孤独感や絶望感を抱え、自分の一部を失ったように感じることもあるでしょう。

「前を向かなければ」と思っていても、そう簡単にはいかない――そんな時こそ、グリーフケアの存在が心の支えとなります。

さまざまな「喪失」に寄り添うケア


グリーフケアは、死別だけでなく、さまざまな「失うこと」に向き合う支援でもあります。

  • 流産
  • 失恋・離別
  • 失業や財産喪失
  • 転勤・転校
  • 名誉や居場所の喪失


中でも、愛する人を亡くしたときの喪失感は、計り知れないものです。ここでは、そのような心に寄り添うグリーフケアの方法をご紹介します。

心を癒すグリーフケアの方法


音楽の力で癒される


音楽は、言葉では表現しきれない感情に寄り添い、癒しをもたらします。以下は、死別や悲しみをテーマにした楽曲の一例です。

  • 【Mrs. GREEN APPLE「Soranji」】
  • 映画『ラーゲリより愛を込めて』の主題歌。命の尊さと家族愛を描いたこの曲は、悲しみの中でも希望を見出す力を与えてくれます。
  • 【KOH+「ヒトツボシ」】
  • 映画『沈黙のパレード』主題歌。柴咲コウさんの歌声が、大切な人への感謝と愛情を優しく伝えてくれます。
  • 【浜崎あゆみ「Life」】
  • 喪失と再生の過程を描いた曲。日常に潜む奇跡や、失った人への想いが込められています。
  • 【米津玄師「地球儀」】
  • ジブリ映画『君たちはどう生きるか』の主題歌。喪失と向き合いながら、未来を切り開く力を与えてくれる一曲です。


自然の中で心を整える


美しい海、緑の森、沈む夕日――自然に触れることで、死への恐怖や喪失感が和らぐことがあります。

私は先日、大阪の四天王寺を訪れました。ここは、かつて法然や後白河天皇が極楽往生を願って日想観を行った場所でもあります。夕日に照らされた景色を見たとき、「これが極楽なのか」と思えるほどの美しさで、死への恐れがすっと消えていくのを感じました。

関連記事:【一心寺のお骨佛~大阪の納骨寺院~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/0y3gho6160


人に話すことの大切さ


グリーフケア士は、悲しみに寄り添い、心の回復を支援する専門家です。専門家でなくても、周囲の信頼できる人に気持ちを打ち明けることは、癒しに繋がります。

  • ・我慢しない
  • ・頑張りすぎない
  • ・泣くことを恥じない


これらを大切にしながら、感情を表に出すことで、心は少しずつ癒えていきます。

葬儀と供養の意味~グリーフケアの一環として


大切な人を失い、看取れなかったり、納得のいく葬儀ができなかった場合には、グリーフ反応が強くなることがあります。

葬儀は、故人への感謝と別れを告げるだけでなく、残された人たちが死を受け入れ、気持ちを整理する大切な儀式です。また、家族や友人との絆を深め、命の大切さに気づく場でもあります。

供養も同様に、心の整理や癒しに大きく寄与します。供養を通して、私たちは「自分」という存在が、長い生命の連なりの一部であると気づかされるでしょう。それは生きることへの希望にも繋がります。

そして、最も大切なことは「自分を指針として生きること」。これは仏教で言われる「自灯明(じとうみょう)」という教えにも通じる考えです。

鬼滅の刃に見るグリーフケアの姿


社会現象となっているアニメ『鬼滅の刃』。主人公の竈門炭治郎は、家族を鬼に殺されるという大きな喪失を経験します。

アニメ第7話では、炭治郎が恋人を失った男性に「大丈夫ですか」と声をかける場面があります。その男性は「婚約者を失って、大丈夫だと思うか」と返しました。炭治郎はこう答えます。

「失っても、失っても、生きていくしかないんです。どんなに打ちのめされようと。」


これはまさにグリーフケアの一場面です。共感し、寄り添いながら、「生きること」への支援をしている姿でもあります。

炭治郎は亡くなった人を弔うだけでなく、鬼にさえも手を合わせて供養します。これは仏教で言う「怨親平等」の精神です。

悲しみを受け入れ、生きる意味を再発見する


大切な人を失ったとき、その悲しみはとても深く、簡単には癒えません。

まずは「自分は悲しい」と認めましょう。それは、心を回復させる第一歩です。無理に前を向こうとせず、時間をかけて自分のペースで進んで構いません。

やがて、自分自身の「生きる意味」を見つけることで、新たな希望が生まれるかもしれません。そして苦しいときには、迷わず周囲の人に助けを求めてください。支えは、必ずあります。

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村田光史
専門家

村田光史(散骨代行)

合同会社KOKESHI Arts 海外リゾート散骨 海と森のセレモニー

希望する外国への散骨が可能か調査し、骨の粉砕や法的手続きを代行。葬儀は動画に収め、散骨証明書と共に遺族へ送付する。シニアライフパートナーの資格を持ち、墓じまいなどシニアとその家族の悩みにも幅広く対応。

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