散骨エリアのご紹介~フィンランドってこんな国①~
フィンランドでの散骨体験記~極寒の地で見送る、あたたかな旅立ち~
ヘルシンキ近海でのセレモニー
今年2月、故人のご遺志により「フィンランド」での散骨を行いました。訪れた首都ヘルシンキでは、昼間の気温は氷点下10度。雪は時折ちらつく程度で、想定していたよりも穏やかな気候に恵まれました。
ご遺族からお預かりした大切なご遺灰は、ヘルシンキ近海で散骨。セレモニーは静かで厳かな雰囲気の中、献花や献酒が行われ、さらにご遺族のご希望により【モーツァルト:クラリネット協奏曲第2楽章】https://www.youtube.com/watch?v=FMm1MrprpWM
の生演奏も捧げられました。
思い出深い地であったフィンランドの海に、故人が永遠の眠りについたことは、ご遺族にとっても大きな慰めとなったことと思います。そして私たちがその時間に立ち会えたことを、心から誇りに感じています。
突然の事態~航空機の欠航
この散骨に向けた準備は、前年12月末のお問い合わせから始まりました。ご遺族との打ち合わせを重ね、必要書類や粉骨、セレモニーの進行も万全の状態で整えていました。
ところが、出発の1週間前に「フィンランド国内で大規模なストライキが行われる」との報道が。ストライキ実施日は、まさに出発予定日の2月1日。航空便の多くが欠航する見込みと発表され、私たちも一時は渡航を断念せざるを得ない状況に。
その後、フィンエアーから正式に「キャンセルまたは延期を」との通知が届き、ご遺族にも事情をお伝えしたところ、快くご理解いただけたことが救いでした。
代替ルートを探した結果、「日本→イギリス→ドイツ→フィンランド」という複雑な経由便を確保。2月1日にイギリスへ飛び、一泊後にドイツ経由でようやくフィンランドへ到着することができました。
長い旅の末に無事到着し、改めて「ご遺骨を無事にお守りし、散骨を行えた」という安堵と喜びに包まれました。
ストライキの背景~フィンランドの労働事情
私たちの渡航中、フィンランドでは政治的ストライキが頻発していました。政府の労働政策に対する反発が背景にあり、特に今回のストライキでは以下の内容に多くの国民が反対していたといいます。
- 有給の病気休暇初日を無給にする案
- 子供の人数による失業給付増額の廃止
- 雇用者が特別な理由なく解雇できるようにする提案
- ストライキ実施期間を「1日」に制限する法案案
この影響により、フィンエアーでは約550便が欠航、国営鉄道VRやトラムなどの公共交通機関も運休していました。
フィンランドでは、業種別の労働組合が強い発言力を持ち、政府に対して明確な意思表示を行います。日本とは異なり、「産業単位での団結」が社会に根付いており、ストライキは国民の生活の一部ともいえる存在なのです。
タンペレでの思わぬ出来事~無人ホテルにご注意を
セレモニー終了後、少しだけ観光の時間を取り、ヘルシンキから電車で約2時間の「タンペレ」へ向かいました。
予約していたホテルに到着したものの、なぜかドアが開かず、フロントも見当たらない——そこは完全無人のホテル(オメナホテル)でした。
チェックインには「ドアコード」が必要だったのですが、案内メールが届かず、急いでホテルに問い合わせ。1時間後にようやくコードが届き、何とか部屋に入ることができました。厳寒の中、野宿を覚悟した瞬間もありました。
海外では「無人チェックイン方式」のホテルも多いため、予約時の案内メールは必ず確認しましょう。
海外散骨セレモニー立ち会いの注意点
弊社では、海外での散骨に立ち会いたいというご希望にも対応しております。ただし、基本は「代理散骨」としてお預かりしたご遺灰を弊社が責任を持って現地で供養する形式です。
そのため、現地での移動・宿泊手配や現地案内などはお客様ご自身で行っていただく形となります。
関連記事:【遺族が立ち会わない代理散骨~海と森のセレモニーの海外リゾート散骨代行~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/s2eod-4g2tq
今回のように、ストライキや宿泊施設でのトラブルなど、海外では予期せぬ事態が起こりうることもあります。立ち会いを検討される際は、現地の情報収集と計画をしっかりと行うことが大切です。
次回はセブ島へ~南国でのセレモニー予定
今月末には、常夏の島「フィリピン・セブ島」での散骨セレモニーを予定しております。今度こそ、無事に現地入りできることを祈りつつ、引き続き丁寧な供養のお手伝いをしてまいります。



