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家族葬を選ぶということ～新しい時代の葬送スタイルと注意点～
家族葬が選ばれる背景
かつての葬儀といえば、故人と縁のある人々が50〜60人規模で集まり、最期のお別れをするのが一般的でした。しかし、コロナ禍をきっかけに、そのスタイルは大きく変わりました。現在では、10人以下で行われる小規模な葬儀が珍しくなくなり、家族だけで見送る「家族葬」が急増しています。
【第6回お葬式に関する全国調査2024年】によれば、家族葬は50.0％と一般葬を上回り、最も多い葬儀形式となっています。
街では、家族葬専用のセレモニー会館もよく目にするようになりました。しかし、増加に伴ってトラブルも報告されており、注意が必要です。
家族葬にまつわるトラブルの実例
費用に関するトラブル
国民生活センターによれば、2022年の葬儀トラブルに関する相談件数は951件。
最も多いのが費用に関するものです。たとえば「家族葬40万円から」と広告していた葬儀社に依頼したところ、「そのプランではできない」と言われ、250万円のセットプランを提示され、最終的に300万円近く支払うことになったという相談もあります。
これは、家族葬の需要増加により、葬儀社が利益確保のために高額なオプションを提案する傾向が背景にあると考えられます。
少人数にも関わらず広すぎる会場を用意された
家族葬と伝えていたにもかかわらず、大規模会場を案内され、祭壇がぽつんと置かれた寂しい雰囲気の中、高額な費用を請求されたというケースもあります。豪華なオプションを誘導するための演出である可能性も否定できません。
香典が想定より少なかった
参列者が少ないため、香典収入が少なく、結果的に葬儀費用の多くを施主が負担することになったという例もあります。家族葬は「安い」というイメージがありますが、内容によっては一般葬よりも高くつく場合もあります。
想定外の参列者増加による追加費用
近しい人だけで執り行うつもりが、思ったよりも参列希望者が多く、プラン外となって追加費用が発生することも。また「声をかけられなかった」といった苦情も招きがちです。
生前に家族で「誰を呼ぶか」を話し合ったり、終活としてエンディングノートに記しておくことが大切です。
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家族葬のトラブルを防ぐために
家族葬は費用が安いとは限りません。棺や人件費、安置施設の費用は一般葬と同様に必要です。「家族葬20万円～」などの広告表現に惑わされず、事前に情報を集め、複数の葬儀社に相談して見積もりを取りましょう。
・参列者の人数を具体的に伝える
・予算の上限を明確にする
・複数社の見積もりで相場を把握する
これらを行うことで、適切なプラン選定ができ、不要なトラブルを防げます。大切なのは「任せきりにせず、自分たちで内容を確認・選択する」ことです。
無形化する葬儀とお墓～直葬・墓じまいの増加
現代では、葬儀を行わずに火葬のみを行う「直葬」も増えています。費用を抑えられるだけでなく、葬儀社とのトラブルも避けられるため、関心が高まっています。
【第6回お葬式に関する全国調査2024年】では、直葬・火葬式が9.6％と、2020年の5％から増加しています。
さらにお墓も「無形化」されつつあります。継承者不足や費用負担などから、墓じまいを行う人が増えているのです。
厚生労働省の【令和4年度衛生行政報告例統計表】では、全国の墓じまい件数が約15万件と過去最多を記録しています。
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自然葬という選択～心に寄り添う新しい供養
墓じまいの後、遺骨を合祀墓に納めたり、自然葬（散骨・樹木葬）を選ぶ人も増えています。とくに散骨は、お墓の管理や維持の負担がなく、継承者問題も発生しないことから注目されています。
弊社では、散骨セレモニーにおいて、献花や献酒、メモリアルムービー作成などのオプションもご用意していますが、料金はすべて明確に提示しています。高額請求や不透明な追加料金の心配はありません。
自然に還るという考えに共感し、散骨を選ぶ方が増えているのは、故人や遺族の想いに正直な選択肢として受け入れられているからでしょう。
かたちは違っても大切なのは「偲ぶ心」
「葬儀をしないと気持ちの整理がつかない」「代々のお墓をなくすのは申し訳ない」と感じる方もいるでしょう。一方で、葬儀やお墓の有無に関係なく、故人を偲ぶ気持ちは変わりません。
大切なのは、どのようなかたちであっても、心を込めて故人を想うこと。葬送のかたちが多様化している現代において、自分たちらしい「見送りのかたち」を選ぶことが求められています。
