有名人の墓じまい
孤独死・孤立死の不安と備え
近年、「孤独死」や「孤立死」といった問題が社会で注目を集めています。孤独死とは、家族や友人と交流があっても、誰にも看取られずに亡くなること。孤立死は、社会とのつながりを絶った状態で亡くなるケースを指します。
身近に人がいても孤独死・孤立死は起こり得ます。まして、死後を任せられる身内がいない場合には、不安を抱えるのも当然です。
今回は、「親族が孤独死したときの対応」や「自分が孤独死・孤立死するかもしれない場合の備え」について解説します。
孤独死の背景と統計
孤独死の主な原因は病死で、全体の66.8%を占めています。脳梗塞や心筋梗塞など、突然発症する疾患によるものが多く、稀に餓死によるケースもあります。
続く原因は自殺で、全体の9.8％。これは厚生労働省の統計（令和3年）における全体の自殺率（1.4％）の7倍に相当し、非常に深刻な数字です。
また孤独死の発見までにかかる平均日数は18日とされており、女性の方が早期に発見されやすい傾向があります。人付き合いの広さが要因と考えられます。
若年層の孤独死も増えており、一人暮らしをしていれば年齢に関係なく起こり得ることが分かります。
参考：【日本少額短期保険協会「第7回孤独死現状レポート」】https://www.shougakutanki.jp/general/info/kodokushi/news/kodokusiReport_7th.pdf
親族が孤独死したときの対応フロー
1. 遺体を発見した場合
発見者が自分である場合、まずは呼吸や心拍の有無を確認し、曖昧であれば救急車を要請します。明らかに死亡している場合には、警察への通報が必要です。現場では部屋のものに触れず、指示を待ちましょう。
2. 現場検証と身元確認
警察が到着すると、事件性の有無や死因などを調査する現場検証が行われます。本人確認が困難な場合は、DNA鑑定が行われることもあり、その結果が出るまでに1〜3ヶ月かかることもあります。
3. 遺体の引取りと葬儀の準備
遺族が確認された場合には、遺体の引渡しが行われます。引取りには身分証や印鑑、可能であれば故人の身分証も必要です。火葬や葬儀の実施にあたっては、親族間での負担や責任の所在がトラブルになることもあります。
※遺族がいない、または引き取りを拒否した場合
遺族が見つからない場合、【行旅死亡人取扱法】に基づき、自治体が火葬・埋葬を行います。遺骨は5年間保管されたのち、無縁仏として埋葬されます。遺族が判明した後には、火葬費等が請求されることもあります。
4. 特殊清掃の依頼
死後の経過時間が長い場合、室内には腐敗臭や体液、害虫などが発生します。原状回復のためには専門の「特殊清掃」業者への依頼が必要です。賃貸物件では周囲への影響もあるため、早急な対応が求められます。
5. 遺品整理
遺品整理も必要になりますが、相続放棄を検討している場合は要注意です。相続人が業者を手配すると、相続の意思があるとみなされる可能性があるため、必ず専門家に相談しましょう。
死後を託す仕組み：死後事務委任契約
家族や親族がいない場合でも、「死後事務委任契約」を活用すれば、信頼できる第三者に死後の手続きを任せることが可能です。
- 葬儀・納骨手続き
- 医療費や公共料金の精算
- 部屋の片付けや遺品整理
契約は法律家や専門事業者と締結し、内容は明確に契約書へ記載します。
費用の一例としては以下の通りです。
- 契約書作成料：約30万円
- 委任報酬：約50〜100万円
- 公証人手数料：約1万1,000円
- 預託金：委任内容により変動
弊社では、「散骨を行う死後事務委任契約」についても、ご本人と直接契約することが可能です。追加費用などは発生しません。
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孤独死・孤立死を防ぐ方法
見守りサービスの導入
センサーやカメラ、スマート家電を活用して、日常の動きに異常があった場合に家族へ通知が届くサービスがあります。冷蔵庫の開閉やリモコン操作などをトリガーにするシステムもあり、離れていても安否確認が可能です。
SNSによるつながり
孤立を防ぐには、社会との接点を保つことも重要です。X（旧Twitter）やInstagramなどを通じて、同じ趣味や悩みを持つ人々とのつながりを持つことも効果的です。
エンディングノートで最期の準備を
社会的な孤立を感じていても、人は誰かに想いを伝えたいものです。過去の大切な人、恩人、友人への想いを、エンディングノートに書き記しておくのもひとつの方法です。
エンディングノートには、葬儀の希望や死後の手続き、自身の人生観などを自由に書くことができます。
書くことで自分の人生を見つめ直し、社会との関わりを再確認するきっかけにもなるでしょう。若年層においても孤独死のリスクは存在します。エンディングノートは年齢を問わず、誰にとっても大切な終活ツールです。
関連記事：【終活を始めよう～遺言書とエンディングノートの作成～】https://sea-forest-ceremony.com/blog/y5x-o2yo5sbd
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孤立を防ぎ、自分らしい最期を迎えるために
孤独死や孤立死は誰にでも起こり得ます。だからこそ、日常の中で人とのつながりを持ち、万が一のために備えておくことが大切です。
終活は、死を準備するだけでなく、今を生きるための大切なプロセスでもあります。自分のため、そして残される人のために、今できることから始めてみてはいかがでしょうか。
