火葬場の混雑緩和に向けた取り組み~名古屋・八事斎場の拡充事例~
分骨という選択──故人を想う多様な供養のかたち
分骨をする理由
「遺骨をすべて散骨するのは少し寂しい」
そう感じる方は少なくありません。
そこで、遺骨の一部を自宅で保管する「手元供養」や、離れた場所にあるお墓とは別に近隣の納骨堂へ納めるという選択をする人が増えています。
このように、遺骨を複数の場所で供養・保管したい場合に行うのが「分骨」です。また、すでに納骨された遺骨の一部を取り出して散骨や手元供養に活用したいという場合にも、分骨の手続きが必要になります。
ここでは、分骨の具体的な方法や注意点、費用などを解説します。
分骨の方法と流れ
火葬場で分骨する場合
- 1. 分骨用の骨壺を用意
- 用途や分量に合わせた骨壺を事前に準備します。火葬場で購入できることもあります。
- 2.火葬場で分骨証明書を発行してもらう
- 正式には「火葬証明書(分骨用)」と呼ばれ、故人情報や分骨の目的、分骨後の埋葬場所などが記載されます。必要数分発行してもらいましょう。
- 3.火葬後に遺骨を分けて収める
- 火葬終了後、それぞれの骨壺に遺骨を分けて納めます。
お墓から骨壺を取り出して分骨する場合
- 1. 祭祀者(遺骨の管理者)の許可を得る
- 無断で分骨を行うと親族間のトラブルになりかねません。
- 2.分骨用の容器を準備する
- 密封できる容器であれば、骨壺以外でも使用可能です。
- 3.墓地管理者に分骨証明書を発行してもらう
- 分骨の旨を伝え、必要枚数の証明書を依頼します。
- 4.墓石を開けて遺骨を取り出す
- 石材店による作業が必要となります。あわせて「閉眼供養」の準備も行いましょう。遺骨は新しい容器へ丁寧に分けて納めます。
分骨証明書の必要性
分骨証明書は、分骨した遺骨が誰のものかを正式に証明するための大切な書類です。分骨先の墓地や納骨堂へ提出が求められます。これは「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」により義務付けられています。
「墓地等の管理者は、他の墓地等に焼骨の分骨を埋蔵し、またはその収蔵を委託しようとする者からの請求があった場合は、その事実を証する書類を交付しなければならない。」(施行規則 第5条)
また、散骨を専門業者に依頼する場合にも、分骨証明書の提示が求められることがあります。
弊社で必要となる提出書類について
弊社では散骨を承る際、以下のいずれか1点が必要となります。
- 火葬証明書
- 火葬許可証
- 分骨許可証
さらに、フィリピンでの散骨を行う場合、税関通過のために以下の原本をご提出いただいています。
- 外務省アポスティーユ付きの「火葬証明書」「火葬許可証」「分骨許可証」いずれかの原本
- 外務省アポスティーユ付きの戸籍謄本の原本
- パスポートのコピー
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なお、手元供養のみであれば証明書が不要な場合もありますが、供養品の製作や将来的な納骨を視野に入れるなら、発行をおすすめします。
分骨にかかる主な費用
骨壺の費用
目安として1個8,000円〜1万円程度。素材やデザインによって価格は異なります。
分骨証明書の発行費用
1通あたり100~300円程度。分骨の数に応じて必要枚数を申請します。
墓石開封費用
石材店による作業費として2〜3万円が一般的です。
開眼・閉眼供養のお布施
相場は3〜5万円ほど。宗派や地域によって異なりますので、事前に確認を。
分骨をする際の注意点
- 家族や親族へ事前に相談すること
- 祭祀者の了承を得ること
- 分骨先が合祀墓の場合、後から取り出せない点に注意すること
円滑に手続きを進めるためにも、周囲の理解と同意を得ておくことが大切です。
分骨は故人を身近に感じる供養方法
分骨を行うことで、手を合わせる機会をより身近に持つことができます。
たとえば、
- お墓とは別に近場の納骨堂で供養する
- 手元供養として身近に故人を感じる
- 散骨後でも、一部の遺骨を手元に残すことで後悔を防ぐ
など、柔軟な供養の選択肢が広がります。
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想いを大切に、納得のいく供養を
分骨は、供養のかたちを柔軟にし、故人とのつながりを保ち続ける方法の一つです。
とはいえ、人によって分骨に対する考え方はさまざまです。トラブルを避けるためにも、家族や親族との話し合いはしっかりと行っておきましょう。
故人を想う気持ちを軸に、自分たちらしい供養を選んでみてはいかがでしょうか。



