自分で散骨を行う際の手続きと注意するポイント

村田光史

村田光史

テーマ:散骨

自分の手で見送る──故人を自然に還す散骨のかたち


自分で散骨をするという選択


「自分が亡くなったら、海に撒いてほしい」
そう願う人は増えてきました。近年、散骨という葬送の方法は社会に浸透しつつあり、希望する人も増加しています。

現在では多くの散骨・散骨代行業者が存在し、セレモニーの形式や散骨場所のバリエーションも豊富になってきました。しかし、大切な人を最後に送り出すその瞬間を、自分の手で行いたいと考える方もいるのではないでしょうか。

散骨は「節度を持って行う限り違法ではない」とされており、実際に自分で行うことも可能です。ただし、地域によっては条例で制限されている場合があるため、注意が必要です。ここでは、自分で散骨を行う際の方法や注意点をご紹介します。

自分で散骨するための手順と注意点


祭祀承継者の確認


遺骨の所有権を持つのは、一般に「祭祀承継者」と呼ばれる人物です。散骨を行う前には、この承継者に確認を取り、了承を得ることが必要です。独断で散骨を行うと、遺族間でのトラブルになる可能性があります。一度撒かれた遺骨は戻りません。必ず話し合いの上で進めましょう。

遺骨を粉末状にする(粉骨)


散骨する際には、遺骨を概ね2mm以下の粉末にする「粉骨(ふんこつ)」が必要です。これは【刑法第190条(死体遺棄罪)】に該当しないための条件でもあります。

自分で粉骨することもできますが、非常に時間と労力がかかり、精神的負担も大きいため、多くの方は業者に依頼しています。機械を使用すれば、1時間ほどで粉骨が可能です。

また、粉骨後の遺灰は湿気を吸収しやすく、カビの原因になることがあります。以下のような保管方法が推奨されます。

  • 水溶性の袋に入れる
  • チャック付きの密封袋に入れる
  • 湿気の少ない場所で保管する


お墓から取り出した遺骨など、水分を含んでいる場合は、十分に乾燥させてから粉骨するようにしましょう。

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散骨可能な場所の確認


散骨はどこでも行えるわけではありません。地域によっては条例により散骨を禁止している場所もあるため、必ず事前に確認しましょう。

また【墓地、埋葬等に関する法律】には明確な記載はありませんが、以下の場所では散骨を控えるよう国の指導があります。

  • 水源地や生活用水に使用される河川・湖沼
  • 漁場や養殖場付近
  • 公園・住宅地
  • 観光地・観光ルート


場所別に見る散骨の注意点


海での散骨(海洋散骨)


海は比較的自由度の高い散骨場所です。基本的に法的な規制はありませんが、各自治体がガイドラインや条例を設けていることもあります。

例えば【静岡県熱海市】では「海洋散骨ガイドライン」が設けられており、実質的に散骨が制限されている例もあります。

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関連記事:【散骨できない場所~条例規制やマナー~】https://sea-forest-ceremony.com/blog/gp__5_gwwk


また、散骨を行う際は、以下のようなマナーも重要です。

  • 人目につく海水浴場などでは避ける
  • 漁業権を持つエリアや養殖場の近くでは行わない
  • 静かな沖合で行う(船をチャーターするのが一般的)


山での散骨(山間散骨)


山には必ず所有者がいます。国有地、県有地、個人所有地などいずれにしても、無断での散骨はできません。許可を得るのも難しいのが現状です。

例として富士山を希望する方もいますが、七合目以下は国・県有林、八合目以上は「富士山本宮浅間大社」の私有地となっており、許可なく散骨することはできません。

ただし個人で少量の遺灰を撒く程度であれば、マナーの範囲で許容される場合もあります。登山者の中には、遺灰を山頂に撒くことで故人を偲ぶ人もいます。とはいえこれは個人責任の範囲であり、業者としてそのような散骨を請け負うことはできません。

海外での散骨


海外でも散骨が可能な国はありますが、現地の法律・文化・宗教的背景を理解し、適切な手続きが必要です。個人での手配は難易度が高いため、代行業者に依頼するのも一つの方法です。

弊社では以下のエリアで海外散骨を承っています。

フィリピン散骨:【https://sea-forest-ceremony.com/philippines

フィンランド散骨:【https://sea-forest-ceremony.com/finland

オーストラリア散骨:【https://sea-forest-ceremony.com/australia


節度ある散骨を


アメリカ・ディズニーランドでは、密かに散骨が行われる事例もありますが、当然ながら無許可での散骨は問題になります。

関連記事:【ディズニーランドでの散骨の実態】https://sea-forest-ceremony.com/blog/pia1gzh67f18


自分で散骨を行う場合でも、周囲への配慮とルール遵守が必要です。初めて行う方にとっては不安も多く、手順やマナーを誤るとトラブルに発展する恐れもあります。

そのようなときは、散骨の専門業者に相談してみるのも良いでしょう。
ご自身の思いを尊重した供養の方法や、思いもよらなかった素敵なお見送りのアイデアが見つかるかもしれません。

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Mybestpro Members

村田光史
専門家

村田光史(散骨代行)

合同会社KOKESHI Arts 海外リゾート散骨 海と森のセレモニー

希望する外国への散骨が可能か調査し、骨の粉砕や法的手続きを代行。葬儀は動画に収め、散骨証明書と共に遺族へ送付する。シニアライフパートナーの資格を持ち、墓じまいなどシニアとその家族の悩みにも幅広く対応。

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