納骨堂~新たなお墓の選択肢~

村田光史

村田光史

テーマ:冠婚葬祭

注目が高まる納骨堂という選択肢


近年、供養のかたちが多様化し、墓石を建てる従来のスタイル以外を選ぶ人が増えてきました。

その中で「散骨」や「樹木葬」と並んで選ばれているのが「納骨堂」です。

納骨堂とは、屋内に遺骨を納めるための施設で、一時的な保管から永代の供養までさまざまなスタイルがあります。

納骨堂のメリット


  • 天候に左右されずお参りできる
  • アクセスしやすい都市部に多い
  • 継承者不要の永代供養付きが多い
  • 比較的費用を抑えられる
  • 宗派を問わず利用できる


屋外のお墓のように広い土地を必要とせず、都市部を中心に納骨堂の整備が進んでいます。

納骨堂の種類と特徴


納骨堂は運営者によって特徴が異なります。

運営主体による分類


  • 寺院納骨堂:寺院の敷地内に設置され、檀家でなくても利用できるケースが多い
  • 公営納骨堂:自治体が運営。使用条件があるが、費用は安価で人気が高い
  • 民営納骨堂:公益法人などが運営。価格は高めだが、サービスの自由度が高い


構造による分類


  • ロッカー式:鍵付きロッカーに納骨する簡易タイプ
  • 仏壇式:仏壇付きのスペースで、位牌と共に納骨可能
  • 位牌式:位牌は表に、遺骨は別に納められ、費用を抑えられる
  • 棚式:仕切りのない棚に骨壺を並べる昔ながらの形式
  • 墓石式:屋内に墓石を設置し、従来のお墓に近い形式
  • 自動搬送式:タッチ操作で厨子が自動で運ばれ、映像や音楽の演出も可能


費用は10万円〜100万円前後と形式によって幅があります。

納骨堂と従来のお墓の違い


従来のお墓は代々継承することが前提となっており、継承者がいなくなると「無縁墓」となる恐れがあります。その場合、「墓じまい」や「改葬」といった手続きが必要になります。

一方、納骨堂では永代供養がセットになっていることが多く、契約期間(目安は33年)が過ぎると、他の遺骨とともに「合祀供養」され、寺院や霊園によって供養が継続されます。

また、屋内型であるため掃除や草取りといった管理の手間が不要で、施設全体が常に清潔に保たれています。

とはいえ、自然の中で眠りたいという人には、屋外のお墓の方が気持ちに合うかもしれません。

お墓のかたち、自分らしく選ぶ時代に


「お墓に入るのが当たり前」と思われがちですが、最近ではお墓を持たない選択をする人も増えてきました。

納骨堂では、夫婦や親子だけでなく、友人やペットと一緒に納骨できる形式もあり、多様なニーズに応えています。

「大切な人と共に眠りたい」――そんな気持ちに応えてくれる場所を選ぶことができるのです。


納骨堂をはじめ、散骨や樹木葬など、供養の選択肢は広がっています。自分の想いに寄り添った最期の場所を、今から考えてみるのも良いかもしれません。

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Mybestpro Members

村田光史
専門家

村田光史(散骨代行)

合同会社KOKESHI Arts 海外リゾート散骨 海と森のセレモニー

希望する外国への散骨が可能か調査し、骨の粉砕や法的手続きを代行。葬儀は動画に収め、散骨証明書と共に遺族へ送付する。シニアライフパートナーの資格を持ち、墓じまいなどシニアとその家族の悩みにも幅広く対応。

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