PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

ピアノレッスンで音楽活動の土台を築き、一生もののギフトを贈りたい

未来を育むリトミック講師・一人で弾く力を育てるピアノ講師

加藤絵美

加藤絵美 かとうえみ
加藤絵美 かとうえみ

#chapter1

読譜力など基礎を学ぶコースや受験対策コースなど、ニーズに合わせたクラスを展開

 「ピアノはすべての楽器の音域を網羅しているという説もあり、いわば楽器の王様です。ピアノで培った知識や技術は、ギターでも歌でもあらゆる音楽活動の土台となり、将来の可能性を広げます」

 そう語るのは「プチボヌールミュージックサロン」を運営する加藤絵美さん。リトミック講師として、東京都江東区を中心に幼稚園や保育園に足を運ぶ他、ピアノ教室を開いています。
 小さな子どもから中高生、大人までを対象にした通常、趣味のコースをはじめ、幼稚園教諭・保育士試験や音高・音大受験に向けた対策コース、コンクール前の特別レッスンなど、ニーズに合わせたクラスを展開しています。

 最大の特長は、楽譜を読む「読譜力」を伸ばすこと。楽譜にはリズム、拍子、テンポなど演奏に欠かせない情報が記されており、これらを読み解く力は上達スピードにも密接に関わっていると話します。

 「音楽記号などを理解しないまま難しい曲に突入すると、譜読みに時間がかかり苦手意識を持ってしまうので、レッスン前5~10分を読譜力のトレーニングに充てています。お子さんには遊びを通じたワークで、基礎力を積み上げることを心掛けています」

 音符カードを高速でめくり和音を素早く弾くゲームや、ドレミといった幹音や、シャープ、フラットの派生音を呪文のように復唱するなど、ユニークな内容が盛りだくさん。
 「指の力を強化するためにシリコン製のプチプチおもちゃを用いたり、スポンジで指が沈み込む強弱を覚えさせたり。口で説明するのではなく『できた感覚』をつかめるようにしています」

#chapter2

ピアノを通じて目標に向かう忍耐力や曲を完成する自立心など、社会を生き抜く力を育む

 加藤さんがピアノを始めたのは3歳のとき。しかし、同時期に始めたスイミングで強化選手に抜てきされたこともあり、ピアノにはあまり手が回らなくなりました。見かねた家族に「水泳かピアノ、どちらかにしたら?」と言われ、悩んだ末にピアノを選択したことが全力を注ぐきっかけとなりました。

 「ピアノを選んだ理由は恩師の存在でした。自主練習を十分にできない私にも優しく、音を奏でる喜びを伝え、ピアノの魅力を教えてくれました。本気で取り組むと決めてからは苦しい瞬間もありましたが、『ピアノは楽しい』という幼少期のポジティブな記憶が私の核となっています」

 自身の経験から、ピアノを通して身につく能力は演奏力だけでなく、むしろ精神面への影響が大きいと考えた加藤さん。レッスンを重ね一歩ずつ目標に向かう忍耐力、ひとりで曲を完成させる自立心、発表会やコンクールなど大勢の前で本領を発揮する勝負強さなど、社会で生き抜く力がまんべんなく養われると言います。

 「今の子どもは忙しく、習い事をいくつも掛け持ちするケースも多いです。自宅でお稽古しなければ上達しないというのは、あまりにもハードルが高いので、最低限の練習でも実力がつくように工夫しています」

 加藤さんは、一人一人の習熟度に応じてカリキュラムを構築。成功体験を積み重ねて、強い心を育むことを重視しています。
 「やればできるという自信を持つことが大切。きちんと継続すれば、スキルは後からついてきます」

加藤絵美 かとうえみ

#chapter3

リトミック指導で表現力や感受性を磨き、「人の心を動かす演奏」を後押し

 加藤さんは、都内に2校目となるピアノ教室の開校も予定。並行して、音楽体験の入り口となる未就学児のリトミックにも力を入れています。幼児向けのイメージがありますが、演奏家や作曲家らが音を感じ取り、考える力を伸ばすために考案されたプログラムが原点だそうです。

 「ピアノは譜読みと指の動作ができれば、誰でも一定レベルには到達します。人の心を震わせる演奏には、楽曲の世界観を描き出す表現力や感受性が必要です。これらを磨くのは幼少期が適しているとされ、音遊びの中でアプローチできるのがリトミックの良さでしょう」

 0~3歳の子どもたちを迎え入れる際は、その日のコンディションを見ながら臨機応変に対応。それぞれに寄り添った指導方針は、どの世代の生徒にも共通しています。

 「個性を尊重するのは大人も子どもも同じです。音楽は自己実現の手段であり、目指すゴールはみんな違うもの。特にお子さんの場合はピアニストになりたい、Youtuberになりたい、学校の合唱祭で伴奏をやりたいなど夢の形はさまざまですから、レッスンも柔軟でなければなりませんね」

 加藤さんは、講師として自らも成長し、生徒に合わせたサポートを追求したいと語ります。
 「ライフスタイルの変化により、ピアノから離れる生徒さんもいるでしょう。ですが、読譜力や音を紡ぎ出す豊かな感性は一生もののギフトです。何より音楽は、うれしい時も悲しい時も側にいてくれます。人生のパートナーとなり得ますので、長く親しんでほしいと願っています」

(取材年月:2023年9月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

加藤絵美

未来を育むリトミック講師・一人で弾く力を育てるピアノ講師

加藤絵美プロ

ピアノ講師・リトミック講師

プチボヌールミュージックサロン

将来人に習わなくても好きな曲が弾けるよう「読譜力」を重視し、オリジナリティーの高いレッスンを展開。音感育成に適した乳幼児期のリトミック指導にも注力し、多数の幼稚園や保育園で講師として活躍する。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ東京に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または朝日新聞が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO