2型糖尿病治療アルゴリズム

税所芳史

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日本糖尿病学会は「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」に関するコンセンサスステートメントを2022年に発表しました。

本アルゴリズムは、糖尿病の病態に応じて治療薬を選択することを最重要視し、エビデンスとわが国における処方実態を考慮して作られたものです。具体的には、Step 1として病態に応じた薬剤選択、Step 2として安全性への配慮、Step 3としてAdditional benefitsを考慮するべき併存疾患(慢性腎臓病、心不全、心血管疾患)を挙げ、Step 4として考慮すべき患者背景を挙げて、薬剤を選択するアルゴリズムになっています。キーワードとして「2型糖尿病」「薬物療法」「アルゴリズム」「血糖降下作用」「安全性」「併存症」「臓器保護」「治療継続率」そして「薬価」が挙げられており、これらの点を重視して本アルゴリズムが作成されているのが分かります。

これまで海外ではアメリカ糖尿病学会やヨーロッパ糖尿病学会が2型糖尿病の薬物療法アルゴリズムに関するコンセンサスステートメントを発表していましたが、今回わが国でも独自のアルゴリズムが作成されたことで、わが国における糖尿病診療の質のさらなる向上・標準化に役立つものと期待されます。

大変光栄なことに、本アルゴリズムでは冒頭で日本人・アジア人の2型糖尿病の特徴について解説されているのですが、その中で膵β細胞量についての我々の研究(Kou K, Saisho Y, et al. J Clin Endocrinol Metab 98: 3724-3730, 2013)と、留学先の恩師であるButler教授の研究(Butler AE, et al. Diabetes 52: 102-110, 2003)が参考文献として引用されました。我々の研究結果が本アルゴリズムを通してわが国の糖尿病診療の向上に少しでも貢献することができればこの上ない喜びです。

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税所芳史(医師)

さいしょ糖尿病クリニック

糖尿病の悪化はインスリンを分泌するβ細胞の働きすぎに原因があるとの考えのもと、患者自身で症状をコントロールし健康を維持することを目指します。また来たいと思ってもらえるようスタッフ全員で治療を支えます。

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