「年収重視」から「働き方重視」へ?データで見る、公認会計士が“納得の転職”をするまでの心境変化
現在、経理職で働いていて転職を考えている方の中には、「今の環境に不満はあるけれど、転職でキャリアが途切れるのは不安」という方も少なくないでしょう。
しかし経理職の転職市場は今、ほかの業種と同じように流動性が高まっているため、転職をしたからといって必ずしもキャリアが途切れてしまうというわけではありません。むしろ、転職をしてキャリアアップしている人も多いという興味深いデータもあるのです。
そこで今回は、直近3年以内に転職した経理人材のリアルな声から、成功する転職のヒントを探っていきます。
転職活動を「妥協」ではなく「戦略」として行っていきたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
転職のきっかけは組織のガバナンスの問題
経理人材や会計人材に特化した転職サポートを行う株式会社レックスアドバイザーズが、2023年から2026年に経理職に転職した534名を対象に行った、「経理職の転職実態に関する調査」(株式会社PRISMAのアンケートパネルを活用)にて、転職のきっかけを聞いたところ、以下の結果となりました。
一番多かった回答は「人間関係のトラブル(38%)」で、続いて「昇格や昇給が見送りになった(32%)」、「業務量が増えた(18%)」、「上司や同僚が退職した(17%)」の順となっています。
これらの、人間関係のトラブルや昇格・昇給の見送り、業務量の増加といった問題は、個人の耐性や能力の問題として見られてしまうことも少なくありませんが、実はそうではなく、組織のゆがみやガバナンスの問題であると捉えたほうがいいでしょう。
経理は少人数の閉鎖的な組織になりやすく、1人の退職がドミノ倒しのように業務過多を招く「連鎖退職」が起きやすいもの。
そのため「これくらいで辞めるのは甘えかも」と思わず、その環境が自分の専門性を磨く時間を奪っていないかをチェックすることが大切になります。
そして転職活動の際には、転職先企業が健全な組織かどうかを見極めることが重要です。業務が属人化していないか(マニュアルの整備や業務のシェアがされているか)、効率化への姿勢はどうか、採用背景はどのようなものかなどをしっかり確認しましょう。
転職活動後3年以内のキャリアアップ実現率は43%
「経理職の転職実態に関する調査」で、転職活動を通じて役職やポジションがどのように変化したかを聞いたところ、結果は以下のようになりました。
経理職全体での転職後のポジションは、「転職時に上がった」と回答した人が18%、「転職後に上がった」と回答した人が25%、「変わらない」と回答した人が43%、「転職後に戻った」と回答した人が6%、「転職時に下がった」と回答した人が6%という結果になっています。
一方、経理管理職の転職後のポジションについては、「転職時に上がった」が15%、「転職後に上がった」が28%、「変わらない」が39%、「転職後に戻った」が7%、「転職時に下がった」が10%でした。
どちらにおいても、転職活動後3年以内に4割以上の転職者がキャリアアップに成功していることがわかります。
また転職によって一時的なランクダウンがあっても、3年以内に昇進して元の役職やポジションに戻るケースが多いという実態も判明。
これは、経理スキルのポータビリティが非常に高く、環境を変えることで適正に評価され直すケースが多いということを物語っています。
人材紹介コンサルタントの私から言えるのは、「管理職から一般職へのスライド(キャリアダウン)を恐れすぎないようにしましょう」ということ。調査結果にある通り、一度ポジションを下げても数年以内に元の役職以上に戻る「ステップバック・転職」が戦略として有効だということです。
経理の転職はキャリアを再起動させるための有効な戦略
今回の調査結果でわかったことは、経理職にとっての転職が、単なる現状からの脱出ではなく、キャリアを再起動させるための有効な戦略だという事実です。
「人間関係や業務量に限界を感じている」という動機は、ネガティブに捉えられがちですが、そうではありません。あなたが自分に「今の環境がキャリアを阻害しているのでは?」と問いかけ、より健全に、より専門性を発揮できる場所を求めて行動を起こした、プロ意識の表れでもあるからです。
実際に、転職活動で適切な環境を選び直した人の4割以上が、3年以内に昇進という形で正当な評価を勝ち取っています。
経理のスキルは、会社が変わっても価値が変わらない一生モノの武器。だからこそ、その武器をどこで、誰のために使うかは、自分自身で決めていいのです。
もし今、あなたが「このまま今の場所で頑張り続けるべきか、転職するべきか」と立ち止まっているのなら、一度外の世界を覗いてみるのも手です。データが証明している通り、一歩踏み出した先には、今よりもずっと高く、クリアなキャリア展望が広がっているはず。
現職が忙しく、一人で戦略を立てた転職活動をするのはなかなか難しいという場合や、一緒に戦い、キャリアアップ転職を成功に導いてくれるパートナーが欲しいという場合は、ぜひ私たち転職エージェントにご相談くださいね。
・参照サイト:経理の転職に関する実態調査|株式会社レックスアドバイザーズ


