9/4(水)本日の貴金属市況〜金相場が下落、米ドル高と長期金利の動向に影響
オープニング:歴史的節目を迎えたマーケット
- 金曜日、金(ゴールド)が1オンス5,080ドルを突破しました。米国最高裁がトランプ関税を違憲と判断し、市場は激震。しかしトランプ大統領は即座に新たな10%グローバル関税を大統領令で署名すると宣言しました。
- 米国GDP成長率は1.4%に急減速し、イランとの軍事衝突リスクも高まる中、安全資産への資金流入が加速しています。今週の3つの重大テーマを解説します。
- 1. 金(ゴールド):5,080ドル突破の背景と今後の見通し
- 2. 日本円:155円台突入とインフレ鈍化の影響
- 3. 米国10年債利回り:4.09%の攻防と政策不透明感
セクション1:金(ゴールド)— 5,080ドル突破の全貌
最高裁判決の衝撃とトランプ大統領の即時反撃
- 米国最高裁は6対3の判決で、トランプ大統領がIEEPA(国際緊急経済権限法)を根拠に発動した相互関税を違憲と判断しました。裁判所は「関税設定権限は議会に帰属する」と明確にし、大統領単独での広範な関税賦課は法的に許容されないと結論づけました。
- この判決を受け、ドルが下落し、金は安全資産として買いが集中。1オンス5,080ドルを突破し、月間高値を試す展開となりました。
- しかし判決からわずか数時間後、トランプ大統領は新たな10%のグローバル関税を大統領令で署名すると宣言。市場は「法的後退」と「新たな保護主義」という二重のリスクを織り込む必要が生じています。
GDP急減速と地政学リスクの再燃
- 2025年第4四半期の米国GDP成長率は年率1.4%と、前期の4.4%から急減速。一方、12月のコアPCEインフレ率は3.0%に上昇し、FRBの目標を上回り続けています。
- 地政学面では、米国が中東で大規模な軍事展開を実施中。トランプ大統領はイランに対し「10〜15日以内に合意しなければ、非常に悪いことが起きる」と警告しており、この緊張が原油価格と金需要を押し上げています。
- ゴールドマン・サックスは、これら背景から2026年末の金価格予測を5,400ドルに引き上げました。
セクション2:日本円 — 155円台突入とインフレ急減速
- 1月の日本の総合インフレ率は1.5%に低下。2022年3月以来の最低水準となり、45カ月連続で日銀目標を上回っていた記録が途切れる形となりました。
- このインフレ鈍化により、日銀が急いで利上げを行う必要性が低下。日本円は1ドル155円を超え、週間で約1.6%の下落を記録しています。
- 高市早苗首相による第二次内閣も発足し、「積極的かつ責任ある」財政政策を推進する方針が示されており、この財政拡張姿勢も円安圧力を維持する要因となっています。
セクション3:米国10年債利回り — 4.09%の攻防
- 米10年債利回りは金曜日に4.09%に上昇しました。最高裁の判決直後は低下したものの、トランプ大統領の新たな関税宣言により反発。関税還付による経済刺激と、新関税によるインフレ圧力という相反する要因が利回りを引き合っています。
- 1月のFOMC議事録では、当局者の見解が「利下げ派」「据え置き派」「利上げ派」の三つに分裂していることが判明。市場は景気後退とインフレが共存する「スタグフレーション」の影を意識し始めています。
クロージング:来週の注目ポイント
- 来週は、GDP減速後の消費者心理を測る「消費者信頼感指数」や、イラン情勢の転換点となる可能性が高いルビオ国務長官とネタニヤフ首相の会談に注目です。
- 特にトランプ大統領が示した対イラン期限の到来は、金・原油市場の最大のワイルドカードとなります。
- 最高裁判決、大統領令、経済減速、地政学危機。これほどのイベントが重なった今、金は5,400ドルへの上昇を続けるのか。今後も目が離せません。
主要マーケット指標まとめ
| 指標 | 今回の数値 | 前回 | 市場予想 |
|---|---|---|---|
| 金(ゴールド) | 5,080ドル/オンス突破 | 約4,970ドル | — |
| USD/JPY | 155円超 | 約152.5円 | — |
| 米10年債利回り | 4.09% | 4.05% | — |
| 米Q4 GDP(年率) | 1.4% | 4.4%(Q3) | 3.0% |
| 米コアPCE(12月・前年比) | 3.0% | 2.8%(11月) | — |
| 日本総合CPI(1月) | 1.5% | 2.1%(12月) | — |
| 日本コアCPI(1月) | 2.0% | 2.4%(12月) | 2.0% |
| 米政策金利 | 3.50%〜3.75% | 据え置き | 据え置き |
| GS金価格予測(2026年末) | 5,400ドル | 4,900ドル(旧予測) | — |



